資産運用とは?初心者におすすめの方法や知っておきたい制度を紹介

資産運用とは?初心者におすすめの方法や知っておきたい制度を紹介

資産運用に興味があっても「何から始めればいいのかわからない」「リスクが心配で踏み出せない」と感じている人は多いでしょう。資産運用には非常に多くの手段があるため、初心者にとっても始めやすく、リスクを抑えられるものを選ぶことが大切です。

今回は、資産運用の主な種類や初心者におすすめの方法のほか、資産運用で活用したい税制優遇制度について解説します年代別のおすすめの資産運用や、資産運用をする際の注意点もまとめていますので、ぜひ参考にしてください

資産運用とは手持ち資産を効率的に増やすこと

資産運用とは、簡単にいうと手持ちの資産を効率良く増やすことです。資産運用の方法は大きく分けて、預貯金投資の2つです。預貯金は資産を安全に保持することを主な目的とする一方、投資は資産を積極的に増やすことを目的とし、株式や債券、外貨預金などさまざまな手段があります

しかし、現在の日本においては低金利が続いており、預貯金で得られる利息は微々たるものです。預貯金のみでは資産を増やすことは難しく、多くの人が積極的に投資を行っています

資産運用の方法として投資が注目されている理由

近年、資産運用の方法として投資が注目されている背景には、いくつかの要因があります。主な要因として、次の3つが挙げられます

低金利の日本では預貯金がほとんど増えないから

日本銀行によると、普通預金の平均年利率はわずか0.001%(※)で、100万円を預けても1年間で得られる利息はたったの10円です。10年間同じ額を預け続けても、利息はわずか100円にすぎません。この状況から、資産を増やすためには円預金よりも投資をすることが必要なのです。

投資は、近年の資産運用の主流となっており、低金利が続く日本においては特に重要性が高まっています

※日本銀行金融機構局「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について

インフレが進むと預貯金の価値が下がるから

インフレが進行すると、預貯金の実質的な価値が下がってしまうことも、投資が注目されている理由のひとつです。多くの人が、預貯金は安全で価値が減少しないと考えがちです。しかし、物価が上昇するインフレの状況では、同じ金額では以前よりも少ない商品やサービスしか購入できなくなります
例えば、物価が5%上昇した場合、100円で購入できた商品が105円に値上がりすれば、実質的にお金の価値が減少することになります。
インフレのリスクに対処し、資産の実質的な価値を維持または増加させるためには、預貯金だけでなく、投資による資産運用が重要なのです。

インフレについては、下記の記事をご覧ください。
個人でできるインフレ対策とは?資産を守る方法を解説

年金の受給額が減少しているから

公的年金制度の受給額が減少していることも、資産運用を始めるべき理由のひとつです。厚生労働省の資料によると、2005年度には標準的な年金受給世帯の月額が23万3,299円であったのに対し、2021年度には22万496円と、16年間で月額が1万2,000円以上も減少しました(※)

少子高齢化の進行により、公的年金制度への負担が増えており、将来的に年金受給額がさらに減少する可能性もあります。老後の生活資金を確保するためにも、個人での資産運用がますます重要になっているのです。

※厚生労働省「令和3年版厚生労働白書 資料編『年金』

初心者におすすめの資産運用

初心者におすすめの資産運用

資産運用を始めるにあたり、初心者には仕組みの理解がしやすく、比較的リスクが低い方法がおすすめです。ここでは、初心者に特におすすめの資産運用方法をご紹介します

投資信託

投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を投資のプロであるファンドマネージャーが運用し、利益を投資家に分配する仕組みの金融商品です。投資信託の大きなメリットは、個々の投資家が投資先を判断する必要がなく、銘柄の選定や投資タイミングなどを専門家に任せられる点です。投資に関する知識が不足している初心者であっても、手軽に資産運用を始めることができます。

さらに、少額からの積立投資が可能であることも、投資信託の魅力のひとつ。定期的に一定額を投資することで、市場の変動リスクを分散し、長期的に資産を増やすことができます。投資の初心者や、大きなリスクを避けつつ着実に資産を増やしたい人にとって、投資信託は理想的な選択肢といえるでしょう。

