1,000万円を上手に資産運用するには?おすすめの投資方法も紹介

1,000万円を上手に資産運用するには?おすすめの投資方法も紹介

超低金利の現代において、コツコツ貯めてきた預金が1,000万円に達したタイミングで資産運用を検討する人は少なくありません。一方で、資産が目減りすることをおそれて、資産運用に踏み出せずに預金を続ける人もいます。しかし、年金受給額の低減や物価上昇などの不安がある今、自己資産を運用して増やすことが欠かせません。

今回は、リスクを抑えながら1,000万円の資産を効果的に運用する方法について解説します投資におすすめの金融資産についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください

1,000万円を持っている人は資産運用を始めるべき理由

資産が1,000万円に到達したら、効率良く資産を増やすために資産運用を始めることをおすすめします
1990年代前半まで、日本の金利は約6%という高い水準で推移していました。当時は、ただ預金をしておくだけで、約12年で資産を2倍に増やすことが可能だったのです。このため、預金は安全かつ確実な資産運用の方法として広く利用されていました。

しかし2024年現在、普通預金の金利は年利率0.001%という極めて低い水準にとどまっています。ネット銀行のように比較的金利が高い金融機関や各金融機関のキャンペーンを利用しても、資産を2倍に増やすには非常に長い時間がかかります。預金をしていれば資産が増える時代は終わったといえるでしょう

加えて、銀行が破綻するリスクもゼロではありません。銀行が破綻しても、ペイオフ制度によって預金は払い戻されますが、定期預金や利息のつく普通預金、貯蓄預金などでは1,000万円とその利息までしか保護されないのです。このため、1つの銀行に1,000万円以上を預けておくと、万が一の際に全額が戻らないリスクがあります

このような背景から、1,000万円を超える資産を持つ人は、資産をただ預金しておくのではなく、積極的に投資をして資産を増やすのが賢明です

資産運用を始める時期が早いほど、複利効果を多く得ることができます複利とは、運用で得た利益を元手に加えて再投資することで、利益が新たな利益を生み、長期的に発生する利益の金額が大きくなることです。複利効果を得ることにより、資産を増やす効果がより高くなります。

資産運用のメリット

資産運用には、多くのメリットがあります。ここでは、資産運用の主な3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

資産を増やせる可能性がある

預金を投資に回すことで、資産を増やせる可能性がある点が資産運用のメリットです。
お金を銀行口座に預けておいてもほとんど利回りが期待できないため、家に現金を置いておく「たんす預金」と変わりません。しかし、株式や投資信託、債券といった金融商品に資産を配分することで、効果的に資産を増やすことが可能です。

インフレ対策ができる

インフレ対策ができることも、資産運用をするメリットです。
高金利時代を経験した世代や「銀行が最も安全」と教わった人は、たとえ預金で資産が増えないとしても、リスクの高い投資よりは安全だと考えがちです。

しかし、預金をしているだけでは、インフレ時に資産価値が減少するリスクがあります。インフレ時は、物の価値が上がることでお金の価値が相対的に下がるため、銀行口座に預けたお金の価値も減少する可能性があるといえるでしょう
物価の上昇に合わせて価格の上昇が期待できる金融資産に投資を行えば、インフレによる資産価値の減少を防ぐことができるのです

老後資金の準備ができる

いわゆる「老後資金2,000万円問題」に備え、必要な老後資金を準備できることも資産運用のメリットとして挙げられます
老後資金2,000万円問題とは、金融庁が試算した結果、老後20〜30年間で1,300万円から2,000万円の資金不足が生じるとされている問題です

例えば、現在1,000万円の資産がある45歳の会社員が65歳の定年までに2,000万円の老後資金を準備しようとすると、20年間で資産を倍増させる必要があります。預金しているだけでは、このように大幅に資産を増やすことは難しいでしょう。一定のリスクをとってでも資産運用を行ったほうが、老後の備えになると考えられます。

定期的な収入があり、資産運用を継続しやすい人には、早めに資産運用を始めることをおすすめします。早期から資産運用を始めると、投資でどの程度までのリスクを取ることができるのかを表す尺度である「リスク許容度」が高まり、より積極的な投資ができるからです。長期運用は複利効果を得やすく、損失が出た場合でも、老後までの時間があれば損失をカバーすることが可能です

ただし、老後に必要な資金は個人によって大きく異なり、一概に2,000万円が必要だとはいえません。個々のライフプランに必要な資金を見積もり、計画的に資産運用をすることが重要です。

