猫は嘔吐しても大丈夫?危険な嘔吐と問題ない嘔吐の違い
今回は、猫の嘔吐について解説しますので、動物病院を受診すべきもの、様子を見てもいいものを判断する際の参考にしてください。
監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
目次
猫は嘔吐しやすい動物
また、猫のような肉食動物は、獲物を丸飲みしてから骨や毛など消化できない物を吐く習性があり、それも猫が嘔吐しやすい理由のひとつです。体の構造上、消化に時間がかかりやすく、未消化のフードの吐き戻しも多いとされています。
ただし、猫が吐きやすい動物だからといって、嘔吐に何も問題がないとはいい切れません。嘔吐の回数が多かったり、何日にもわたって吐き続けていたりする場合は、嘔吐の中に病気が隠れている可能性があります。注意して猫の様子を観察することが必要です。
猫の嘔吐は吐いたもののチェックが必要
嘔吐物が毛玉
ただし、頻繁に毛玉を吐く、食欲がないなどの様子が見られたら、毛玉が胃の中で大きくなって吐き出したり排泄したりできなくなる毛球症の可能性があり、動物病院の受診が望ましいです。
予防するためには定期的なブラッシングや、毛玉を排出しやすくなるフードを与えるなどの対策をしてください。
嘔吐物が透明の液体
透明な液体や泡を吐いた場合はあまり問題ないことが多いですが、何度も吐くようなら脱水のリスクが高まるため、動物病院で相談することをおすすめします。
嘔吐物が黄色い液体や泡
また、ストレスが原因で胆汁が胃に逆流してしまって、黄色の液体や泡などを嘔吐することもあります。ストレスの原因として考えられることがないか、猫の周辺の出来事を思い返してみましょう。
なお、ほかの病気の初期症状で黄色い液体や泡を吐くこともあるため、何日も続く場合は動物病院の受診をおすすめします。
嘔吐物が赤やピンクの液体
しかし、ピンク色の液体が鼻からも出ているようなら、心臓肺水腫などの疑いがあるため、動物病院の受診が望ましいです。
繰り返し赤やピンクの液体を吐く場合や、元気がない場合は病気の可能性もありますから、動物病院を受診してください。子猫や基礎疾患のある猫などの場合も、様子を見ずにすぐ獣医師に相談することをおすすめします。
嘔吐物が茶色や黒
ただし、嘔吐物が茶色でドロドロしており、普段食べているフードのにおいがする場合は、未消化で吐き出しただけと考えられます。猫がいつもどおり元気な場合は、様子を見てください。
また、ドライフードを食べた後に水を飲み、胃の中でフードが膨らんで膨満感から吐き出すこともあります。食欲旺盛な猫や早食いの猫によく見られるので、1回あたりの食事の量を減らして回数を増やす、ウェットフードを与えるなどの工夫をしてみるのがおすすめです。
緑色の液体や泡
緑色の液体や泡は、猫が異物を飲み込んで本来消化できない異物を消化しようと大量に胆汁が分泌されたり、腸に詰まった異物を吐き出そうとしたりしているときに吐くことがあります。すぐに動物病院に連れて行ってください。
食べ物以外の異物
誤飲・誤食したものによっては、中毒を起こすこともあるため、できるだけ早く動物病院を受診してください。
動くもの
嘔吐物を密閉できる容器やラップ・アルミホイルなどで動物病院に持ち込むか、写真や動画で撮影し、獣医師にチェックしてもらってください。
猫の様子で判断する
1日に1〜2回嘔吐したが元気
1日に4回以上吐いている
3日以上毎日嘔吐している
実際に吐いていなくても、何度も吐きそうな仕草を繰り返す場合も、何らかの疾患で嘔吐する神経を刺激されている可能性があります。
発熱や下痢なども併発している
嘔吐と吐出の違い
嘔吐の場合は吐く前におなか全体が大きく動く動作がありますが、吐出の場合は前動作なく急に吐き出すことが特徴です。吐き方は原因究明の助けとなりますから、注意して観察してみてください。
猫の嘔吐は嘔吐物と様子を見て、受診を検討しよう
どのような検査や治療が必要かは、実際に動物病院に行ってみないとわかりません。診療費が不安な場合は、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。
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監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
●ガイア動物病院公式サイト(外部リンク)
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。