60歳からの資産運用は必要?初心者におすすめの運用方法を解説
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お金に関する問題もそのうちのひとつです。
現役時代と比べて収入が減るケースが多い老後生活において、どのように生活資金を確保していけばいいのでしょうか。
今回は、60代で資産運用を始めるべき理由と、これからの資産運用に適した考え方を初心者にもわかりやすく解説します。
おすすめの運用方法やリスク管理の考え方にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
60代の平均資産額
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金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」(2024年)によると、60代で金融資産を保有している割合は約7割で、特に、60代の金融資産保有者の平均額は1,929万円と全年代の中でも最も高い水準です。
一方で中央値は550万円となっており、平均額との差が大きく、資産の保有状況にはばらつきがあります。
20代から70代までを見ても、金融資産の保有率は、65%〜80%となっており、年代を問わず半数以上が金融資産を保有していることがわかります。
平均的な貯蓄額や金融資産の実態を知ることで、自分の立ち位置を把握し、今後の資産運用の参考になります。
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長寿化やインフレ、医療・介護費の増加を考えると、退職金や貯蓄だけに頼るのは不安です。
だからこそ、60歳からは資産を「守りながら運用する」視点が欠かせません。
60歳から資産運用を始めるべき理由
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ですが、むしろ60歳からこそ「運用の仕方」を見直すことが重要です。
60代が老後の生活費を長く安定してまかなうためには、資産運用を始めておくことが重要です。
60歳から資産運用を始めるべき理由
年金や貯蓄だけでは老後資金が不足する可能性がある
現役引退後は、主な収入源が年金のみとなる人もいるでしょう。
一方、現役・老後を問わず、生活費は一定程度かかることに加え、医療費などの支出はこれまでよりも増える可能性があります。
「収入源は限られるものの、出費は増える」ことが、60代が老後生活を送っていく上でのリスクとなりえます。
日本人の平均寿命は右肩上がりで延びており、人生100年時代に突入したともいわれています。
長期にわたる老後生活を送っていく上で、年金や貯蓄だけに頼って生活設計を立てていくのはリスクが高いと考えられます。
そのため、より豊かな老後生活を送るためには、運用によって効率的に老後資金を確保する必要があるのです。
インフレによって資産価値が減少するリスクがある
生活していく上で欠かせないものやサービスの値段が上がれば、相対的に現金や預貯金の価値が目減りします。
近年は、燃料価格の上昇や国際情勢の変化などに伴う物価高が顕著に現れ始めていますが、将来的にどの程度まで物価が上がるかは予測できません。
インフレによってものの値段が上がり、資産価値が低下する可能性もあるのです。
インフレによる資産価値の低下に備えるには、現金や預貯金で保有したままではなく、資産運用を行うことで増やすことも視野に入れておくべきでしょう。
資産運用にはリスクが伴いますが、後述する基本的な考え方に沿って運用することで、リスクを最小限に抑えることができます。
退職金などまとまった資金を活用できる
ただし、退職金をすべて預貯金に置いたままでは利息がほとんどつかず、インフレによって実質的な価値が目減りするリスクがあります。
必要な生活費分は安全に確保しつつ、余剰分を投資信託や債券などリスクを抑えた商品で運用すれば、資産を守りながら増やす効果が期待できます。
退職金は、老後生活を支える重要な原資という位置づけです。
計画的に運用することで、年金と組み合わせた安定した生活設計が可能になります。
60歳からの資産運用におすすめの方法
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資産運用といっても、必ずしもリスクの高い投資に挑戦する必要はありません。
それぞれの特徴と主なメリットを押さえることで、自分に適した方法が見つかるはずです。
60代からは「安全性」と「安定した収益」を両立できる手段を選ぶことがポイントです。
60歳からの資産運用におすすめの方法
投資信託
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投資信託の投資対象は株式や債券など多岐にわたり、幅広い商品に分散投資できます。
投資信託に組み込まれている商品の売買タイミングや銘柄選びは、ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が担うため、投資する人が自分で売買や銘柄選定を行う必要がない点が大きなメリットです。