資産運用のデメリット

資産運用のデメリット

資産運用には、預金では得られないメリットが多く存在する一方、デメリットも無視できません。資産運用の主なデメリットを3つ解説します

元本割れのリスクがある

資産運用の最大のデメリットは、元本割れのリスクがあることです。資産運用のために購入する金融商品のほとんどは、購入時に手数料が引かれます。つまり、必ず購入費用にあてた金額(元本)を下回った状態、すなわち「元本割れ」した状態からスタートすることになります

長期運用によって元本割れが回復し、利益に転じることもありますが、必ずしもそうなるとは限りません。例えば、株式投資では市場の変動により、購入時の価格より株価が下落する可能性が常にあります。5万円で購入した株が、必ず5万円以上の価値になるとは限らないのです。

元本保証型の金融商品も存在しますが、これらはリスクが低い代わりにリターンも小さく、資産を増やすには不向きな場合があります。また、「元本確保型」と呼ばれる商品は、満期時に元本割れしないように運用する商品のことですが、解約時期や投資先の倒産などによっては、元本割れするリスクがあります

資産を増やすには長い時間がかかる場合がある

資産運用のデメリットは、資産を増やすためには長い時間がかかる場合があることです

資産運用は、長期運用によって利益を出すのが基本であり、短期的に大きな利益を得たいときには向いていません。株式などの値動きにより短期的にはマイナスになることもありますが、長期的には利益を出すという考え方です。株価の変動を常にチェックし売買を繰り返す短期投資とは異なり、資産運用は配当や分配金を得ながら長期にわたり金融商品を保有し、必要なときに売却して利益を得るというアプローチをとります。

短期投資と資産運用は、根本的に考え方が異なることを理解しておきましょう

資産運用中は換金できない場合がある

金融商品によっては、資産運用中の換金ができない場合があります

資産運用をしていて、途中でどうしてもまとまったお金が必要になった場合など、換金をしたいと考えることがあるかもしれません。しかし、金融商品の中には、換金を禁止するクローズド期間を設けているものもあります原則として、本人の死亡など特別な事情を除いて換金が許されないため、投資を行う前に十分確認しておくようにしましょう

1,000万円のうち投資に回してもよい金額は?

資産が1,000万円ある場合、その全額を投資にあてるのはおすすめできません必要な生活費や将来の出費を確保した上で、余剰資金を投資に使うことが重要です

資産のすべてを投資にあてた場合、生活資金が不足したり、冠婚葬祭や子供の教育費といったライフイベントに必要な費用が不足したりするおそれがあります。

生活費や近い将来使う予定のあるお金、急な冠婚葬祭や医療費などの緊急事態に備える費用を確保した上で、余剰資金を投資に回すことが賢明です。

1,000万円を資産運用したときのシミュレーション

1,000万円を資産運用に回し、複利効果があるとすると、どのくらい増やすことができるのでしょうか
平均利回り1〜5%で10年、20年、30年運用した場合のシミュレーションは下記のとおりです。なお、複利周期は1年とします。
■1,000万円を10年、20年、30年運用した場合の金額

平均利回り

10年後

20年後

30年後

1%

1,104万6,221円

1,220万1,900円

1,347万8,489円

2%

1,218万9,944円

1,485万9,474円

1,811万3,616円

3%

1,343万9,164円

1,806万1,112円

2,427万2,625円

4%

1,480万2,443円

2,191万1,231円

3,243万3,975円

5%

1,628万8,946円

2,653万2,977円

4,321万9,424円

1,000万円を持っている人におすすめの金融商品

資産運用のメリットやデメリット、投資に回してもよい金額などを理解したら、金融商品を購入してみましょう。ここでは、リスクが低く、初心者にもおすすめの金融商品を4つご紹介します

債券

債券とは、国や地方自治体、企業などの発行体が、必要資金を調達するために発行する有価証券です。債券に投資することは、その発行体に資金を貸すことに相当します。

債券のメリットは、定期的な利息の支払いが受けられることと、満期時に元本が返済されることです。よって、債券は比較的リスクが低く、投資初心者に適しています

ただし、発行体が破綻した場合は、利子や償還金の支払いの遅延や減額、不払いが起きる可能性があるので注意が必要です。

保険

学資保険や個人年金保険のように、必要なタイミングまで保険料を払い続け、満期保険金や解約返戻金を受けるタイプの保険には、リスクに備える機能だけでなく、資産形成としての側面もあります

保険は、保険会社が運用を行うため大きなリターンは期待できませんが、安定した資産形成が可能です。ただし、支払った保険料の総額に対して受け取れる満期保険金の総額(返戻率)は、途中解約の有無や保障内容によって異なります。必ずしも支払った保険料の全額、もしくはそれ以上の金額を受け取れるわけではない点には注意が必要です

投資信託

投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を専門家がさまざまな金融商品に分散投資し、投資の成果をリターンとして投資家に還元する金融商品です

