ペットの歯科治療はペット保険で補償できる?加入のポイントも解説

ペットの歯科治療はペット保険で補償できる?加入のポイントも解説

 ペットが歯周病などにかかると、動物病院に行って歯科治療を受ける必要があります。その際の治療費は、ペット保険で補償できるのでしょうか。また、歯科治療の補償を目的にペット保険に加入する場合、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。

 本記事では、ペットの歯科治療とペット保険の大切さのほか、ペット保険ではどのような歯科治療を補償できるかについて解説します。ペットの歯の健康が心配な人、ペット保険への加入を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. ペットの歯科治療は健康維持のために必要
  2. ペットの歯科治療はペット保険で補償するのがおすすめ
  3. ペット保険の補償対象は保険会社によって異なる
    1. 歯周病・歯肉炎の治療は補償対象になりやすい
    2. 治療中の歯周病は補償対象外
    3. 歯石除去は補償対象外が一般的
  4. 歯科治療を補償できるペット保険に加入する際のポイント
    1. 手術や入院も補償できるプランを選ぶ
    2. 保険料を払い続けられること
    3. 自動更新後に条件が追加されないこと
  5. ペットの歯の健康の守り方
    1. 日頃から歯磨きをする
    2. デンタルケア用品を利用する
  6. ペットの歯科治療にはペット保険で備えよう

ペットの歯科治療は健康維持のために必要

 犬、猫などのペットの歯科治療は、ペットが健康を維持し、長生きするために必要です。

 犬や猫は、みずから歯を磨く習慣がなく、歯周病になりやすい傾向があります。歯周病は、細菌が感染することによって起きる病気の総称で、主に下記のような症状があります。

歯周病の主な症状
歯肉炎:歯垢が溜まり、歯茎が炎症を起こしている状態
歯周炎:歯肉炎が進行し、歯を支える歯周組織が炎症を起こしている状態
歯槽膿漏(しそうのうろう):歯と歯肉のあいだから膿が漏れ出している状態
歯根膿瘍(しこんのうよう):歯根に膿が溜まり、歯痛や食欲不振、口臭の悪化などが起きている状態
 歯周病は進行すると、歯以外にも悪影響を及ぼす怖い病気です。大切なペットの命を守るため、定期的な歯科治療を行いましょう。

 犬の口臭の対処法、歯石ケアについては、下記の記事をご覧ください。
愛犬の口臭が気になる!においの原因と対処法を解説
犬の歯石の原因は?家庭でもできる歯石ケアの方法を解説

ペットの歯科治療はペット保険で補償するのがおすすめ

 ペットの歯科治療にかかる費用は、ペット保険で補償するのがおすすめです。

 歯科治療に限らず、ペットの診療は自由診療に該当し、費用は動物病院によって異なるものの、飼い主の自己負担となります。また、抜歯や全身麻酔、血液検査、点滴投与などを行う治療の場合、費用は高額になりやすく、飼い主の負担が大きくなってしまいます。

 日頃からオーラルケアを心掛けるだけでなく、治療が必要になった場合に備え、ペット保険に加入しておくと安心です。

ペット保険の補償対象は保険会社によって異なる

ペット保険の補償対象は保険会社によって異なる

 ペットの歯科治療にかかる費用は、ペット保険で補償することをおすすめしますが、補償対象となる疾患は保険会社によって異なります。ペット保険に加入する際は、どの疾患の治療費が補償対象になっているかをきちんと確認することが大切です。

歯周病・歯肉炎の治療は補償対象になりやすい

 ペットの歯周病の治療にかかる費用は、ペット保険の補償対象になりやすい傾向があります。歯周病の治療は、腫れや痛みといった傷病を治すための歯科治療に該当するからです。

 前述のとおり、ペットは歯周病になりやすく、治療は自費診療であるため高額となるケースが少なくありません。治療による負担を抑えるために、ペット保険で補償しましょう。

治療中の歯周病は補償対象外

 ペット保険加入前に歯周病を発症し、治療を続けている場合、ペット保険に加入しても、その費用は補償対象にはなりません

 歯周病の治療中でも、ペット保険への加入そのものは可能です。ただし、すでに治療中の病気にかかる治療費は補償されないといった、条件付きでの加入となるケースが多いため注意してください。

