外貨預金は円安になるとどうなる?損をしないためのポイントとは

外貨預金は円安になるとどうなる?損をしないためのポイントとは

日本円の低金利時代が続き、銀行に預けているだけでは資産が増やせない中、外貨預金の注目が高まっています。外国の通貨、つまり外貨は日本円に比べて金利が高いことが多く、同じように銀行に預けているだけでも資産を増やせる可能性があるでしょう。しかし、外貨の価値は為替レートに影響されるため、変動の方向によっては外貨の資産が目減りしてしまう場合もあります。

今回は、為替レートの変動で円安や円高になったときの外貨預金の影響や、外貨預金で資産形成を目指す場合にできるだけ損をしないためのポイントなどについて解説します

外貨預金の魅力は「為替差益」

外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロなどの外貨に交換して預金することです。日本円で預金するのと構造は同じで、同様に外貨普通預金、外貨定期預金などがあります。日本と外国では金利が違い、一般的に外国のほうが金利は高い傾向があり、利息が多く得られるというメリットがあります。

さらに、「為替差益」が得られる可能性がある点も、外貨預金のメリットでしょう。通貨が交換される際の交換比率を指す、「為替レート」は日々動いています。外貨の価値も為替レートによって変動し、外貨の価値が上がればそれによる利益、つまり為替差益が得られます。

外貨預金は円安だと損?

外貨預金のメリットのひとつに、為替レートの変動で為替差益が狙えることがあります。では、円安の場合、外貨預金はどうなるのでしょうか。

円安は外貨に対し円の価値が下がること

ある通貨に対し、日本円の価値が低いことを円安といいます。米ドルで考えると、1ドル100円だったものが為替変動で1ドル120円になれば、米ドルの価値が上がり、日本円の価値が下がったといえます。つまり、同じお金で買える米ドルが減ったということであり、これが円安です。

1ドル100円だったものが為替変動によって1ドル80円になれば、ドルの価値が下がって日本円の価値が上がったと考えられ、同じお金で買える米ドルが増えます。これが円高です。

円安でも損とはいい切れない

円安になると、外貨の価値が上がるので、これまでと同じお金でも交換できる外貨の量は少なくなります。例えば1万円分預け入れるとして、1ドル120円のときなら83.33ドル分ですが、1ドル80円のときなら、125ドル分預け入れることができます。預け入れる際は損をするといえるでしょう。

しかし、円安になると、外貨の価値が上がるということですから、外貨預金で保有している資産の価値は上がります。1ドル100円のときに1万円預け入れた場合、引き出すときに1ドル80円になっていれば8,000円しか受け取れませんが、1ドル120円になっていれば、1万2,000円を受け取ることができます。そのため、外貨預金では、円高のときに預けて、円安のときに引き出すのが理想です
ただし、ここでは手数料を考慮していません。

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円安傾向が続く予想なら預け入れても

前述のように外貨預金では、円高のときに預けて、円安のときに引き出すのが理想です。これ以上の円安にはならないと予想するなら、引き出して利益を確定してもいいでしょう。しかし、今後も円安の傾向が続く予想がある場合は、外貨のまま保有してさらなる為替差益を狙うこともできます。

また、円安のときに預け入れると必ずしも損になるとは限りません。円安が続く場合は、今預け入れておけば、将来的に外貨資産の価値が上がる可能性があるためです。円安のリスクを回避するために、外貨預金を始めるのも、資産を守るひとつの方法です。

外貨預金で資産形成するポイント

外貨預金で資産形成するポイント

外貨預金は日本円よりも高い金利が期待でき、為替変動で利益が得られる可能性のある投資方法です。外貨預金を資産形成の手段とする場合に、できるだけ損をしないためのポイントをご紹介します

円安・円高で慌てない

円安や円高で外貨預金の価値は変わりますが、それに一喜一憂しないことが大切です。預け入れや引き出しのタイミングが見極められれば理想ですが、為替レートの動きを読むことは、たとえ投資の専門家であっても簡単ではありません。

外貨預金で資産を保有していて円高になったとしても、そのまま保持して長期運用すれば、金利で利益が出たり、為替レートが回復したりする可能性もあります。円安・円高で慌てず、あくまで資産形成の目標金額に達したかどうかで、預け入れや引き出しのタイミングを考えることをおすすめします

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預金する通貨を分散する

外貨預金する通貨がひとつだと、その通貨の為替変動が大きく影響します。そのため、できるだけ複数の通貨に分散して預金することがおすすめです。分散しておくと、ひとつの通貨の価値が下がっても、他の通貨でカバーできる可能性があり、全体の損失が抑えられます

積立投資を利用する

積立投資は、一定期間ごとに一定金額で、同じ銘柄を購入する投資法です。外貨預金でも積立投資の手法を利用することで、円安や円高などを気にせず預け入れが可能です。一気にまとまった額を預金するのではなく、少額ずつ複数に分けることで、相場が高いときに購入してしまい、値下がりで損失を出すようなことは避けられるでしょう。

また、積立投資によって「ドルコスト平均法」が実践できますドルコスト平均法とは、価格が変動する投資商品に対し、常に一定額を定期的に投資する方法です。定期的に一定額を購入することで、価格が低いときには購入量を多く、価格が高いときは購入量を少なくでき、結果的に平均購入額を平準化する効果があります

為替手数料に注意する

外貨と日本円の交換には為替手数料がかかります。預け入れ・引き出しともに手数料がかかるので、頻繁な出入金を行うと、手数料がかさんで利益が目減りする可能性があるでしょう。為替レートの変動がないときでも、外貨預金を引き出した手数料によって元本割れするなどということもありえます。外貨預金はあまり引き出す必要のない、余裕資金で行うことが大切です

利益が20万円以上なら確定申告を行う

外貨預金で得られた利益には、約20%の税金がかかることにも注意してください。雑所得として確定申告が必要になるので、忘れないようにしましょう。なお、年収2,000万円以下の給与所得者で、給与所得および退職所得以外の所得と外貨預金の利益の合計が年間20万円以下であれば、確定申告は不要です(給与を複数の会社から得ていないことが条件)。

外貨預金で損失が出た場合は確定申告の必要はありませんが、損益通算する場合は必要です。損益通算とは、外貨預金以外の雑所得で利益が発生している場合に、その利益から外貨預金の損失分を引くことで税金額を抑える方法です。

金利だけを見ない

成長段階にある新興国や地域の通貨の金利は非常に高く、魅力に感じます。ただし、政情不安やインフレなどで、急激に為替レートが変動して価値が下がる可能性があり、リスクも高いことに注意してください。新興国や地域の為替手数料は高い傾向にあること、ニュースなどで情報を集めるのが難しいことにも注意が必要です。

初心者は比較的安定している通貨や、ニュースなどで情報が集めやすい国の通貨から検討するといいでしょう

円安でも慌てずに着実に資産形成しよう

円安のときは、保有している外貨預金を引き出すと、為替差益が得られます。だからといって、円高が損とは限らず、円安のときより多くのお金を預けられるというメリットがあります。重要なのは、着実に資産を増やすこと。今回ご紹介したポイントも参考に、円安・円高で一喜一憂せずに外貨預金で資産形成を目指しましょう

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