専門家が分散投資を代わりに行ってくれる点は、リスクを抑えつつ長期的に安定したリターンを得る上で重要なポイントといえます。
老後に備えるために計画的に資産を運用したい人や、投資初心者におすすめの資産運用方法です。
債券
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債券を保有している投資家には、定期的に利息が支払われることに加え、満期を迎えると元本が償還されます。
債券の多くは元本保証があるため、資産を減らすことなく安定した利息収入を得られる点が大きなメリットです。
ほかの資産運用方法と比べて大きな収益にはつながりにくい反面、安定性という点では優れた投資対象といえます。
ただし、外貨建債券や仕組債(償還金や利息が変動する債券)のような債券は、利回りが比較的大きい一方で、リスクも高くなりやすい傾向がある点に注意が必要です。
安定性を重視するのであれば、通常の国債や地方債、社債を投資対象として選ぶことをおすすめします。
株式投資
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株を買った後に株価が上がれば、売ったときに利益(売却益)が得られ、株を持っているあいだは、その企業から配当金をもらえることもあります。
長期的に資産を増やしたい場合、成長が見込まれる企業の株式に投資することで、インフレ対策を行いつつ、リターンが期待できる点が大きな魅力です。
一方で、銘柄によっては短期間で急激な値動きが見られるケースもあることから、特定の銘柄に資産を集中させるのではなく、分散投資を心掛ける必要があります。
不動産投資、REIT
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保有している不動産を通じて家賃収入を得たり、資産価値の上昇により売却時の収益が見込めたりする点がメリットです。
ただし、土地や建物を個人で購入するには、まとまった資金が必要になります。
管理コストが発生したり、空室リスクが生じたりすることもあるため、ある程度の元手や投資経験がある人に適した資産運用方法です。
その点、REIT(不動産投資信託)は多くの投資家から集めたお金で、不動産に投資する金融商品です。
投資信託と似た仕組みで、個人投資家でも少額から手軽に不動産投資が始められます。
特にJ-REITは、日本国内の不動産を対象にしているため、国内市場を対象とした投資が可能です。
不動産の価値や家賃は物価の上昇に伴って上がることが想定されるため、インフレリスクに備えつつ、安定収益を狙える資産運用方法といえます。
外貨預金
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外貨建ての資産は、日本国内のインフレの影響を直接受けないことに加え、円安リスクへの備えになる点が大きなメリットです。
また、外貨預金は円建て預金よりも高金利であることが多く、その分利息が多く得られる点も魅力です。
一方で、為替相場の変動によって元本割れする可能性がある「為替リスク」も伴うため注意が必要です。
預け入れ時より円高になると、引き出し時に円換算で受け取れる金額が減るケースもあります。
外貨建て商品の中でも、外貨預金は仕組みがシンプルで初心者にもわかりやすいため、これから資産運用を始めようとしている人や、インフレ・円安リスクへの対策を考えている人に適しています。
60歳からの資産運用におけるポイント
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特に実践したい、資産運用の考え方を解説します。
60歳からの資産運用におけるポイント
現実的な運用目標を設定する
前述のとおり、老後生活は現役時代と比べて収入が減少する反面、生活費や医療費は引き続き発生します。
こうした支出に備えて現実的な運用目標を設定し、長期的に資産を増やしていくことが重要です。
高すぎる運用目標を掲げると、無理な方法を選びやすくなります。
短期的に大きな収益を得ようとするのではなく、長期的な視点で捉えて運用目標を設定することが求められます。
当面の暮らしだけでなく、70代・80代以降の生活も見据えた運用計画を立てることが大切です。
リスクとリターンのバランスを考えた資産配分
投資においては、リスクとリターンが比例する傾向があり、一般的には高リスク・高リターンか、低リスク・低リターンのどちらかを選ぶことになります。
60代の資産運用は、安全性の高い資産を中心にしつつ、ある程度の収益性を狙える金融商品を適度に取り入れていくことにより、資産を分散させることが大切です。
資産が分散されていれば、特定の金融商品が一時的に値下がりしても、ほかの商品から得られた収益により、損失を補える可能性が高まります。
反対に、特定の金融商品に集中して投資している場合、その商品の価値が大きく下落した際、大きな損失を被ることにもなりかねません。
できるだけ安全性の高い資産を中心にポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を組み、リスクを分散させるのがポイントです。
