100万円で資産運用はできる?おすすめの方法や注意点を解説

100万円で資産運用はできる?おすすめの方法や注意点を解説

資産運用を始めるにあたって、多くの人が抱く不安のひとつが、スタートに必要な資金です。多額の資金が必要だと考えている人も少なくありませんが、実際には比較的少額からでも運用を始めることができます。正しい資産運用の方法を理解すれば、100万円程度の金額でも十分な成果を上げることが可能です。

今回は、100万円を運用して資産を増やすためのおすすめの方法や、資産運用を始める上での注意点について解説します。

100万円で資産運用は可能

結論から言うと、100万円で資産運用をすることは十分可能です。資産運用は、持っている資産を投資や預貯金などに分配し、計画的に増やしていくことです。

資産運用の方法のひとつに預貯金がありますが、日本では長期にわたって超低金利が続いており、100万円を預貯金しても増えることはほぼ期待できません。むしろ、物価の上昇によって相対的にお金の価値が下がり、購買力が低下してしまう可能性があります。

最近の日本は、1990年代から長く続いていたデフレがインフレに転じ、2024年1月時点の消費者物価指数(総合指数)は、2023年比で2.2%上昇しました(※)。2024年以降、インフレ率は鈍化する傾向にあるといわれていますが、仮に年2%のインフレ率が10年間続けば、100万円で購入できたものが約122万円支払わないと購入できなくなってしまいます。これを防ぐためには、インフレに強い資産運用が必要です。預貯金以外の資産運用に目を向け、株式や投資信託、外貨預金など、さまざまな金融商品に投資をすることで、資産を効果的に増やすことができます。

※総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)1月分

資産運用の基礎知識

資産運用において重要なのは「長期・積立・分散投資」の3つの原則です。この原則に従って資産運用を行えば、リスクを抑えつつ資産を増やせる可能性が高まります。長期・積立・分散投資の内容は、下記のとおりです。

長期投資

長期投資とは、短期的な市場の変動に左右されず、長期にわたり金融商品を保有する方法です。金融商品の価格は変動を繰り返し、時には大きく下落することもあります。

しかし、市場は時間をかけると回復する傾向があるため、金融商品は焦って売買せずに持ち続けることが大切です。

積立投資

積立投資とは、定期的に一定額を投資にあてることです。市場価格の高いときには少なく、安いときには多く金融商品を購入することができ、長期的には購入コストを平均化できます。

分散投資

分散投資とは、リスクを軽減するために、複数の金融商品に資金を分けて投資する方法です。1つの金融商品で損失が出たとしても、ほかの金融商品でカバーできる可能性があります。

100万円を資産運用して増やすことのできる金額

100万円を資産運用した場合、どのくらい増やすことができるのでしょうか。
資産運用の成果は、開始時期や運用期間、利回りによって大きく変わります。複利効果(投資で得た利益を元本に加えて再び投資に回し、利益が利益を生んで収益を増やすこと)を活用することで、投資した資金は時間が経つにつれて増えていきます。

100万円をそれぞれ年利1%、3%、5%で運用した場合に増える金額は、下記のとおりです。
■100万円を運用した場合に増える金額

年利1%

年利3%

年利5%

5年目

105万1,010円

115万9,274円

127万6,282円

10年目

110万4,622円

134万3,916円

162万8,895円

15年目

116万969円

155万7,967円

207万8,928円

20年目

122万190円

180万6,111円

265万3,298円

25年目

128万2,432円

209万3,778円

338万6,355円

30年目

134万7,849円

242万7,262円

432万1,942円

運用期間が長ければ長いほど、また利回りが高ければ高いほど、最終的な収益は大きくなります。ただし、高いリターンを追求するとリスクも増えるため、自分のリスク許容度(最大どのくらいまでリスクをとることができるのか)を考慮しながら適切な運用計画を立てましょう。

100万円を資産運用するのにおすすめの方法

100万円を資産運用するのにおすすめの方法

100万円を運用する際には、さまざまな方法があります。ここからは、代表的な資産運用の方法をご紹介します。

株式投資

株式投資は、証券取引所に上場している企業の株式を購入し、購入時よりも株価が上昇したタイミングで売却して利益を得たり、配当金や株主優待を受け取ったりする方法です。短期間で価格の変動から利益を得ることも、将来的に価値が増すと見込まれる企業に長期投資をすることもできます。

株式投資は市場の変動によるリスクが高いですが、適切な企業の選定と市場分析をすれば大きなリターンを得られる可能性があります

投資信託

投資信託は、多数の投資家から資金を集め、株式や債券などさまざまな金融商品に分散して投資する方法です。資産運用の専門家が運用を行い、得られた収益は投資家に分配されます。
さまざまな金融商品に投資するためリスクが分散され、個別の銘柄選定は専門家に任せられるため、初心者にもおすすめの方法です。

投資信託については、下記の記事をご覧ください。
外貨預金と投資信託はどっちがいい?初心者向きの投資とは

債券

債券は、政府や企業が資金を調達するために発行する有価証券です。債券を購入することで、定期的な利息収入と、満期時に元本の返済を受けられます。

株式などに比べてリスクが低い一方で、リターンも控えめです。安定した収入を求める人にはおすすめの方法だといえます。

外貨預金

外貨預金は、日本円を米ドルやユーロなどの外貨に替えて預金を行うことで、為替レートの変動から利益を得る方法です。円安時に外貨の価値が上がると、換金時に利益が出ます。しかし、円高に振れると損失が出るリスクもあります。

