資産運用の方法とは?おすすめの方法や投資の種類、注意点を紹介

資産運用の方法とは?おすすめの方法や投資の種類、注意点を紹介

物価が上昇する一方、賃金の上昇は停滞しており、多くの家庭で経済的な負担が増加しています。不透明な将来に向け、持っている資産の価値が減っていくことへの不安を感じている人も少なくないでしょう。

将来のお金に関する不安を解消するためには、資産を効果的に運用して増やすことが必要です。今回は、資産運用の初心者に向けて、おすすめの運用方法や投資の種類、注意点などを解説します。

資産運用とは資産を効率的に増やすこと

資産運用とは、自分が持っている資産を運用して効率的に増やしていくことです。資産運用の方法は、大きく預貯金投資に分かれます。それぞれの特徴は下記のとおりです。

預貯金

預貯金は、銀行や信用組合などの金融機関にお金を預けて、安全に保管しながら利息を得る方法です預貯金には元本保証があるため、資産が目減りするリスクがないことがメリットです。

しかし、現在の日本においては銀行の金利が極めて低いため、預貯金だけでは資産の増加は期待できません。そのため、預貯金の主な目的は資産を増やすことではなく、資産を守ることにあるといえます。

投資

投資とは、将来的な利益を見込んで、株式や債券、投資信託などの金融商品にお金を出すことです。さまざまな金融商品に資金を分散投資し、価格の上昇や配当、利息によって資産を増やすことが目的です。

投資を行う主なメリットは、預貯金に比べて高いリターンを期待できる点にあります。しかし、金融商品の価値は変動するため、元本が保証されなかったり、価格が下落した場合には損失が出たりするリスクもあります

資産運用をする際には、短期的に必要な生活資金などは預貯金し、余剰資金を投資に回すことが望ましいです。ただし、現在の日本では超低金利状態が続いており、同時にインフレが進んでいることに注意が必要です。インフレで物価が上昇すると、その分お金の実質的な価値が下がります。

つまり、資産の多くを預貯金として保有していると、手持ちの資産が目減りするリスクがあるのです現代の日本では、投資を積極的に行い、資産を守りながら増やしていく必要があるといえます。

資産運用には当面使わない資金を使う

投資に回せるのは、「当面使わない資金」に限られます。自己資産を「生活に必要な資金」「近い将来使う資金」、そして「当面使わない資金(余剰資金)」に分けて考えましょう。

生活に必要な資金には食費や家賃、光熱費、緊急時に備えた予備費などが含まれ、近い将来使う資金には子供の教育費や結婚式の費用、旅行費用などが該当します。

こうして分類した後、当面使う予定のない余剰資金を投資に回すことをおすすめします。余剰資金で投資をし、一定の生活費や予備費を預貯金や現金で確保しておくことによって、事故や失業といった想定外の事態が起きても慌てずに済むでしょう。
■資産運用における預貯金と投資の割合

資産運用における預貯金と投資の割合

資産運用を行うメリット

資産運用を行うことには、いくつかのメリットがあります。ここでは、主なメリットを3つご紹介します。

複利効果により資産を増やせる

資産運用を行うメリットは、中長期にわたって運用を行うことで、複利効果を利用して資産を効率良く増やせることです。

複利効果とは、投資から得られる利益を元本に加えて再投資し、さらなる利益を生み出すプロセスのこと。複利効果は、投資期間が長ければ長いほど大きくなり、長期的に大きく資産を増やす効果があります。

インフレによる資産の目減りを防げる

インフレによる資産の目減りを防げることも、資産運用を行うメリットのひとつです。

インフレが進むと、預貯金で持つ資産の実質的な価値は低下していきます。これは、物価の上昇により同じ金額で購入できる商品やサービスが減るためです。インフレに強いとされる株式や投資信託、外貨預金などの金融資産に投資を行い、金融商品の利率がインフレ率(物価の上昇度合いを示す指標)を上回れば、資産を増やすことができます