歯石除去は補償対象外が一般的

 歯科治療の中でも、歯周病になる前の歯石除去などは、予防や美容が目的となるため、一般的にはペット保険の補償対象外です。

 また、歯周病の治療が目的であっても、歯石除去の費用については補償対象外としている保険会社もあります。ペット保険に加入する際は、補償範囲を事前に確認するようにしてください。

歯科治療を補償できるペット保険に加入する際のポイント

 ペットの歯科治療にかかる費用を補償できるペット保険に加入する際には、下記のポイントを押さえておくことが大切です。ペット保険に加入する前に、確認しておきましょう。

手術や入院も補償できるプランを選ぶ

 ペット保険に加入する際は、入院や手術にかかる費用も補償するプランを選ぶことが大切です。

 ペットの歯科治療では、全身麻酔や抜歯を行うことがあります。このような治療を行うと、手術や入院、通院が必要となることが少なくありません。

 ペットの診療は自由診療で、費用は飼い主の自己負担です。負担を少しでも抑えるため、手術や入院、通院にかかる費用も補償してくれるプランを選ぶようにしてください。

保険料を払い続けられること

 保険料を払い続けられることも、ペット保険に加入する際の重要なポイントになります。

 人間と同様、ペットも高齢になるほど病気やケガのリスクが高まります。そのため、ペット保険の保険料は、ペットの年齢とともに高額になっていくのが一般的です。ペット保険に加入する際は、ペットが高齢になっても保険料を負担できるかどうかを確認するようにしてください。

 また、ペット保険は基本的に、補償範囲が広くなるほど保険料が高くなります。歯科治療に限らず、ほかの病気の治療についても、補償内容と保険料を見比べ、無理なく継続できるようにしましょう。

自動更新後に条件が追加されないこと

 ペット保険に加入する際は、自動更新後に条件が追加されないことも確認するようにしてください。

 ペット保険の契約は、ペットに既往症や持病がある場合には加入を断られることがあります。また、契約は基本的に自動更新になっていますが、指定の慢性疾患にかかると更新ができなくなったり、その慢性疾患の治療費のみを補償対象外として更新されたりすることがあります。

 このような場合、慢性疾患以外の歯科治療の費用を補償してもらえなくなるため、注意が必要です。ペット保険に加入する際は、更新時にどのような条件が付加されるかを確認することをおすすめします。

ペットの歯の健康の守り方

 ペットは歯周病にかかりやすいため、普段から飼い主が歯の健康に気を配ることが大切です。ペットの歯の健康を守るには、下記の2つを行うことが重要となります。愛するペットと長く一緒にいられるよう、ぜひ参考にしてください。

日頃から歯磨きをする

 ペットの歯の健康を守るには、日頃からきちんと歯磨きをすることが重要です。歯磨きをすると、ペットの歯に溜まった歯垢を取り除くことができ、歯周病の予防につながります。

 ただし、ペットが口にさわられることに慣れていないうちは、歯磨きを嫌がる可能性があります。そうした場合は無理に歯を磨こうとせず、まずは口にふれることから始めるといいでしょう。飼い主とペットの双方が、ストレスなく歯磨きできることが大切です。

 歯磨きは毎日行うことが理想ですが、難しい場合は2、3日に1回くらいのペースで行ってください。

 なお、歯石ができている場合は、歯磨きでは取り除けません。動物病院に行って除去することをおすすめします。

デンタルケア用品を利用する

 デンタルケア用品の利用も、ペットの歯の健康を守ることにつながります。

 犬や猫のデンタルケア用品は、歯ブラシのほかに、使い捨てタイプの歯磨きシート、味のついた歯磨きジェル、歯垢を除去できる歯磨きガムなどがあります。ペットが歯ブラシによる歯磨きを嫌がる場合は、こうしたデンタルケア用品を利用してみるといいかもしれません。

ペットの歯科治療にはペット保険で備えよう

ペットの歯科治療には、ペット保険で備えよう

 ペットは、自分で歯を磨くことができず、歯周病にかかりやすい傾向があります。ペットの健康を維持し、長くいっしょに暮らしていくには、ペットの歯科治療を行うことが大切です。

 ペットの歯科治療は費用が高額になることが多いため、ペット保険で備えておくのがおすすめです。ペット保険の中には、歯科治療の費用を補償できるものがありますが、歯石除去などの予防・美容については補償されないケースもあるため、加入する際は保険会社に確認しましょう。

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