独身女性の老後資金はいくら必要?年金受給額や資金の準備方法を解説

独身女性の老後資金はいくら必要?年金受給額や資金の準備方法を解説

人々の生き方や価値観が多様化している現代においては、独身でいるのも結婚するのも人それぞれという考え方が定着しつつあります。独身の女性がいずれ定年退職を迎え、老後生活を送るにあたって、備えておきたいことのひとつがお金です。

今回は、独身女性が老後に必要な資金額や、老後の資金源についてわかりやすく解説します。老後に備える上でおすすめの資産運用方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

独身女性が老後に必要な資金は?

初めに、独身女性が老後を迎える際に必要な資金がどの程度なのか、平均寿命や標準的な支出などをもとに解説します。必要となるおおよその資金をイメージしましょう。

女性の平均寿命

厚生労働省が公表した「令和4年簡易生命表の概況」によれば、女性の平均寿命は87.09年です。仮に65歳で定年退職する場合、老後の期間は平均22年以上に及びます。老後資金について考える際には、1ヵ月の支出をもとに1年分の生活費を算出した上で、老後の期間に必要なトータルの資金を計算しておく必要があるでしょう。

65歳独身女性の1ヵ月の消費支出

総務省の調査によると、65歳独身女性の平均的な消費支出は、1ヵ月あたり15万円程度です。平均的な消費支出の内訳を見ていきましょう。
■65歳独身女性の1ヵ月の平均的な消費支出

項目

金額

食料

3万9,362円

住居

1万2,849円

光熱・水道

1万4,417円

家具・家事用品

6,502円

被服及び履物

4,054円

保健医療

8,271円

交通・通信

1万4,262円

教養娯楽

1万4,622円

そのほかの消費支出

3万3,690円

合計

14万8,028円

※総務省統計局「家計調査 家計収支編 第2表 男女年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出 2023年
住居費は持ち家の人と賃貸の人の平均値であると考えられるため、定年後に賃貸住宅で暮らす場合は支出がより多くなる可能性があります。また、旅行や美容などの趣味を楽しみたい場合には、別途費用がかかるでしょう。

このデータを見ると、イメージしたよりも消費支出が少ないという印象を受けるかもしれません。しかし、老後の資金源は限られており、現在と同程度の収入を得られるかは不透明です。老後は収入の事情が大きく異なる可能性を念頭に、老後資金の準備を進めることが大切です。

生活費以外に必要な費用

老後に必要な資金が人によって異なる要因として、生活費以外の費用の有無が挙げられます。
例えば、定期的に病院に通ったり薬を購入したりする場合には医療費が高額になる可能性があります。また、介護が必要な状況になれば、毎月の介護サービス費用や、住宅に手すりをつけるなどの工事費用がかかる場合もあるでしょう。さらに、自分自身が亡くなったときのために、葬儀費も用意しておくことが望ましいです。

このように、老後は生活費以外にもさまざまな費用がかかることを踏まえて、資金計画を立てる必要があります。

独身女性の老後の資金源

独身女性の老後の資金源

独身女性にとって老後の資金源は、主に「年金」「預貯金」「退職金」「資産運用したお金」に分けられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

年金

定年後の重要な資金源のひとつが年金です。65歳以上の女性の場合、公的年金(国民年金と厚生年金)の平均受給額は10万9,165円です(※)。会社員の場合、厚生年金と国民年金(基礎年金)の両方が受給できるため、ひと月あたり11万円弱を受け取れることになりますが、前述のとおり平均的な生活費が15万円程度かかることを踏まえると、必要最低限の生活資金もまかなえない可能性があると考えていいでしょう。また、フリーランスなど国民年金のみ受給する人の場合、公的年金だけでは生活資金が大幅に不足する可能性が高いと考えられます。

また、年金の受給額は年々下がっており、将来的に年金を受け取る際には現在と同じ水準の金額は期待できません。さらに、インフレで物価が上がった場合には「マクロ経済スライド」という仕組みによって年金額が調整されるものの、物価の上昇幅ほどには年金が増えることは期待できない状況です。
年金の財源は現役世代が納付する保険料によってまかなわれているため、少子高齢化が急速に進む日本においては、公的年金だけを頼りに老後の生活設計を立てるのはリスクが高いといえます。

※厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

預貯金

老後の資金源には現金による蓄え、つまり預貯金も重要です。2023年における単身世帯の資産保有額の平均は941万円で、このうち預貯金は408万円です(※)。ある程度の現金を用意しておくことで、急な出費に対応することができます。
例えば、急な入院や冠婚葬祭、住宅の修繕費など、まとまったお金が必要になることも想定されます。預貯金をしておくことで、急な出費があっても落ち着いて対応することができるでしょう。

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和5年調査結果

退職金

勤務先に退職金制度がある場合は、定年退職時に支払われる退職金も頼れる資金源となるでしょう。ただし、退職金制度の有無や受け取れる金額は、企業規模や勤続年数などさまざまな要因によって異なります。
大企業で新卒から定年まで勤務した場合、退職金として2,000万円程度を受け取れる場合もあります。一方、退職金制度がない職場であれば、自分で老後資金を形成しなければなりません。

勤務先の就業規則や賃金規則を確認し、退職金のおおよその金額を把握しておくことをおすすめします。中途採用で入社した人の場合、入社時の年齢によっては退職金が想定よりも少ないケースもあるため、不明点があれば人事部門や総務部門などに確認しておくと安心です。

資産運用したお金

年金や預貯金、退職金で老後資金が不足するようなら、資産運用によって老後資金を形成することをおすすめします。資産運用は大きく分けて、「預貯金」「投資」の2種類があります。
前述の預貯金も資産運用の一種ではあるものの、日本では長年にわたり低金利が続いており、預貯金のみで資産を増やすのは現実的とはいえません。積極的に資産を増やすなら、投資も視野に入れましょう。

一方で、資産運用には非常に多くの種類があります。中にはリスクが高いものや、初心者にとっては仕組みがわかりにくいものもある点には注意してください。投資が初めての方にとって仕組みがわかりやすく、リスクが高すぎない方法で資産を運用していくことが大切です。

おすすめの資産運用方法

おすすめの資産運用方法

続いては、独身女性が老後資金を準備する上で、おすすめの資産運用方法を紹介します。それぞれのメリットと向いている人の特徴を見ていきましょう。

NISA

NISAとは、株式や投資信託などの金融商品に投資をした際に、利益の一定額までが非課税となる制度です。

NISAには「つみたて投資枠」「成長投資枠」の2種類があり、それぞれ年間で投資できる金額や投資対象商品などが異なります。つみたて投資枠と成長投資枠の違いは、下記のとおりです。
■NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の違い
つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
非課税保有期間 無期限
非課税保有限度額 1,800万円
(うち成長投資枠は1,200万円まで)
投資対象商品 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 上場株式、投資信託など
※一部除外商品あり
対象年齢 18歳以上
少額から投資を始め、長期間かけて着実に資産を増やしていきたい人はつみたて投資枠、短期間で目標金額まで資産を増やしたい人には成長投資枠が向いています。つみたて投資枠と成長投資枠は併用することもできますが、非課税で保有できる限度額は合わせて1,800万円までです(このうち成長投資枠は1,200万円まで)。

iDeCo

iDeCoとは、任意の金額の掛金を自分で運用し、資産を形成する私的年金制度です。掛金は5,000円から始められます。運用で得た利益が非課税になるほか、掛金は全額所得控除となり、所得税や住民税が節税できます。

前述のNISAとの大きな違いは、NISAで投資したお金はいつでも引き出せる一方、iDeCoの掛金と運用益は原則60歳になるまで受け取れない点。公的年金に上乗せして受け取れる個人年金を準備しておきたい人や、老後資金の準備に特化した資産運用をしたい人におすすめです。