将来のための資金が確保できる


資産運用のメリットは、将来のための資金が確保できることにもあります。早めに資産運用を開始することで、長い時間を味方につけ、将来必要な資金を計画的に形成できます。

計画的に資産運用をすることで、退職後の生活資金や子供の教育費、大きな買い物などに必要な資金を確保しやすくなるでしょう。

資産運用の種類

資産運用の種類

資産運用には、さまざまな種類があります。ここからは、主な資産運用の種類をご紹介します。

預貯金

銀行や信用組合などの金融機関に、預貯金としてお金を預けておくことで、安全に保管しながら利息を得ることができます。

預貯金の最大のメリットは流動性と安全性です。お金をいつでも引き出すことができ、金融機関が破綻した場合でも、預金保険制度によって1人あたり最大1,000万円までの元本と破綻日までの利息などが保証されています。しかし、リスクが低い一方でリターンも低く、現在のような低金利環境では資産を増やすことは期待できないでしょう。さらに、インフレが進行すると実質的な購買力は低下するため、資産の実質的な価値が低下する可能性もあります

株式投資

株式投資とは、企業が発行する株を購入し、購入時よりも株価が上昇したタイミングで売却することによって利益を得る資産運用方法です。株式を保有することで、株価の上昇だけでなく、配当金の受け取りも期待できます。また、株主優待として、特定の商品やサービスなどを受け取れる場合があることも魅力のひとつです。

しかし、株価は市場の需給バランスや経済情勢、企業の業績など多くの要因によって日々変動し、価格が減少するリスクを常に抱えています。そのため、株式投資を行う際には、市場分析や企業研究など、十分な事前調査とリスク管理を行う必要があります

投資信託

投資信託とは、資産運用のプロが多くの投資家から集めた資金をさまざまな金融商品に投資し、運用する方法です。投資家は、出資額に応じて利益の分配を受けることができます。

投資信託のメリットは、個々の投資家が銘柄選定や売買タイミングを判断する必要がないことです。また、少額から投資できるため、知識の浅い初心者にとっても始めやすい資産運用方法だといえます

ただし、投資信託には手数料がかかることには注意が必要です。また、投資信託によっては換金のタイミングに制限がある場合があるため、事前に確認しておきましょう

投資信託については、下記の記事をご覧ください。
外貨預金と投資信託はどっちがいい?初心者向きの投資とは

外貨預金

外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロなどの外貨に換えて預金する資産運用方法です。円安時に外貨を購入し、円高時に日本円に戻すことで、為替レートの変動を利用して利益を得ることができます。

例えば、1米ドル=100円のときに100万円を米ドルに交換して預金し、1米ドル=150円のときに円に交換すれば、50万円の利益を得ることができます。

また、日本と比較して外国の金利は高い傾向があるため、より多くの利息収入を期待できるのもメリットです。

しかし、円高が進んだ場合は、元本割れのリスクもあります。さらに、外貨預金は元本保証がないため、金融機関が破綻した際には、日本円の預貯金のような保護を受けられない可能性がある点にも注意が必要です

外貨預金をする上で金融機関やサービス選びに迷った際には、オリコン顧客満足度ランキングをはじめとする、比較サイトを参考にしてください。「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」では、手数料や金利、入出金のしやすさなど、さまざまな観点から外貨預金を比較検討していただけます。

【最新】外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング

国債

国債とは、政府が資金調達を目的に発行する債券で、投資することで一定期間後に利息と共に元本が返済される資産運用方法です。

国が発行主体で元本保証があるため、安全性が高いとされています。投資においてリスクを極力避けたい初心者や、安定した運用を求める人におすすめです。ただし、その分リターンは限定的で、大きな利益を期待するのは難しいかもしれません

不動産投資

不動産投資とは、不動産を購入して貸し付けることで家賃収入を得たり、売却して利益を得たりする資産運用方法です。適切な物件を選定し、効果的に運用することで、安定した収入源となる可能性があります。

しかし、不動産を取得する際には多額の資金が必要なため、すでにある程度の資産を持っている人向けの資産運用方法だといえます。また、思うように入居者が集まらず、期待した家賃収入が得られないリスクがあることも覚えておきましょう

