家財保険の金額はいくらがよい?保険金額の決め方を徹底解説

家財保険の金額はいくらがよい?保険金額の決め方を徹底解説

家財保険は、万が一の火災や盗難、水漏れなどで家財に損害が発生した場合に補償してくれる心強い保険です。しかし、「保険金額をいくらに設定すればよいのか」「適切な決め方は?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、家財保険の基礎知識から、保険金額を決める3つの方法、保険料を抑えるコツまで詳しく解説します。また、家財保険に関するよくある質問にもお答えしていますので、ライフスタイルに合った保険を選ぶ際の参考にしてください。

mokuji目次

  1. 家財保険の基礎知識
    1. 家財保険の対象範囲一覧表
    2. 明記物件とは?
    3. 家財保険で補償されるケース
  2. 家財保険の保険金額はいくらにする?決め方3パターン
    1. 決め方その1:家族構成・世帯主の年齢で決める
    2. 決め方その2:家財の量・金額で決める
    3. 決め方その3:住居の専有面積・所有形態で決める
  3. 家財保険の保険料の相場は?安くおさえるコツも解説!
    1. 家財の量に応じて保険金額を低くする
    2. 保険料を年払い・一括払いにする
    3. 割引制度を活用する
    4. 免責金額を高く設定する
  4. 家財保険に関するよくある質問Q&A
    1. 家財保険に入った方がよい人とは?
    2. 家財保険の金額を見直すタイミングは?
    3. 家財保険は何回でも使えますか?
    4. 火災保険だけでなく地震保険にも家財補償をつけるべき?
  5. 家財保険の金額はライフスタイルに合わせて決めよう

家財保険の基礎知識

家財保険の基礎知識

家財保険とは、家具や家電などの家財を対象とした火災保険のことをいいます。家財保険という保険があるわけではありません。

火災保険は、建物は保険の対象とせず、家財だけを対象として加入することができます。例えば、賃貸マンション・アパートでは、建物の所有者は大家さんになるため、建物を対象とする火災保険には大家さんが加入します。

一方で、各部屋の家財は部屋を借りる人が所有者になるため、家財を対象とする火災保険には、部屋を借りる人が加入することになります。

それでは、家財保険について詳しく見ていきましょう。

家財保険の対象範囲一覧表

家財保険では、建物内に収容されている家財などが補償の対象になります。家財保険の補償範囲と補償範囲外の主な例は以下のとおりです。

補償範囲

補償範囲外

・家具
・家電
・食器
・衣類、アクセサリー
・貴金属
・宝石
・書画、骨董などの美術品

・現金(通貨)
・有価証券
・自動車
・動物
・植物
・パソコン内のプログラムやデータ
・仕事用の什器、備品など
・建物に付属しているもの
・家財を屋外に持ち出しているときに発生した損害

明記物件とは?

家財保険では、補償範囲に含まれる貴金属や宝石、美術品などのうち、高額なものを「明記物件」としています。

具体的には、1点または1組の金額が30万円を超えるものです。明記物件は、家財保険の申込時に、あらかじめ申告をしておかなければ補償が受けられなくなります。

家財保険で補償されるケース

家財保険で補償される主なケースは、以下のとおりです。
火災/落雷/破裂/爆発/風災/ひょう災/雪災/水災/水濡れ/盗難/破損
なお、地震による損害については火災保険の対象外となりますので、別途地震保険への加入が必要です。

地震保険の家財に対する補償は、損壊の程度によって次の4つの基準をもとに認定され、保険金が支払われる仕組みになっています。
・全損
・大半損
・小半損
・一部損

家財保険の保険金額はいくらにする?決め方3パターン

家財保険の保険金額はいくらにする?決め方3パターン

それでは、家財保険の保険金額はいくらにすればよいのでしょうか?決め方には、次の3つのパターンがあります。

1.家族構成・世帯主の年齢で決める
2.家財の量・金額で決める
3.住居の専有面積・所有形態で決める

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

決め方その1:家族構成・世帯主の年齢で決める

その人のライフスタイルや趣味などによって、所有している家財には違いが出てきますが、家族構成と世帯主の年齢で、ある程度の傾向をつかむことができます。

各保険会社では、ホームページやパンフレットに、家財保険の保険金額を設定する際の目安となる「簡易評価表」を掲載しています。

ご自身の場合、必要な保険金額はどのくらいになるのか、この簡易評価表を使って検討してみましょう。なお、簡易評価表の内容は保険会社によって異なっており、簡易評価表の範囲内で保険金額を決めることになっている場合があります。

