資産運用の種類・特徴がわかる!初心者向けの制度や注意点も解説

資産運用の種類・特徴がわかる!初心者向けの制度や注意点も解説

資産運用に興味を持ちつつも、資産運用の方法や始め方について迷いや不安がある人も多いでしょう。特に初心者にとっては、資産運用の一連のプロセスを理解して実行することが難しく感じるかもしれません。

今回は、代表的な資産運用の種類やその特徴のほか、初心者向けの税制優遇制度についてわかりやすく解説します。年代ごとの注意点や、資産運用について注意しておきたいポイントにもふれていますので、ぜひ参考にしてください。

資産運用とは手持ちのお金を効率的に増やすこと

資産運用とは、自分が持っているお金を運用して効率的に増やすことです。まずは、資産運用と投資・預貯金の違いや、資産運用が必要な理由などを解説します。

主な資産運用方法は預貯金と投資の2種類

資産運用とは、手元にある資産を「預貯金」や「投資」によって増やすことを指します。資産運用と聞くと投資を連想する人も多いかもしれませんが、投資は資産運用の手段のひとつです。預貯金も、銀行にお金を預けて時間が経過することにより得られる利息によって、資産が増加する資産運用の一種といえます。

しかし、現在の日本では超低金利が続いており、預貯金だけでは資産の増加が見込めない状況です。日本の普通預金の平均年利率は0.001%(※)であり、100万円を預けても1年間で得られる利息はわずか10円という状況です。こうした背景から、より積極的な資産運用の手段として投資が注目されています。

※日本銀行金融機構局「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について

資産運用で得られる収益

資産運用で得られる収益には「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」があります。自分の戦略に合わせた収益の種類を選びましょう。

インカムゲイン
インカムゲインとは、資産を保有することによって得られる収益のことです。投資信託の分配金や株式の配当、債券の利息などはインカムゲインの一例です。インカムゲインは支払い時期があらかじめ決められており、収益を得るには支払い時期に資産を保有している必要があります

キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、資産を売買することによって得られる収益のことです。株式や投資信託のほか、不動産、暗号資産(仮想通貨)などを売買して得られた収益がキャピタルゲインに該当します。キャピタルゲインはインカムゲインと比べてリスクが高い反面、得られる収益も大きくなりやすいのが特徴です。

代表的な資産運用の種類

資産運用には多種多様な方法がありますが、ここでは代表的な方法をご紹介します。主な資産運用の種類は次のとおりです。

預貯金

銀行など金融機関の口座に預貯金としてお金を預ければ、利息を得ることができます。手持ちの資産額が少なくても始められることに加え、預金保険制度によって一定の範囲内で預けた資金が保護されるなど、安全性が魅力です。

ただし、預貯金の金利は低い状態が長年にわたって続いており、高いリターンは期待できません。また、物価が上昇するインフレ(インフレーション)の際にはお金の価値が相対的に下がるため、預貯金で持っている資産も相対的に目減りするおそれがあります

外貨預金

外貨預金は、日本円を米ドルやユーロなどの外貨に換えて預け入れる資産運用方法です。日本の超低金利に対し、外貨であれば比較的高い利息がつくため、より高い収益を期待できます。また、円高時に外貨を購入し、円安時に換金すれば、為替差益(為替レートの変動により生じる利益)を得られることも魅力です。

しかし、外貨預金にはリスクも存在します。為替レートの変動は予測が難しく、円高に振れた場合は損失が出るリスクがあります。また、外貨預金の金利が変動する可能性もあり、投資した時点での金利と将来受け取る金利が異なる場合があるため注意が必要です

外貨預金をする上で金融機関やサービス選びに迷った際には、オリコン顧客満足度ランキングをはじめとする、比較サイトを参考にしてください。「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」では、手数料や金利、入出金のしやすさなど、さまざまな観点から外貨預金を比較検討できます。

【最新】外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング

株式投資

株式とは、企業が資金調達の際に発行する有価証券のことです。株式を購入することで、企業の業績に応じて配当金や株主優待を受け取ったり、株価が上昇した際に売却して利益を得たりすることが可能です。

しかし、株式投資にはリスクもあります。投資先の企業が経営不振に陥った場合、株価が下落し、最悪の場合には投資した資金を失うこともあります。リスクを十分理解した上で、自分のリスク許容度(どれほどのリスクをとることができるか)に応じて投資を行いましょう。

投資信託

投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を金融の専門家が運用し、利益を投資家に分配する仕組みのことです。少額から投資を始められるほか、銘柄などを自分で選ぶ必要がないことから、初心者にも始めやすい運用方法です。

ただし、投資信託には元本保証がないため、運用実績によっては損失が出るリスクもあります。さらに、投資信託は運用成績に応じて手数料や信託報酬が発生し、収益に影響を与えることも覚えておきましょう

