60歳から資産運用をするには?おすすめの運用方法やコツを紹介
この記事では、60歳から資産運用を始めたいと考えている人に向けて、おすすめの資産運用方法やコツを紹介します。資産運用を始める際におすすめの相談先も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。
目次
60歳からの資産運用を始める前に考えておくべきポイント
まずは、特に重要な3つのポイントを見ていきましょう。
平均寿命
65歳で定年退職すると仮定した場合、男性は平均16年以上、女性は平均22年以上暮らしていくためのお金が必要になります。2040年には平均寿命が男性83.27年、女性89.63年まで延びるとも推計されているため(※2)、老後生活の期間は余裕を持って想定しておくことが大切です。
※1 厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」
※2 厚生労働省「令和2年版厚生労働白書−令和時代の社会保障と働き方を考える−」
いつまで働くか
老後資金という点においては、働けるうちは働いたほうが収入を得られるというメリットがあります。一方で、一般的には年齢を重ねるごとに健康面のリスクが高まっていくことから、万が一働けない状態になったときのことも考慮に入れて資金計画を立てておくことが大切です。
老後の生活費
さらに、旅行やレジャー、趣味、子供や孫への資金援助などを加味すると、さらに資金が必要になることが想定されるため、老後の暮らし方を考慮した資金計画が欠かせません。
※総務省統計局「2022年(令和4年)家計の概要」
60歳からの資産運用のコツ
60歳から資産運用に取り組むにあたって、押さえておきたいコツは下記の3点です。
資産を増やすというよりも資産寿命を延ばす
資産運用と聞くと、積極的な投資などによって資産を増やすというイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか。もちろん、そういった資産運用の方法もありますが、資産が尽きるまでの期間を延ばすことに重きを置いて資産運用に取り組むことも可能です。
一例として、65歳の時点で保有資産2,000万円の人が、毎月10万円を生活資金として取り崩していくケースを考えてみましょう。
資産運用をしない場合、81歳8ヵ月の時点で資産寿命を迎えることになります。一方、年率3%で資産運用をした場合、資産寿命は87歳11ヵ月となり、資産寿命を6年以上延ばせるのです。このように、資産運用によって資産寿命を延ばすという考え方にもとづいて取り組んでいくことをおすすめします。
退職金をすべて資産運用に回さない
資産運用は、基本的に余裕資金で行うことが望ましいとされています。資産運用に回した資金を短期間で引き出した場合、かえって資産を減らす原因もなりかねません。
当面必要な生活費や、近い将来使う予定のある資金については、すぐに引き出せる預貯金などで保有しておくことが大切です。
分散投資をする
60歳から始める人におすすめの資産運用方法
ここでは、60歳から資産運用を始める人におすすめの方法を、7つご紹介します。
投資信託
投資家から集めた資金をファンドマネージャーが株式や債券などに投資し、運用益を投資家に分配します。株式の銘柄を自分で選んだり、売買のタイミングを判断したりする必要がないため、初心者にも始めやすい資産運用といえるでしょう。
少額から積立が可能な商品もあるため、リスクを分散させて資産運用に取り組みたい人にもおすすめです。
債券
ただし、発行主の財政破綻や経営破綻により債務不履行(デフォルト)に陥った場合、元本が全額戻ってこない可能性もゼロではありません。
ほかの資産運用方法と比べると相対的に低リスクのため、リスクを抑えて資産運用に取り組みたい人に適しています。
株式投資
株式投資のメリットとして、利益が出ている企業の株主になれば、年1、2回程度の配当金を受け取れる場合があり、企業によっては独自の株主優待を設けているケースもあります。
一方で、株式を取得した企業の株価が下落した場合、損失につながるかもしれません。短期間のうちに株価が乱高下することもありえるため、リスクとリターンのバランスを慎重に考慮して投資することをおすすめします。
REIT
不動産運用の専門家が投資先を選定するため、少額から手軽に不動産投資を始められる点が大きなメリットです。また、配当原資は不動産の賃貸料などが中心のため、配当が比較的安定していることに加え、不動産の価値と物価は連動する傾向があることから、インフレ対策としても効果的な投資先といわれています。
ただし、後述する不動産投資と同様に、災害リスクや価格変動リスクを抱えていることから、売却時に元本を下回るおそれがある点を理解しておくことが重要です。
不動産投資
所有している不動産は固定資産となるため、将来的に子供や孫に相続することも可能です。相続する際には固定資産評価額にもとづいて不動産の価値が算出されることから、現金で相続する場合と比べて節税効果が期待できます。
ただし、不動産を購入する必要があることから、初期投資が高額になりがちな点には注意が必要です。また、購入後も物件の補修や修繕のための管理費がかかったり、空室が続けば家賃収入が得られなくなったりするリスクがあります。災害リスクや価格変動リスクにも注意が必要です。
現状、すでに土地や建物を所有している人が行う資産運用方法として適しています。
貯蓄型保険
ただし、契約した保険を短期間で解約した場合、払い込んだ保険料よりも戻ってくるお金(解約返戻金)が少なくなることが想定されます。
しばらく使う予定のない資金がある人や、長期にわたって資産運用に取り組みたい人におすすめです。
外貨預金
外貨預金の大きなメリットとして、外貨建て商品の中でも仕組みが比較的わかりやすく、初心者にとって始めやすい点が挙げられます。外貨預金によって金利や手数料、入出金のしやすさなどが異なるため、預金先を選ぶ際には十分に比較検討しておくことが大切です。
オリコン顧客満足度ランキングでは、外貨預金の評判・口コミをさまざまな角度から紹介しています。外貨預金を選ぶ際には、ぜひ「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を参考にしてください。
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60歳から資産運用をする際の相談先
続いては、資産運用の相談ができる主な金融機関や専門家を紹介します。それぞれのメリット・デメリットを押さえた上で、自分に合った相談先を選ぶことが大切です。
銀行
また、デメリットとしては、銀行が提案する商品の中には、手数料が比較的高いものも含まれているケースが少なくないことがあります。例えば、退職金の運用に特化したプランには、定期預金のほかに投資信託やファンドラップ(金融機関が資産の運用・管理を代行するサービス)が組み込まれている場合があります。担当者からすすめられるままに投資先を決めるのではなく、手数料や金利を十分に確認しておくことが重要です。
証券会社
ただし、証券会社を介して取引を行う場合、大半の金融商品において販売手数料が発生します。特にファンドラップを利用する場合、信託報酬など投資信託の運用中にかかる手数料だけでなく、ファンドラップ自体の手数料も支払うことになるため、手数料が二重にかかることになります。
銀行と同様、担当者に提案されるままに資産運用方法を決めるのではなく、手数料や金利を自分でしっかりと確認することが大切です。
ファイナンシャルプランナー
ただし、ファイナンシャルプランナーは、ライフプランニングをはじめとする資金計画の専門家です。資産運用に関するアドバイスを得意とするファイナンシャルプランナーばかりではないことから、自分に適した資産運用方法を提案してもらえるかどうかは担当者の力量次第といわざるをえません。
また、ファイナンシャルプランナーの本業は相談業務であるため、相談する際には相談料がかかります。
独立系ファイナンシャルアドバイザー
なお、独立系ファイナンシャルアドバイザーは、フリーランスや小規模な事務所に所属している人が大半です。そのため、自分に合った独立系ファイナンシャルアドバイザーが見つかるまでに、時間を要するケースも少なくありません。資産運用のアドバイザーをじっくり探したい人であれば、おすすめの相談先といえるでしょう。
60歳からの資産運用では資産寿命や分散投資に目を向ける
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監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。