貯蓄型保険

万が一に備えながら貯蓄もできる、貯蓄型保険で資産運用をする方法もあります。具体的には、終身保険や養老保険、個人年金保険などです。
終身保険は解約するまで一生涯死亡保障が続きます。養老保険は満期を迎えるまで死亡保障や高度障害保障が適用されることに加え、満期が来ると死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れます。個人年金保険は、老後に備えるための私的年金保険です。

ただし、いずれも保険料の払込期間中に解約すると、元本割れを起こす可能性がある点に注意が必要です。貯蓄型保険は、老後資金や自分が亡くなったときの葬儀費用などを準備しておきたい人に適しています。

投資信託

投資信託は、多くの投資家から集めた資金を専門家が運用し、利益を分配する仕組みの金融商品です。少額から投資を始められることに加え、運用をプロに任せられるため、初心者にもハードルが低い投資の選択肢です。

また、投資信託は国内外の株式や債券、不動産など、さまざまな金融商品への分散投資ができるため、1つの銘柄で損失が出ても、ほかの銘柄の利益でカバーすることができます。投資信託には毎月少額ずつ積み立てられる商品もあるため、預貯金以外の方法で資産運用を始めてみたい人にぴったりな方法でしょう。
投資信託については、下記の記事をご覧ください。
外貨預金と投資信託はどっちがいい?初心者向きの投資とは

不動産投資

ある程度の資産を持っている人には、不動産投資もひとつの選択肢となります。不動産投資とは、マンションや土地、一戸建てなどを購入し、賃貸物件として貸し出すことで家賃収入を得たり、価値が上がった際に売却して利益を得たりする方法です。購入時よりも売却時の物件の価値が上がっていれば、資産を増やすこともできます。

ただし、所有している物件の価値が下がれば、損失が出るリスクもあります。一等地など不動産価値が下がりにくいエリアの物件は購入時の価格も高額になりやすいため、資金に余裕がある人向けの資産運用方法です。

株式投資

株式投資で老後資金の準備をするという方法もあります。株式とは、企業が事業に必要な資金を調達するために発行する有価証券のこと。有価証券を購入することで、企業の利益の一部を配当として受け取ったり、株価が値上がりした際に売却したりして利益を得ることができます。

株式投資の目的が老後資金の準備であれば、「長期・積立・分散」の基本に則って、少額ずつ分散投資していくのがおすすめ。株式は投資した企業の業績や社会情勢などの影響を受け、短期間のうちに価格が大きく上下する場合があるため、短期間で利益を出そうとしないことが重要です。

外貨預金

外貨預金とは、米ドルやユーロ、豪ドルなどの外国通貨で預金することです。日本の金融機関よりも金利が高い場合が多く、円安になった際には為替差益(為替レートの変動により生じる利益)を得られる点がメリットです。
また、外貨建て金融商品の中では仕組みがわかりやすく、初心者にもおすすめの資産運用方法といえます。外貨預金を比較したい場合には、「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」をぜひ参考にしてください。

【最新】外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング

独身女性の老後資金を準備するために資産運用を検討しよう

独身女性が老後資金を公的年金だけに頼ると、必要最低限の生活費だけしかまかなえなかったり、資金が足りなくなったりするおそれがあります。老後資金を準備するために、自分で資産運用をすることも検討しましょう。

資産運用にはさまざまな方法がありますが、初心者には、仕組みがわかりやすくお金の出し入れも比較的しやすい外貨預金がおすすめです。オリコンでは日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。

【最新】外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング

外貨預金オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    70.1

    ソニー銀行

  • 2位

    68.9

    住信SBIネット銀行

  • 3位

    67.9

    auじぶん銀行

  • 4位

    67.7

    SMBC信託銀行プレスティア

  • 5位

    67.6

    三井住友信託銀行

  • 6位

    67.1

    SBI新生銀行

  • 7位

    66.9

    楽天銀行

  • 8位

    66.3

    PayPay銀行

  • 9位

    65.9

    三井住友銀行

  • 10位

    65.2

    三菱UFJ銀行

  • 11位

    63.9

    イオン銀行

  • 12位

    63.1

    みずほ銀行

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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