投資信託については、下記の記事をご覧ください。
外貨預金と投資信託はどっちがいい?初心者向きの投資とは

債券投資

債券は、国や地方自治体、企業などが資金調達の目的で発行する有価証券です。国が発行する国債や、企業が発行する社債のほか、外国の国や企業が発行する外国債券などがあります。値動きの激しい株式などと比べると利回りが安定しており、償還日(お金を返す期限日)を迎えると元本と利息が返還されるため、比較的リスクが低い資産運用方法です。

安全性が魅力の債券ですが、リスクがないわけではありません。発行元が経済的な困難に直面した場合、利息の支払いが遅延したり、元本が失われたりする可能性もあります

貯蓄型保険

貯蓄型の保険である終身保険や学資保険、個人年金保険といった商品を活用して資産運用をすることも可能です。保険会社が保険料を運用し、契約満期時や特定の条件下での解約時に、契約者へ運用益を含む金額を返還します。保険料のうち一定額までは所得控除が受けられることから、節税効果を得られるというメリットもあります。

一方で、満期を迎える前に解約した場合には、払い込んだ保険料よりも解約返戻金が少なくなる可能性も。長期の運用を前提とした資産運用であることを覚えておきましょう。

不動産投資

不動産投資は、アパートやマンションなど賃貸用の物件を取得し、家賃収入を得る資産運用方法です。物件を1棟丸ごと購入することもあれば、物件のうち1室単位で購入するケースもあります。

入居者が安定的に確保できれば毎月一定の収入が見込めますが、空室が生じると家賃収入が減ってしまいます。また、不動産の購入にはまとまった資金が必要なため、すでにある程度の資産を持つ人向けの運用方法といえるでしょう

FX

FX(外国為替証拠金取引)とは、外貨を別の通貨に交換することで差益を得る運用方法です。「証拠金」と呼ばれるお金を担保に取引を行い、自己資金の何倍もの金額で取引することが可能です。
少額の資金でも高いリターンが期待できる反面、大きな損失が出る可能性もあることから、ハイリスク・ハイリターンな資産運用といえます。投資に関する知識が浅い初心者には、あまりおすすめできない運用方法です。

FXについては、下記の記事をご覧ください。
外貨預金とFXはどう違う?比較した際のメリット・デメリットとは

ETF

ETF(上場投資信託)は、証券取引所に上場している投資信託のことで、株式のように証券取引所を通じて売買をすることができます。また、24時間取引ができ、リアルタイムで値動きを確認できる点が特徴です。

ただし、ETFは上場している投資信託のみが対象であるため、投資信託と比べて商品の数や種類が限られるというデメリットもあります

暗号資産(仮想通貨)

暗号資産(仮想通貨)とは、インターネット上で取引される通貨で、国や金融機関といった発行主体や管理者が存在しないことが特徴です。価格の変動が激しく、短期間で価格が大きく跳ね上がる可能性がある一方で、急激な下落が起こることもあり、ハイリスク・ハイリターンな運用方法だといえます

また、取引所がハッキングされたり、個人のウォレットが不正アクセスを受けたりすることで、資産を失うリスクがあります資産運用の初心者にはあまり適した方法とはいえないでしょう

金投資

金を購入し、資産運用をするという方法もあります。金は一般的に景気の影響を受けづらく、世界情勢の変化や経済危機が起きても急激に価値が下がったり、無価値になったりするリスクがほとんどないことがメリットです。

ただし、金も為替などの影響で常に価値が変動していることは理解しておく必要があります。また、盗難のリスクに備えるための設備や管理費用などにコストがかかります

資産運用する際に利用したい税制優遇制度

資産運用する際に利用したい税制優遇制度

資産運用する際には、税制優遇制度を利用するのがおすすめです。具体的には、NISAiDeCoなどを活用することで、資産運用のリスクを抑えつつ節税効果が得られます。それぞれの特徴を解説します。

NISA

NISA(少額投資非課税制度)は、株式や投資信託を利用して得た売却益や配当金について、特定の条件を満たす場合に税金が免除される制度です。通常であれば、これらの収益には約20%の税金が課せられますが、NISA口座を通じて投資を行うことで非課税となります。ただし、非課税となる投資額には上限が設定されています

2024年から導入された新NISA制度では、以前の制度に比べて年間で投資できる金額が増えました。さらに、資産の非課税保有期間も無期限に延長され、より柔軟で長期的な資産運用が可能です。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、加入者がみずからの判断で掛金の額や投資先を選択し、将来のために資金を積み立てる私的年金制度です。この制度を利用することで、掛金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税の節税効果が期待できます。

また、iDeCoの口座内での運用益は非課税とされており、税制上の優遇を受けながら資産形成を行うことが可能です。iDeCoは最低5,000円からの掛金で始めることができ、柔軟に掛金額を設定することができます。