不動産投資のほかの方法としては、複数の投資家から集めた資金で不動産への投資を行い、運用益を投資家に分配する「REIT(不動産投資信託)」という選択肢もあります。

ETF(上場投資信託)

ETFは、証券取引所に上場している投資信託のことです。株式のように証券会社を通じて証券取引所に買い付けや売却の注文を出すことから、証券取引所が開いている時間中はいつでも取引ができ、価格もリアルタイムで確認することができる点が特徴です

しかし、ETFは上場している投資信託に限られるため、非上場の投資信託と比較すると、選択できる商品の範囲や種類が限定されるというデメリットもあります

FX

FXとは、異なる通貨を売買してその価格差から利益を得る方法です。投資家は最初に少額の証拠金と呼ばれるお金を預けることで、その金額の数倍にも及ぶ大きな金額の取引を行うことが可能です。少ない資金で大きな取引が可能になり、それによって大きな利益を得るチャンスがあります。

少額の資金でも高いリターンが期待できる一方、大きな損失が出る可能性もあるハイリスク・ハイリターンな資産運用です投資の知識と経験がある人向けの資産運用方法だといえるでしょう

FXについては、下記の記事をご覧ください。
外貨預金とFXはどう違う?比較した際のメリット・デメリットとは

暗号資産(仮想通貨)

暗号資産(仮想通貨)とは、インターネット上で取引される通貨のことで、国や金融機関といった発行主体や管理者がいないことが特徴です。価格の変動が激しく、短期間で大きな利益を生む可能性がある一方で、価格が急落して大きな損失を招くリスクもあります。

さらに、取引所がハッキングに遭ったり個人のウォレットが不正アクセスの対象となったりすると、最悪の場合資産を失うこともあります投資経験が少ない初心者にはあまりおすすめできない方法です

金投資

物理的な金を購入して資産とする運用方法もあります。金は、世界情勢や経済の変化が起きても価値が下がりにくいため、「有事の金」とも呼ばれています。信用度が高く、世界中どこでも換金が可能です。

ただし、現物資産であるため、設備費用や管理費用などのコストがかかる点には注意が必要です。

資産運用をする際に活用したい制度

資産運用をする際には、「NISA」や「iDeCo」などの税制優遇制度を賢く利用しましょう。各制度の特徴は下記のとおりです。

NISA

NISA(少額投資非課税制度)とは、投資から得られる利益について、一定額まで税金が免除される制度です。この制度を利用することで、株式や投資信託などの運用益に対する税金が軽減され、結果として手元に残る利益が増えます。資産運用を始める上で魅力的な制度だといえます。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自分で決めた額の掛金を積み立てて運用し、60歳以降に受け取ることができる制度です。運用益が非課税になるため、長期的な資産形成がしやすいことがメリットです。また、掛金は所得控除の対象となるため、所得税や住民税の節税にもなります。

ただし、掛金には職業や収入によって限度額が決められており、際限なく積み立てることはできません。また、積み立てた資金は原則として60歳まで引き出せないことも覚えておきましょう

資産運用を始める方法

資産運用は、実際どのように始めればいいのでしょうか。資産運用を始めるためのステップをご紹介します。

1. 資産運用の目的と目標金額を明確にする

資産運用を始める最初のステップは、目的をはっきりさせることです。老後資金や子供の教育費用、住宅購入、旅行など、何のために資金を増やしたいのかを明確にしましょう。目的が明確であれば、それに応じた運用方針や目標金額を設定しやすくなります。

2. 投資に回せる金額を把握する

次に、投資に回せる金額がいくらなのかを洗い出します。投資は、資金から生活費や近い将来使う資金を差し引いて残った余剰資金で行うのが基本です。

余剰資金が限られている場合は、毎月定額を積み立てて投資する「積立投資」がおすすめです。投資資金を給料から先に確保し、残りを生活費にあてれば、無理なく継続的に投資を行うことができます。

