家財保険の相場はいくら?金額の目安と決め方を徹底解説

家財保険の相場はいくら?金額の目安と決め方を徹底解説

火災や水漏れで家具や家電に損害が生じても、建物を補償する火災保険では家財をカバーできません。家具や家電といった「家財」を補償するには、家財保険への加入が必要です。

賃貸住宅では、入居者自身が家財保険に加入することが基本となります。家財保険の保険料は世帯構成や補償内容によって異なり、年間3,500〜6,000円程度が目安です。

本記事では、家財保険の補償対象や保険金額の決め方、保険料を抑える方法を解説します。
金子 賢司

監修者金子 賢司

ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。

mokuji目次

  1. 家財保険とは家財の損害を補償する保険
  2. 家財保険の補償対象と補償されるケース
    1. 家財保険の補償対象
    2. 家財保険で補償されるケース
  3. 家財保険の保険金額の決め方
    1. 実際に持っている家財の金額から積み上げる方法
    2. 保険会社の家財簡易評価表を参考にする方法
  4. 家財保険の「保険金」と「保険料」の相場
    1. 一人暮らし・賃貸の場合の家財保険相場
    2. 世帯人数別の家財補償額の目安
  5. 家財保険の保険料の抑え方
    1. 保険金額は、家財を買い直すのに必要な金額にとどめる
    2. 免責金額を設定する
    3. 割引制度や長期契約を活用する
  6. 家財保険の相場を知り、万一の事態に備えて加入しよう

家財保険とは家財の損害を補償する保険

家財保険とは家財の損害を補償する保険

火災保険は、建物の損害を補償する契約と、家財の損害を補償する契約の2種類に大別できます。

このうち、家財を補償する契約が家財保険です。

持ち家の場合は、建物の補償と家財の補償をセットで契約するケースが一般的ですが、建物あるいは家財だけ単独で契約できる場合もあります。

一方、賃貸物件では建物の保険は所有者(大家)が加入するため、入居者は家財を補償する火災保険に加入する必要があります。

賃貸住宅向けの火災保険では、家財の補償を中心に、借家人賠償責任(大家への損害賠償)や個人賠償責任(第三者への損害賠償)などの特約がセットになった商品が一般的です。

家財保険では、火災、落雷、風災、水漏れ、盗難など、さまざまな原因による家財の損害が補償の対象です。マンションの上階からの水漏れによる自身の家財の損害も補償範囲に含まれるため、加入しておくと万一の際に役立ちます。

家財保険の補償対象と補償されるケース

家財保険の補償対象と補償されるケース

家財保険では、家具や家電、日常生活で使用するもののほとんどが補償対象となります。

ただし、植物や動物、自動車などの家財に含まれないものや、家財保険の対象外となるものについては補償を受けられません。

また、損害を受けた理由によっても、補償対象外になることがあります。

ここでは、家財保険の補償の対象と、補償されるケースについて解説します。

家財保険の補償対象

家財保険の補償の対象になるのは、保険の対象となる建物の中にある、被保険者やその家族が所有する家具や家電などの家財です。例えば以下のようなものが挙げられます。

家財保険の主な補償対象

  • タンスやベッドなどの家具
  • 電子レンジやテレビ、パソコンなどの家電
  • 衣類や食器、アクセサリー、時計などの生活用品
  • 自転車
  • 貴金属、美術品
なお、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や宝石、美術品などは「明記物件」と呼ばれ、保険証券に記載しなければ補償の対象とならない場合があります。

明記しなくても補償対象としつつ1事故あたりの限度額を設けている保険会社もあるため、契約時に確認しておきましょう。

また、自動車やバイク、有価証券、電子マネー、動植物などは補償の対象外です。また、事業用の備品、商品についても補償は受けられません。

家財保険で補償されるケース

家財保険では、火災や盗難など幅広い原因による家財の損害が補償されます。家財保険で補償されるケースは、主に下記のとおりです。

家財保険で補償される主なケース

  • 火災、落雷
  • 風災(台風、竜巻など)
  • 水災(豪雨、高潮など)
  • 豪雪、雪崩
  • 水漏れ(給排水管のトラブルなど)
  • 外部からの飛来、衝突(車の衝突など)
  • 盗難
ただし、保険会社によっては一部が対象外になることがあります。詳細な補償範囲は、保険会社に確認してください。