投資信託については、下記の記事をご覧ください。
外貨預金と投資信託はどっちがいい?初心者向きの投資とは

債券

債券は、国や地方公共団体、企業などが資金調達のために発行する有価証券です債券を購入することで、発行体から定期的に利息を受け取り、満期となる償還日には元本が返済されます。投資した人は、債券を購入した金額と利息の両方を得ることができるという仕組みです。

債券投資は、株式投資に比べて価格変動のリスクが低く、安定した収益を期待できるため、投資初心者に適しています。債券には、利回りが比較的安定している国債や、リスクは高めですが利回りが良い社債のほか、海外の国や企業に投資する外国債券など、さまざまな種類があります。

ただし、債券の発行体である国や地方公共団体、企業などが財政難に陥った場合、元本や利息が払われない可能性もゼロではありません。株式や投資信託と比べてリスクが低いといわれているものの、一切リスクがないとは言い切れない点には注意が必要です

外貨預金


外貨預金は、円ではなく米ドルやユーロなどの外国通貨で行う預金を指します外貨預金の魅力は、為替の変動によって資産を増やせる可能性があることです。円高時には預けている外貨の価値が下がり、円安時には外貨の価値が上がるため、円高時に外貨預金をして円安時に払い戻すことで、為替差益(為替レートの変動により生じる利益)を得ることができます。
また、外貨預金の金利は円預金よりも高く設定されていることが多く、利息収入の面でもメリットがあります

外貨預金は、仕組みが比較的理解しやすく、投資の初心者にも取り組みやすい資産運用方法です。ただし、預け入れや払い戻しのタイミングを誤ると、元本割れを起こすリスクもあります。為替変動の影響を十分に理解し、慎重に投資を行いましょう。
外貨預金をする上で金融機関やサービス選びに迷った際には、オリコン顧客満足度ランキングをはじめとする、比較サイトが参考になります。「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」では、手数料や金利、入出金のしやすさなど、さまざまな観点から外貨預金を比較検討できます。

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貯蓄型保険

保険商品は、大きく掛け捨て型と貯蓄型に分類され、貯蓄型の保険商品は資産運用の手段として利用されることがあります。例えば、終身保険や学資保険、個人年金保険などです貯蓄型保険では、保険会社が契約者から預かった保険料を運用し、契約満期時や特定の条件下での解約時に、契約者へ運用益を含む金額を返還します

また、貯蓄型保険は、保険料の一部が所得税や住民税の控除対象となる場合があります。これにより、節税効果を得ながら、中長期的な資産形成を図ることが可能です。

ただし、貯蓄型保険で資産を増やすためには長期の加入が必要になるケースが多く、解約するタイミングによっては元本割れを起こすこともある点には注意が必要です。

初心者が資産運用する際におすすめの制度

初心者が資産運用する際には、税制上の優遇措置が適用される制度を利用することをおすすめします。次に挙げるNISAやiDeCoであれば、比較的少額から資産運用を始められます。それぞれの制度の特徴は次のとおりです。

NISA

NISA(少額投資非課税制度)は、投資から得られる利益が一定の範囲内で非課税になる制度です。NISAを利用することで、特定の金融商品に投資した際の税負担を軽減し、手取りの収益を増やすことができます。

投資額には上限がありますが、その範囲内であれば利益が非課税となるため、初心者にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、将来の年金を補完するために、掛け金を積み立てて運用し、60歳以降に受け取ることができる制度です運用益は非課税となり、長期的な資産形成に適しています。また、掛金は所得控除の対象となるため、節税効果が期待できる点もメリットです

ただし、掛け金は積み立てる本人の職業などによって上限があり、際限なく積み立てることはできません。また、iDeCoで積み立てたお金は、原則60歳まで引き出せない点にも注意が必要です。

年代別・おすすめの資産運用の方法

年代別・おすすめの資産運用の方法

資産運用は、年代やライフステージに応じて戦略を変えることが重要です。ここからは、年代別におすすめの資産運用方法をご紹介します

20〜30代:複利効果を活かした長期的な運用を

20〜30代の若い世代には、時間を味方につけた長期的な資産運用がおすすめですこの年代の最大のメリットは、長い時間を使って投資の複利効果を最大限に得られること。NISAやiDeCoといった税制優遇制度を利用し、少額からでも投資を始めてみましょう。