3. 金融資産の組み合わせを決め、ポートフォリオを組む

投資する金融資産の組み合わせを決め、ポートフォリオを組みます。ポートフォリオとは、自分が保有する(もしくは保有を予定している)金融資産・金融商品の組み合わせや比率のことです。

金融資産には株式や債券、不動産などさまざまな選択肢があり、それぞれリスクとリターンの度合いは異なります。投資に回せる余剰資金の金額やとれるリスクの度合い(リスク許容度)のほか、資金が必要になる時期を考慮して選ぶことが大切です。
例えば、長期的な運用でリスクをとれる場合は株式や投資信託が、安全性を求めるなら国債や社債などが適しているかもしれません。また、投資の知識や経験などに応じて、自分で投資を行うか、専門家に任せるかなども決めます。

ポートフォリオの作り方については、下記の記事をご覧ください。
資産運用のポートフォリオとは?正しい考え方・作り方を解説

年代別・おすすめの資産運用方法

年代別・おすすめの資産運用方法

資産運用は、年代やライフステージに合った方法をとることが大切です。ここからは、年代別におすすめの資産運用方法をご紹介します。

20〜30代:複利効果を活かし数十年かけて資産を増やす

20〜30代の人は、長い時間を利用して資産を着実に増やすことができます。資産運用で得た利益を再投資してさらに利益を得る「複利効果」を活かし、数十年かけて資産を育てていきましょう。税制上の優遇を受けられるNISAやiDeCoを利用して、投資信託などから投資を始めることをおすすめします。

徐々に資産が増えてきたら、株式や外貨預金にも手を広げ、積極的な運用に挑戦するのもひとつの手です。

40〜50代:預貯金と投資のバランスが大切

40〜50代は、教育費用や住宅ローン返済など、大きな支出が多い時期です。安定した収入を得つつも、リスク管理をしっかり行いながら資産を増やしていく必要があります。

急な出費に備えてある程度の預貯金を持ちつつ、自分の資産額やリスク許容度に応じた運用方法で資産を増やしましょう。また、老後に備え、iDeCoなどを利用して節税しながら資産形成を行うことも重要です。

60代以降:安全性の高い資産運用で老後資金を守る

60代以降は、資産の安定性を最優先に考え、長期・分散・積立を意識した投資を行うことが大切です。退職金などでまとまった資金を確保しても、それを特定の金融商品に集中的に投資するのはリスクが高いので避けましょう。

リスクを最小限に抑えたい人は、元本が保証され、安定した利益が見込める定期預金や債券などがおすすめです。

資産運用をする際の注意点

資産運用をする際には、いくつか注意しておきたい点があります。具体的には、次の4点に注意して取り組みましょう。

少額から始める

資産運用は、少額から始めましょう。資産運用は、大きなリスクを伴うこともあります。最初は少額から始め、運用の経験を積んで学びながら資産を増やしていくことが重要です。

余剰資金で始める

資産運用は、生活資金や緊急時に必要な資金を除いた余剰資金で行いましょう。使えるお金をすべて投資につぎ込むと、突然の失業や事故などに備えることができません。

生活に与える影響を最小限にするため、ある程度の現金は手元に残しておくことが重要です。

長期運用をする

資産運用は時間をかけて行いましょう。資産運用は、一夜にして大きな利益を得ることは難しく、長期的な視点が必要です。長期運用によりリスクを分散し、複利の力を利用して徐々に資産を増やすことが理想的です。

資産の分散をする

分散投資をすることも心掛けましょう。すべての資金を1つの投資先に集中するのではなく、さまざまな金融資産や金融商品に分散して投資することで、リスクを軽減できます。市場の変動による影響を受けにくくするためにも、分散投資は重要です。

自分に最適な方法で資産運用をしてみよう

資産運用にはさまざまな方法がありますが、低金利環境かつインフレが続く日本においては、「投資」で資産を守り増やすことが重要です。リスクとリターンがそれほど大きくない資産運用方法であっても、時間を味方につければ将来的に資産を大きく増やせる可能性があります。

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