一方、下記のようなケースでは家財保険による補償を受けられません。

家財保険で補償されない主なケース

  • 地震、津波、噴火による損害
  • 戦争、暴動などによる損害
  • 経年劣化による損害
  • 家財を屋外に出していたときの盗難
例えば、外出先で腕時計を外していた際に盗難に遭った場合は、家財保険の補償対象外です。

なお、地震・噴火またはこれらによる津波による損害は、火災保険に地震保険をセットすることでカバーできます。

家財保険の保険金額の決め方

家財保険の保険金額の決め方

家財保険の保険金額は、契約者が任意で設定します。

設定する際の基本的な考え方は、所有している家財を新たに買い直すのに必要な金額(再調達価額)を保険金額とすることです。

こうしておくことで、家財が損害を受けた際、無理なく買い替えることができます。

家財の評価方法には、所有する家財の金額を一つひとつ積み上げて算出する「積算評価」と、世帯主の年齢や家族構成から平均的な評価額を求める「簡易評価」の2つがあり、保険会社では多くの場合、簡易評価が用いられます。

それぞれの方法について見ていきましょう。

実際に持っている家財の金額から積み上げる方法

家具・家電・衣類・アクセサリーなど、家の中にある家財を一つひとつ書き出し、それぞれの再調達価額を合計する方法で、積算評価といいます。

再調達価額とは、その家財を新たに買い直すのに必要な金額のことです。正確な評価ができる一方、家財の数が多い世帯ほど集計に労力がかかります。

そこで、まずはタンスやベッドといった大型家具、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電、パソコンやテレビなど金額の張る家財から積み上げると、合計額の概算を把握しやすくなります。

保険金額は、再調達価格をベースに設定することが一般的です。保険金額が再調達価額より高すぎても、損害額を超える保険金は支払われないため、保険料が無駄になる可能性があります。

反対に、保険金額が低すぎると、被災時に必要な生活再建費用を保険金で賄えず、自己負担が発生しかねません。

保険会社の家財簡易評価表を参考にする方法

積算評価は手間がかかるため、多くの保険会社では、世帯主の年齢や家族構成などから平均的な評価額を算出する「家財簡易評価表」を用意しています。契約者は、簡易評価表で算出された金額を参考に、保険金額を決められます。

ただし、簡易評価表で示される金額はあくまで標準的な世帯の目安です。実際のライフスタイルや所有している家財の量によって、目安より上下に調整したほうが実態に合うケースも少なくありません。

また、賃貸物件の入居時に提案される家財保険では、定型的な保険金額が設定されているケースもみられます。

入居時の手続きを進める前に、自身の家財の実態と保険金額が見合っているかを確認しておきましょう。

家財保険の「保険金」と「保険料」の相場

家財保険の「保険金」と「保険料」の相場

家財保険の保険金と保険料の相場は、世帯人数が多いほど、また世帯主の年代が上がるほど高くなる傾向にあります

なぜなら、家族が増えれば衣類や日用品の量が増え、年代が上がるほど買いそろえる家具や家電の量も増えていくためです。

世帯人数別に、20代、30代、40代、50代の保険金と、年間保険料の相場を見ていきましょう。

一人暮らし・賃貸の場合の家財保険相場

賃貸向けの家財保険は、家財補償に加えて借家人賠償責任保険などがセットになっているケースが多く、保険料は住まいの条件によって大きく変わります。

たとえば、賃貸向け火災保険の試算例では、以下のような保険料の目安があります(保険期間1年)
単身世帯における家財保険の保険金・保険料の相場

世帯主の年代

保険金

年間保険料の目安

20代・一人暮らし

300万円

約4,770円

30代・一人暮らし

400万円

約5,350円

20代・二人暮らし

500万円

約5,940円

30代・家族3人

700万円

約7,100円

上記の金額は、あくまで標準的な単身世帯における目安です。同じ単身世帯でも、ライフスタイルによって必要な保険金額は変わります。

たとえば、パソコンを複数台所有していたり、カメラなどの趣味用品を多く持っていたりする場合、家財の総額は相場より高めになる傾向にあります。

反対に、単身赴任で必要最低限の家具・家電のみで暮らしている世帯では、相場より低い保険金額でも十分なケースもあるでしょう。

自分の家財の実態に合わせて、保険金額を判断することが大切です。

世帯人数別の家財補償額の目安

家財補償額は、世帯人数や所有する家具・家電の量などによって変わります。
なお、家財補償は火災保険にセットして契約するケースが多く、「家財保険だけ」の保険料相場を一律に示すことは難しいのが実情です。