保有資産の定期的な見直しと調整を行う
経済状況やライフスタイルの変化に応じて資産配分を見直すことにより、リスクを最小限に抑えながら資産運用を続けていくことが可能になります。
投資元本を守ることを重視した安全資産と、収益性を重視した収益資産のバランスを慎重に見極めるのがポイントです。
一般的に、60歳が資産運用に取り組むにあたって、収益資産の比率を上げすぎるのはあまりおすすめしません。
現役時代と比べて収入が限られていくことを踏まえると、資産をできるだけ守りながら、堅実に運用していくほうが得策です。
そのため、基本的には安全資産の比率を高めに設定しつつ、年齢に応じてどの程度リスクを取るべきかを慎重に判断していくのが望ましいといえます。
ポートフォリオの作成を通じて資産をバランス良く分散する
ポートフォリオとは、保有している資産の比率を可視化したものです。
ポートフォリオをもとに株式、債券、不動産、外貨預金などの異なる金融商品に分散投資することで、特定の資産の価値が大きく下落した際にも全体の損失を軽減できます。
特に、退職金などのまとまった収入を得た場合は、慎重に投資先を選ぶべきです。
例えば、退職金の大半を使って成長企業の株に投資すると、その銘柄の株価が大きく下落した際に資産が大幅に減少するリスクがあります。
まとまった資産を得たときこそ、ポートフォリオをもとに資産をバランス良く配分することが大切です。
信頼できる情報源から最新の金融知識を得る
そのためには、信頼できる情報源から最新の金融知識を得る習慣が欠かせません。
特に注意したいのは、SNSや個人ブログなどの根拠が不十分な情報に左右されないことです。
老後資産を守るうえでの判断基準は、公的機関や大手金融機関が提供するデータや解説を優先しましょう。
例えば、金融庁「NISA公式サイト」や厚生労働省「年金・日本年金機構関係情報」といった情報源は信頼度が高く、60歳の資産運用にも役立ちます。
こうした一次情報をもとに判断すれば、根拠のある資産運用を行いやすくなります。
さらに、定期的にセミナーやFP(ファイナンシャルプランナー)相談を活用すれば、最新の制度改正や税制への対応もスムーズです。
60歳の資産運用に関するよくある質問
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ここからは「60歳からでも新NISAは使えるの?」「退職金は銀行に預けているままでいい?」など、老後のお金に関する疑問に対し、分かりやすく解説します。
よくある質問
60歳からでも新NISAは使える?
18歳以上であれば利用が可能な制度です。
株式や投資信託の運用商品に投資した利益に対し、非課税で受け取ることができる制度がNISAです。
投資は長期が重要と言われますが、60歳であっても人生100年時代では、40年も運用が可能になります。
iDeCoは60代から始められる?
ただし一定の条件があり、iDeCoの老齢給付金を受給しているもしくはしたことがある場合や、老齢基礎年金の受給権をお持ちの場合や、特別支給の老齢厚生年金を繰り上げ受給している場合には、加入できません。
年金だけでは本当に生活できないの?
しかし、生活水準を下げずに過ごしたい場合には、貯蓄や資産運用は必須です。
生命保険文化センターによる「生活保障に関する調査」(2022年度版)によると、ゆとりある老後生活費は平均37.9万円であるという調査結果が出ています。
退職金は銀行に預けるだけでいい?
安全資産(預貯金・債券など)で生活費を確保しつつ、余剰資金を株式・投資信託で分散運用することで、資産の価値を維持できる可能性があります。
投資は子どもや孫への相続を考えても始めるべき?
ただし、まずは自身の資金需要(生活費・医療費)を満たすことが条件です。
子や孫に資産を遺したいと考えている方は、相続も視野にいれて商品選びをすすめましょう。
60代で安心して老後を送るには、資産運用が不可欠
リスクを適切に管理しながら、安全性と収益性のバランスをよく考えた上で運用計画を立て、長期的な安定を目指すことが重要です。
また、リスクを分散させて資産運用を続けるには、日本円だけでなく外貨預金も視野に入れておくといいでしょう。
外貨預金を始める際には、外貨預金を取り扱う金融機関で口座を開設する必要があります。
金融機関によって手数料や取扱通貨はさまざまなので、複数の金融機関を比較検討した上で預け先を決めることが大切です。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。
外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。
監修者金子 賢司
東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。
以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
・CFP®資格(資格番号:90260739)
・日本FP(ファイナンシャルプランナー協会)幹事
ホームページ:https://fp-kane.com/