新NISAは50代で始めても遅くない?運用のポイントを解説
今回は、新NISAを50代からでも始めたほうがいい理由や、新NISAを始めるにあたって押さえておきたいポイントを解説します。新NISAを始める際の金融機関の選び方にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
※本記事では2024年よりスタートしたNISAを「新NISA」と表記しています。
監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。
目次
新NISAを50代からでも始めたほうがいい理由
資金を投資に回しやすい時期
40代までは子どもの学費や生活費といった支出が重なり、投資に回す資金を確保する余裕のなかった人も、まとまった資金を準備しやすくなっていきます。一度家計を整理し、余剰資金をいくら確保できるのか確認した上で、新NISAで資産運用を行うといいでしょう。
預貯金だけでは資産形成が難しい
また、預貯金にはインフレに弱いというデメリットがあります。金融機関の口座に預けている金額は変わっていないように見えても、物価が上昇すればお金の価値が相対的に下がり、預貯金が目減りしたことになるからです。近年は物価高の傾向が見られることから、資産を目減りさせないためにも、よりインフレに強い投資を検討することをおすすめします。
新NISAは初心者にも活用しやすい制度であることから、これから投資を始める人にも適した選択肢といえるでしょう。
50代からでも時間の猶予はある
新NISAの特徴
運用益に税金がかからない
一般的な資産運用の場合、利益に対して20.315%の税金が課されます。一方、新NISAは運用益が非課税となるため、利益がすべて手元に残る点が大きなメリットです。節税を実践しつつ、効率良く資産を形成していきたい人にとって、新NISAは適した資産運用方法といえるでしょう。
非課税保有期間が無期限
金融商品を長期間保有するメリットとして、複利効果を得られる点が挙げられます。複利効果とは、投資によって得られた利益を再び投資に回すことにより、利益がさらに利益を生む効果のことです。運用期間が長いほど得られる複利効果も高くなるため、効率良く資産を増やすことができます。
つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる
2023年までの旧制度では「つみたてNISA」か「一般NISA」のいずれか片方しか選べませんでしたが、新NISAでは投資枠の併用で、より幅広い目的に対応できる制度になったといえるでしょう。
売却で投資枠の再利用ができる
資金が必要なタイミングで保有資産を売却した場合、翌年に投資枠が復活するため、再び投資枠を活用できます。旧制度と比べて柔軟に資産運用ができるようになり、年齢層を問わず活用しやすくなった点が大きなメリットです。
50代は新NISAとiDeCoどちらがおすすめ?
iDeCoも新NISAと同様に節税効果があるものの、iDeCoはあくまでも私的年金である点が新NISAと大きく異なります。老齢給付金は原則60歳以降に給付されるため、iDeCoは60歳に達する前に資金を引き出せません。将来的に急な出費が発生する可能性もあることを踏まえると、基本的には新NISAで資産を運用し、資金に余裕がある場合にはiDeCoも併用するのがおすすめです。
50代で新NISAを始める際のポイント
老後資金の確保など運用目的を明確にする
運用目的が定まれば、目標額も自ずと明確になっていくはずです。目標額から必要な資金を逆算することで、投資にどれだけの資金を回すべきか判断しやすくなります。何に使うのか、いつまでにいくらの資産を形成したいのかを考えておきましょう。
余剰資金で運用する
当面必要なお金まで投資に回してしまうと、いざというときに資金不足に陥り、資産を取り崩すことになるおそれがあります。結果として、保有している金融商品を短期間で売却したり、売却のタイミングを見誤ったりする原因にもなりかねません。生活に支障をきたさない範囲で資金を用意し、投資に回していくことが大切です。
長期的に運用する
新NISAで運用しているあいだに、必要に応じて資産の一部を取り崩すこともあるでしょう。このような場合も、金融資産のすべてを一度に売却するのではなく、保有し続ける部分も残しておき、資産運用を続けていくことをおすすめします。長期的に運用することで、複利効果の恩恵を受けやすくなる点も大きなメリットです。
夫婦がそれぞれ新NISA口座を開設する
また、夫婦でそれぞれ新NISA口座を保有することにより、投資対象を分散させやすくなるというメリットもあります。幅広い金融商品に投資していくことで、特定の金融商品が一時的に値下がりしても別の商品の値上がりでカバーできる可能性があるからです。リスクを軽減する意味でも、夫婦それぞれが新NISA口座を開設することをおすすめします。
投資初心者ならつみたて投資枠から運用を
資金に余裕があり、投資の知識がある人は、成長投資枠を活用するのもひとつの方法です。その場合にも、購入する金融商品を集中させずに幅広く保有することによって、値下がりのリスクを抑える効果が期待できます。短期間で大きな利益を得ようとするのは避け、資産を減らしてしまわないためにも、積立投資や分散投資によってリスクを分散させましょう。
50代で新NISAを始める際の金融機関の選び方
また、金融機関によってはクレジットカードでの投資が可能な場合もあります。クレジットカードを利用して投資することにより、ポイントが貯まっていく点がメリットです。クレジットカードの種類によって貯まるポイント数は異なるため、複数の金融機関を比較検討しておくことをおすすめします。
新NISAは50代で始めてもメリットがある
手軽に新NISA制度を利用するなら、自宅にいながら新NISA口座を開設できるネット証券をおすすめします。ネット証券にも多くの種類があり、取扱商品数や手数料が異なりますので、複数のネット証券を比較検討しておくことが大切です。
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監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。