また、余剰資金が増えてきたら株式投資や外貨預金などを取り入れ、より積極的な資産運用に挑戦するのもひとつの選択肢です。短期間で利益を得ようとするのではなく、少額ずつ長期にわたって投資していくことをおすすめします。

40〜50代:生活資金や老後資金に支障がない範囲で運用を

40〜50代は、生活資金や老後資金に支障が出ないよう、無理なく資産運用をする必要があります。この年代は、ライフステージの変化に伴って、子供の教育費や住宅購入費、親族の介護など、生活資金が高くなることがあります。急な出費に備えて預貯金をしっかりしつつ、自身のリスク許容度(どれほどのリスクをとることができるか)に合った運用方法で資産を増やしましょう。

ただし、すでにまとまった資産があったり、高収入であったりする場合は、株式投資などで積極的に資産を増やすのもひとつの方法です。

60代以上:ハイリスクな投資は避け無理のない運用を

60代以上の人は、長期・分散・積立を心掛け、リスク許容度に合った資産運用がおすすめです。退職金などでまとまった資産を確保しても、それを株式などに集中的に投資することはおすすめしません。短期間で高いリターンが見込まれる投資先ほどリスクも高くなります。

外貨預金や株式、投資信託などに分散投資し、自身のリスク許容度の範囲で無理なく資産運用を続けることがポイントです。

初心者が資産運用をする際の注意点

初心者が資産運用をする際には、いくつか注意しておきたい点があります。資産運用にはリスクもあることを念頭に置き、次の4点に注意して取り組みましょう。

資産運用の目的を明確にする

資産運用は、目的を明確に設定した上で取り組むことが大切です。住宅の購入費用や子供の教育資金、老後の生活資金など、人によって資産運用の目的は異なります。目的によって適した運用方法も変わってくるため、何のために資産運用を行うのかを明確にしましょう。

目的を明確にすることで、達成すべき金額や投資期間、リスク許容度などを具体的に設定することができます。

長期・積立・分散投資をする

資産運用における成功のカギは「長期・積立・分散投資」にあります。短期間で高いリターンを狙うと高いリスクを伴うため、安定した資産形成をしたい人には向きません。複利効果を活かし、長期間にわたって資産を成長させることが理想的です。

利回りがそれほど高くない投資先であっても複利効果を利用することで、時間をかけて大きな資産を築くことが可能になります。資産運用をする際には投資する金融商品を分散し、定期的な積立でコツコツと資産を増やしていくのがおすすめです

資産運用のリスクとリターンの関係性を知っておく

資産運用を行う上で、リスクとリターンの関係性について理解しておくことも重要です資産運用におけるリスクとは、値動きの振れ幅が大きく、リターン(利益)が不確実であることです。リスクには、金融商品の値動きによる価格変動リスク、金利などの変動による金利変動リスク、投資先の国・地域の社会情勢などによるカントリーリスクなどがあります。

リスクとリターンの関係は表裏一体で、一般的にリスクが大きいほどリターンが大きく、リスクが小さいほどリターンが小さいという傾向があります

少額の投資から始める

資産運用が初めての人は、少額から始めることが重要です。例えば、手元に100万円の余剰資金がある場合でも、全額を1つの投資先に投じるのではなく、少額で分散して投資するほうが賢明です

これにより、一部の投資が失敗しても全体の資産への影響を抑え、リスクを軽減することができます。

資産運用の初心者には外貨預金がおすすめ

初心者にとって、資産運用を始めるときの不安は大きいかもしれません。しかし、日本のような低金利環境では、預貯金のみに頼っていると、インフレの影響で資産の実質的な価値が目減りしてしまう可能性があります。適切な資産運用を行い、資産を増やすことが必要です。

初心者には、仕組みがわかりやすくお金の出し入れも比較的しやすい外貨預金がおすすめです。オリコンでは日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。

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