しかし、iDeCoは長期的な資産形成を目的としているため、原則60歳まで資金を引き出すことができません。老後資金を計画的に準備したい人に適した制度だといえます。

年代別・資産運用のポイント

資産運用を行う際には、個人のライフステージや将来の目標に合わせた戦略が必要です。特に年齢は、リスク許容度や投資期間、目的などを考える上で大切な要素です。ここでは、各年代に応じた資産運用のポイントを紹介します。

20代:長期的な視野でコツコツ資産を増やそう

比較的自由に使えるお金が多い20代は、資産運用を始めるのに適した時期です。20代は収入が比較的限られているかもしれませんが、長期的な視野で資産を増やすことが可能です。NISA、iDeCoなどの制度を利用して、リスクの低い資産運用から始めることをおすすめします。少額からコツコツと資産を増やしていく中で、投資に関する知識も自然と身につきます。

将来的に少しずつ余剰資金が貯まるようになったら、もう少しリスク許容度の高い資産運用にも挑戦できるでしょう。

30〜40代:生活費に影響が出ない範囲でリスクを抑えた資産運用を

30〜40代では、家族の生活費や子供の教育費など、出費が増える時期です。したがって、リスクを抑えつつ安定した投資を心掛けることが大切です。

バランスのとれたポートフォリオを構築し、余剰資金を賢く運用しましょう。リスクの高い資産運用方法は避け、安定して利益をもたらす方法を選ぶことをおすすめします

50〜60代:長期・分散投資で老後に備える

50〜60代になると、老後資金の不安を感じる人が多いですが、だからといって大きなリスクをとることはおすすめしません。あくまでも長期・分散を心掛け、無理のない資産運用をすることが大切です。

投資の経験があり、余剰資金が豊富な人は、一部の資金を株式投資などに回してより積極的な資産運用をするのもいいでしょう。自分のリスク許容度の範囲内で資産運用することをおすすめします。

60代以降の人は、退職金などを賢く運用し、定期預金や国債など、安全性の高い投資先を選ぶことをおすすめします。

資産運用をする際の注意点

資産運用をする際の注意点

初心者が資産運用を始めるにあたって、いくつか注意しておきたい点があります。具体的には、次の3点を押さえて取り組みましょう。

資産運用の目的や目標額を決める

資産運用を始める際には、まず目的を明確にし、達成したい目標額を設定することが重要です。運用目的は、子供の教育資金の準備や老後資金の準備など、人それぞれ異なります。目標額を決めることで、必要な投資額や運用期間を決めることが可能です。

資産運用の際には、自分のライフステージや金融知識、リスク許容度などを考慮し、無理のない範囲での投資を心掛けましょう。

長期・分散・積立投資をする

資産運用で成功を収めるための基本原則は「長期・分散・積立」です。この原則に従うことで、リスクを抑えつつ、資産を着実に成長させることができます。長期・分散・積立の意味は下記のとおりです。

長期投資
長期投資とは、短期的な市場の変動に左右されず、長期的な視点で投資を行うことで、安定した成長を目指す資産運用方法です。長い時間をかけることで、複利の力を最大限に活用できます。

分散投資
分散投資は、すべての資金を1つの投資先に集中させるのではなく、複数の資産や地域などに分散して投資することで、リスクを分散する資産運用方法です。一部の投資先が不振でも、全体の資産に大きな影響を与えずに済みます。

積立投資
積立投資は、毎月一定の金額を積み立てることで投資先や時間を分散させ、価格変動のリスクを軽減する資産運用方法です。市場の短期的な変動の影響を受けにくいことがメリットです。

余剰資金で行う

資産運用は余剰資金で行います。日々の生活費や緊急時のために確保しておくべき資金を投資にあてるのは避けるべきです。投資には一定のリスクが伴い、市場の変動によっては元本を割るリスクもあるからです。

余剰資金があまりない場合には、月々の出費を見直し、毎月少しでも投資に回せるお金を確保しましょう。小さな額からでも投資を始めることができる積立投資のような商品を選ぶことで、リスクを最小限に抑えつつ、着実に資産を増やしていくことができます。

自分に合った資産運用の種類を見つけよう

資産運用にはさまざまな種類があるため、自分の知識やリスク許容度に合った方法を選ぶことが大切です。資産運用の基本が理解できたら、まずは少額から挑戦してみることをおすすめします。

初心者には、仕組みがわかりやすくお金の出し入れも比較的しやすい外貨預金がおすすめです。オリコンでは日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。

【最新】外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング

外貨預金オリコン顧客満足度ランキング

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

当サイトで公開されている情報(文字、写真、イラスト、画像データ等)及びこれらの配置・編集および構造などについての著作権は株式会社oricon MEに帰属しております。これらの情報を権利者の許可なく無断転載・複製などの二次利用を行うことは固く禁じております。