簡易評価表の一例を示すと下表のようになります。

【簡易評価表の例 単位:万円】
補償 項目 内容
基本の補償 火災 ・火災による建物の焼失
・もらい火による損害
・天ぷら油の引火による火災
落雷 ・落雷による直接的な損害
・落雷による家電製品の故障
破裂・爆発 ・ガス爆発による損害
・破裂による建物の損壊
選べる補償 地震保険 ・地震を原因とする火災
・地震による津波を原因とする損壊など
風災・雹(ひょう)災・雪災 ・台風による屋根の損壊
・雪の重みによる建物の損壊
・雹による窓ガラスの破損
水災 ・台風による屋根の損壊
・雪の重みによる建物の損壊
・雹による窓ガラスの破損
水濡れ ・給排水設備の事故による水漏れ
・ほかの戸室からの漏水被害
盗難 ・住宅への侵入による家財の盗難
・建物の損壊を伴う盗難被害

決め方その2:家財の量・金額で決める

所有する家財をすべて買い戻すのに必要な金額を見積もって保険金額を設定する方法もあります。

買い戻すのに必要な金額(再調達価額)に設定しておけば、もしものときに保険金で元に戻すことができるため安心です。ただし、保険金額を高額にすると、それだけ保険料も高くなることに注意しましょう

なお、実際の金額よりも高い保険金額にすると、保険金は損害額までしか出ませんので、超過している部分の保険料が無駄になってしまいます。

決め方その3:住居の専有面積・所有形態で決める

家財保険の保険金額は、住居の広さがどのくらいなのか、どのような所有形態なのかなどによって決める方法があります。

住居が広いほど収容スペースがあるため、一般的には所有する家財は多くなると考えられ、必要な補償も多くなります

また、住居が持ち家か賃貸かによっても違いが出てくることが考えられます。一般的には、持ち家に住んでいる人の方が賃貸に住んでいる人よりも、所有する家財の総額は高いと考えられるため、必要な補償も多くなります。

住居の専有面積や所有形態による簡易評価表も掲載されており(掲載元により評価額は異なります)、保険金額を設定する際の目安になります。

一例を示すと以下のようになります。
所有形態 専有面積
33m2未満 33m2以上
66m2未満
66m2以上
99m2未満
99m2以上
132m2未満
132m2以上
持ち家 560 920 1,160 1,510 1,840
賃貸 340 620 860 1,100 1,360

家財保険の保険料の相場は?安くおさえるコツも解説!

家財保険の保険料の相場は?安くおさえるコツも解説!

これまで見てきたように、家財保険の保険金額は家族構成や住居の所有形態などから決めるため、家財保険の保険料には幅があります。

一般的には、家財保険の保険料の相場は、年間でおよそ4,000〜6,000円です。もちろん内容によっては10,000円以上になることもあります。

ここでは、家財保険の保険料を安くおさえるコツについて説明します。

家財の量に応じて保険金額を低くする

家財の量が少ない人や高額な家財を持っていないという人は、簡易評価表よりも低めに保険金額を設定することになるため、保険料を安くおさえることができます。

簡易評価表は、あくまでも平均的な目安で作成されています。自分はそれほど家財を持っていない、高額な家財は持っていないという人には、この方法は有効です

保険料を年払い・一括払いにする

家財保険の保険料は、月払い以外にも年払いや一括払いを選択することができ、まとめて支払うことで保険料を安くおさえることができます

なお、保険期間を2年や5年などの長期契約にすると、長期間の保険料をまとめて支払うことができ、保険料総額が安くなってお得です

割引制度を活用する

家財保険では、保険会社によっては保険料の割引を受けることができます。割引制度としては以下のようなものがあります。該当するものがあれば、それを活用することで保険料を安くおさえることができます。
・消火設備割引
・オール電化割引
・エコ設備割引
・ホームセキュリティー割引