投資信託の魅力は、少額から始められ、運用はプロに任せられる元本保証がないため市場の変動によるリスクはありますが、投資先を分散させることでそのリスクを抑えています。

また、信託銀行や販売会社が破綻する可能性もありますが、投資家が預けた資金は投資額にかかわらず、制度上守られることになっています。

外貨預金

外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロなどの外貨にして預金することです
外貨預金は、為替レートの変動によって資産の価値が変わるリスクがあるものの、生活費に影響を与えない範囲で余剰資金を使って始めるには適しています。多くの場合、円預金に比べて外貨預金のほうが高金利であり、預けたタイミングよりも円安になった場合は為替差益が出る可能性があります

ただし、為替レートの変動を正確に予測するのは難しく、元本保証がないことに注意が必要です。

外貨預金を始めてみたいと思ったら、オリコンなどの比較サイトで人気の外貨預金を調べてみるのもいいでしょう。
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1,000万円を上手に資産運用するコツ

1,000万円を上手に資産運用するコツ

1,000万円を上手に運用して資産を増やすには、いくつかのポイントがあります。次の5点を押さえておきましょう

長期的に運用する

長期運用は資産運用の基本です短期的に売買せず、長く保有することが重要です金融商品を長期的に保有することによって、配当金や利益を資金に回せるようになり、複利効果によって資産が増えることが期待できます。また、短期的に資産価値が下がったとしても、資産を長く保有するあいだに株式などの価値が大きく上がり、長期的に見れば収益が平均化され、安定した利益を得られる可能性があります

分散投資をする

1つの商品に投資を集中せず、さまざまな金融商品に資産を分散させることも重要です。異なる性質を持つ複数の投資先に資金を分散することでリスクを軽減し、市場の変動に強いポートフォリオを構築できます。ポートフォリオとは、具体的な投資先や投資する金融資産、金融商品のバランスを可視化したものです。

例えば、株式、債券、不動産、外貨預金など、異なる種類の金融資産に分散投資することにより、一部の市場で不振があっても、ほかの市場での収益で補うことができます
ポートフォリオについてまとめた記事はこちら
資産運用のポートフォリオとは?正しい考え方・作り方を解説

余剰資金で投資を行う

投資は、日々の生活費、近い将来に予定されている教育費や旅行費用などの支出、緊急時に備えるための資金を確保した上で、残った資金を使って行うべきです。

余剰資金を超えた金額を投資にあてると、生活費の不足や、投資を継続することが困難になるおそれがあります。

非課税制度を利用する

効率的な資産運用を行うためには、非課税制度を利用してみましょう。例えば、2024年にスタートした新NISAの「つみたて投資枠」を活用すれば、年間120万円までの投資が非課税で可能となり、最大1800万円までの資産を非課税で保有することができます

また、私的年金のiDeCoも運用益は非課税で、拠出した資金についても一定額まで非課税で受け取ることができます

ハイリターンを狙わない

投資初心者は、高いリターンを求めるよりも、安定した運用を目指すことが大切です

投資におけるリターンとは、資産運用が成功したときに得られる収益、または失敗したときの損失のことです。一般的に、大きなリターンが狙える商品はリスクも大きく、損失が出る可能性も高くなります。

特に投資初心者の場合、リスクの高い投資に手を出す前に、低リスクで安定したリターンを目指す投資からスタートし、経験を積みながら徐々に投資の幅を広げていくのが望ましいでしょう。

1,000万円を運用して資産を増やそう

現在の低金利時代では、ただ資産を預金するだけではなく、効率的に運用して増やすことが求められます。資産運用のメリットやデメリット、リスク、初心者が注意すべき点を把握した上で、1000万円の運用を始めてみましょう

初心者が資産運用を始める際の選択肢のひとつとして、外貨預金があります。少額から運用を始められる点が魅力で、為替変動を利用して資産の増加を目指すことができます。外貨預金を第一歩として、資産運用の方法を学んでみてはいかがでしょうか。

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外貨預金オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    70.1

    ソニー銀行

  • 2位

    68.9

    住信SBIネット銀行

  • 3位

    67.9

    auじぶん銀行

  • 4位

    67.7

    SMBC信託銀行プレスティア

  • 5位

    67.6

    三井住友信託銀行

  • 6位

    67.1

    SBI新生銀行

  • 7位

    66.9

    楽天銀行

  • 8位

    66.3

    PayPay銀行

  • 9位

    65.9

    三井住友銀行

  • 10位

    65.2

    三菱UFJ銀行

  • 11位

    63.9

    イオン銀行

  • 12位

    63.1

    みずほ銀行

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