また、外貨預金は通常の円預金よりも高い利息を期待できることもメリットです。外貨預金をする上で金融機関やサービス選びに迷った際には、オリコン顧客満足度ランキングをはじめとする比較サイトを参考にしてください。「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」では、手数料や金利、入出金のしやすさなど、さまざまな観点から外貨預金を比較検討していただけます。

【最新】外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング

ETF(上場投資信託)

ETFは、証券取引所に上場している投資信託のこと。株式のように証券取引所を通じて売買をすることができます。また、リアルタイムで値動きを確認し、24時間取引ができることが特徴です。

REIT(不動産投資信託)

REITとは、不動産に特化した投資信託の一種です。資産運用のプロが複数の投資家から集めたお金で不動産への投資をし、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買から得た利益を投資家に分配する金融商品です。

100万円を資産運用する際に知っておきたい制度

100万円を資産運用する際には、NISA(少額投資非課税制度)iDeCo(個人型確定拠出年金)のような税制優遇制度の活用がおすすめです。NISAやiDeCoを利用することで、節税しながら資産を増やすことができます。

NISA

NISA(少額投資非課税制度)は、一定の金額内で株式や投資信託などの運用益が非課税になる制度です。一定の金額内で投資を行えば、得られる収益に対して税金がかからないため、手元に残る収益を最大化できます。

さらに、2024年から導入された新NISAでは、以前の制度に比べて年間で投資できる金額が増えました。資産の非課税保有期間も無期限に延長されたため、長期的に資産を増やしたい人にはおすすめの制度です。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、加入者がみずから選択した金融商品に毎月一定額を積み立てることで、年金を形成する制度です。掛け金は所得控除の対象となり、運用益も非課税となります。老後資金の資産形成に加えて、節税効果も期待できるため、長期的な資産運用をする際に活用したい制度です。

ただし、iDeCoは原則60歳まで資金を引き出すことができない点には注意が必要です。

100万円を資産運用するメリット

100万円を資産運用するメリットは、長期・積立・分散投資の基本を守れば、預貯金よりも資産を増やせる可能性が高くなることです。100万円のうち、一部をハイリスク・ハイリターンの商品に投資し、残りをローリスク・ローリターンの金融商品に回すなどすれば、全体のリスクを抑えて高い利回りを得られる可能性もあります。また、資産運用をすることで、老後の生活資金の確保もしやすくなるでしょう。

100万円を資産運用するデメリット

100万円で資産運用するデメリットは、元本割れのリスクがあることです。金融商品の多くは、預貯金のように元本保証がありません。商品の値動きによっては、購入時よりも価格が下落して損失が出ることもあります。価格が下がっているときは焦って売却せず、長く保有して価格の上昇を待つことが重要です。

また、資産運用に資金を回しすぎると、急にお金が必要な際に困る可能性があります。近い将来必要になるお金や緊急時に備えたお金は預貯金で持っておき、資産運用は余剰資金で行いましょう。

資産運用を始める方法

資産運用を始める方法

資産運用を始める際には、いくつかの手順を踏む必要があります。ここからは、資産運用を始める際の基本的な流れをご紹介します。

1. 資産運用の目的・目標金額を決める

まずは、資産運用の目的と目標金額を決めます。老後資金や教育費用、住宅購入費用など、資産運用をする目的と目標金額を明らかにしましょう。

2. ポートフォリオを組み、購入する商品を決める

次に、ポートフォリオを組みます。ポートフォリオとは、金融資産や金融商品の組み合わせや比率のことです。自分の経済状況や年齢、運用期間などに応じて適切なポートフォリオを組みましょう。ポートフォリオを組んだら、実際に購入する商品を選びます。

ポートフォリオの作り方については、下記の記事をご覧ください。
資産運用のポートフォリオとは?正しい考え方・作り方を解説

3. 金融商品を購入する

証券会社や銀行などで、金融商品を購入します。株式や債券、投資信託などはインターネットでも購入が可能な場合があります。プロから直接アドバイスを受けて購入したい場合は、店舗型証券や銀行の窓口などで相談しましょう。

資産運用の注意点

資産運用を成功させるには、いくつか気をつけたいことがあります。次のような注意点を頭に入れておきましょう。

資産運用のリスクを理解する

資産運用で投資する金融商品には、それぞれ異なる特性があり、多かれ少なかれリスクを伴います。メリットだけに注目して商品を選ぶのではなく、デメリットを踏まえてリスクを抑える運用をすることが大切です。

また、定期的に市場の状況も確認し、自分の資産にどのような影響があるのかを確認しましょう。

ポートフォリオを定期的に見直す

資産運用は、当初決めたポートフォリオに沿って行いますが、長期間運用するうちに資産のバランスが崩れていきます。そのため、定期的にポートフォリオを見直して、最初に決めた資産のバランスに戻す(リバランスする)必要があります

半年に1回、1年に1回など、ポートフォリオを見直すタイミングを決めておくといいでしょう。

確定申告が必要か確認する

資産運用によって得た利益が一定金額を超えたら、確定申告をして納税をする義務が生じます。ただし、「源泉徴収ありの特定口座」で運用している場合、原則として確定申告の必要はありません。

100万円を運用して資産を増やそう

正しい方法で運用すれば、100万円でも資産を効率的に増やすことが可能です。インフレに強い資産を作り、さまざまなライフイベントの資金や老後資金を用意するためにも、資産運用を始めましょう。

なお、初心者には、仕組みがわかりやすくお金の出し入れも比較的しやすい外貨預金がおすすめです。オリコンでは日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。

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