免責金額を高く設定する

免責金額を設定することで、保険料を安くおさえることができます。免責金額とは、損害に対する補償のうち、契約者自身が負担しなければならない金額のことです。

免責金額を高く設定すると、自己負担しなければならない金額が多くなるため、受けられる補償額は下がりますが、負担する保険料自体は下がります。

保険料の負担が軽減されるため、保険期間中にトラブルが起きなければお得な選択肢です

家財保険に関するよくある質問Q&A

家財保険に関するよくある質問Q&A

それでは家財保険の加入を検討する際に、よくある質問について解説していきます。

家財保険に入った方がよい人とは?

「家財保険に入った方がよい人とは?」というご質問です。家財保険への加入の必要性が高い人としては、以下のような人が考えられます。

1.家族が多い

家族が多ければ、それだけ所有する家財も増えます。災害により家族全員の家財を買い戻すには多額の費用がかかるため、家財保険に加入しておいた方が安心できます。

2.小さい子どもがいる

小さい子どもは何かと物を触りたがり、それを破損させたりすることもあるでしょう。わざとやってしまった場合は補償の対象外ですが、偶発的な事故による破損であれば補償が受けられる場合があります。

3.ペットを飼っている

犬や猫などのペットは、小さい子どもと同様、予想外の動きをします。上記のAと同様、家財保険への加入を検討してみる価値があります。

4.空き巣に入られないか不安がある

家財保険は盗難も補償してくれます。空き巣に入られないか不安がある人は加入しておくとよいでしょう。

5.災害の多い地域に住んでいる

災害の多い地域に住んでいる人は、家財が損害を受けるリスクが高いため、家財保険の必要性は高いと言えます。なお、家財保険では地震による損害は補償の対象外です。地震による損害もカバーしたいのであれば、地震保険への加入が必要です

家財保険の金額を見直すタイミングは?

家財保険に限らず、すべての保険は加入したらそれで終わりではなく、定期的に補償の見直しが必要になります。見直しをせず、加入時の内容のままになっている人も多いでしょう。必ず定期的に補償の見直しをすることをおすすめします。

なお、家財保険で保険金額を見直すタイミングとしては、以下が考えられます。
1.住居を住み替えたとき
2.住居の改築をしたとき
3.結婚や出産により家族が増えたとき
4.子どもが独立して家族が減ったとき
5.住んでいる地区のハザードマップ(洪水、土砂災害、津波などの災害リスクの度合いを示した地図)が更新されたとき

家財保険は何回でも使えますか?

家財保険の保険金は、不正請求をしない限り、何回でも申請することができます。また、複数回の請求をすることで保険料が上がることもありません。

ただし、あまりにも保険金の請求回数が多いと、保険会社から要注意人物とみなされ、次回の契約更新時に割増保険料をとられたり、引受謝絶となったりします。

なお、1回の事故で保険金額の全額が支払われた場合には、契約が終了になります

火災保険だけでなく地震保険にも家財補償をつけるべき?

家財には、地震保険による補償もつけるべきです。地震保険に加入していれば、受け取った保険金を生活再建費用に充てることもできるためです。

また、家財のみに地震保険をつけることも可能です。地震は、いつ、どこで起こるかわりませんし、防ぐことができません。そして地震による損害は甚大なものになります。

家財保険だけでは地震による損害に備えることはできないため、家財に地震保険をつけることも検討してみましょう

家財保険の金額はライフスタイルに合わせて決めよう

以上、家財保険の金額はいくらがよいのか、保険金額の決め方についてご説明しました。家財保険では、1回の事故で保険金額の全額が支払われなければ、何回でも保険金を請求できます。

家財保険の保険金額は、家族構成や住居の所有形態などによって異なります。ご自身のライフスタイルに合わせて決めることが大切です。

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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。
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