以下は、火災保険に家財補償を付帯した場合の目安です。
単身世帯における家財補償額の目安

世帯主の年代

保険金

20〜50代

300万〜700万円

同じ単身世帯でも、所有している家財やライフスタイルによって必要な補償額は異なります。

例えば、ゲーミングPCや大型テレビ、ブランド家具など高額な家財を多く所有している場合は、必要な補償額も高くなる傾向があります。

一方で、家具・家電を最低限に抑えたミニマルな暮らしをしている場合や、短期間の赴任で簡易的な生活をしている場合などは、相場より低めの補償額でも足りるケースがあります。
大人2人世帯における家財補償額の目安

世帯主の年代

保険金

20代

500万円程度

30代

700万円程度

40代

900万円程度

50代

1,000万円程度

大人2人・子ども1人世帯における家財補償額の目安

世帯主の年代

保険金

20代

700万円程度

30代

800万円程度

40代

1,000万円程度

50代

1,100万円程度

一般的には、子どもが1人増えるごとに、衣類や寝具に加え、机やタブレットなどの学習用品も増えるため、必要な家財補償額も100万〜200万円程度上乗せされる傾向があります。

ただし、実際の必要額や保険料は、住まいの広さ、建物構造、所在地、補償内容などによって異なります。

複数の保険会社で見積もりを比較し、自分の暮らしに合った補償額を検討することが大切です。

家財保険の保険料の抑え方

家財保険の保険料の抑え方

家財保険の保険料は、補償内容や契約条件を工夫することで抑えられます。

ただし、必要な補償まで削ってしまうと、いざというときに保険金が支払われず、加入する意味が薄れてしまうため、注意が必要です。

ここでは、必要な補償を極力維持しながら、家財保険の保険料を抑える方法を解説します。

保険金額は、家財を買い直すのに必要な金額にとどめる

家財保険の保険料を抑える方法のひとつは、保険金額を実際に所有している家財を買い直すのに必要となる金額にとどめることです。

保険会社によっては、世帯人数や年代から算出した保険金額の目安を提示してくれる場合があります。

しかし、目安はあくまでも標準的な世帯の数値であり、ライフスタイルに応じた金額をもとに過不足なく設定することが大切です。

家財保険の保険金額は、あえて低めに設定することもできます。

「高額な家財を所有しているものの、補償は当座の生活に必要な分だけでいい」といった場合は、実際の家財総額より低めに保険金額を設定することで、保険料を抑えられます。

免責金額を設定する

免責金額(自己負担額)を設定すれば、家財保険の保険料を抑えることが可能です。

免責金額とは、損害の一定額については契約者が自己負担するものとして設定する金額を指します。

例えば、免責金額を5万円に設定した場合、損害額10万円の事故が起きても受け取れる保険金は5万円です。

免責金額を高めに設定すれば、損害発生時に受け取れる保険金は少なくなる一方で、保険料を抑えられます。

免責金額の設定の有無や金額については、預貯金の額や日常的な家財の使い方を踏まえ、保険料と補償のバランスを見て検討しましょう。

割引制度や長期契約を活用する

保険会社によっては、保険期間を2年・5年などの長期に設定したり、保険料を一括払いや年払いにしたりすることで、保険料の割引が適用される場合があります。火災保険の保険期間は、現在、最長5年まで設定可能です

このほか、ネット申込割引や証券ペーパーレス割引といった、加入手続きの方法による割引制度を用意している保険会社もあります。

同じ補償内容でも、保険会社によって保険料は異なります。

契約前に複数社の見積もりを取り、補償内容と保険料を比較したうえで、自分に合った保険を選びましょう。

家財保険の相場を知り、万一の事態に備えて加入しよう

家財保険の相場を知り、万一の事態に備えて加入しよう

火災や水漏れ、盗難といったトラブルが発生すると、家財に損害が及ぶおそれがあります。

家電や生活用品を買い直すための費用をカバーするために、家財保険が役立ちます。

家財保険の保険料は保険金額によって異なりますが、相場は1年で数千円程度です。

持ち家の場合はもちろん、賃貸であっても万一の事態に備え、家財保険への加入を検討しましょう。
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金子 賢司

監修者金子 賢司

東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
・CFP(R)資格(資格番号:90260739)
・日本FP(ファイナンシャルプランナー協会)幹事

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