「60歳までに3000万円貯める!」で投資するのは危険 【前編】

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資産運用の“危険な目標設定”とは? マネーに詳しいFPが解説する

 資産運用において、増やしたい金額目標を決めて、投資に取り組むことは無理な運用につながる可能性があり、危険である。計画的に将来のことを考えて資産運用に取り組もうとする場合、「自分が定年を迎える20年後までに、なんとかして3000万円の老後資金を準備したい」と目標金額を決めて投資を始めることが多い。もちろん、退職時期など将来のライフイベントを考えて資産運用に取り組むことは大切なことだが、危険性もある。

 そこで今回は、資産運用の目標設定について考えてみる。なぜ、“目標額を決めて投資に取り組むことが危険なのか”を詳しく解説していきたい。

▼目標金額を決めて投資すると危険な理由

 「早く、少しでも多く資産を増やしたい!」「老後はゆとりある生活がしたい!」これらは多くの人が持つ願いである。ところが資産運用において、この願いは危ない。投資には取り組まずに、貯金だけで老後資金を準備するのであれば、目標金額を決めて計画的に貯蓄することで、目標を達成する可能性が高まる。目標金額の設定が重要ということだ。だが、投資においては目標を設定して取り組むことが逆にリスクになる。

 多くの人は高い目標を掲げてハイリターンを目指すと、どこかに無理のあるプランを策定してしまうもの。自分が夢見るバラ色の未来図に何とか近づけようと、お金を大きく増やせる可能性のある投資対象や、投資方法に取り組むことになる。具体的には、株式などリスクのある資産で運用する資金の比率を高めたり、新興国への投資割合を増やしてしまうのだ。つまり、高い目標を達成しようとして、リスクを取りすぎてしまうことになる。

▼営業マンのカモになる可能性も

 金融商品を販売することが目的となっている営業マンからすれば、こういった発想を上手く利用することで、営業がしやすくなる。このような発想をしている顧客は営業マンのカモになりやすい、ということだ。自分のお金が理想通り増えた幸せな老後を想像することは顧客からすれば楽しいことであるし、「ゆとりある老後のために、60歳でいくらあるといいですよね。この目標を達成する為に多少リスクはありますが、こちらの商品で運用していきましょう」と営業マンに勧められると、「それでお願いします」となってしまう。

 また、資産運用のプロの中にも、目標金額から必要利回りを計算してポートフォリオを決定するようにアドバイスする人がいる。だが、その考え方は危険である。過度なリスクをとって資産を運用していくことになりかねないからだ。

 では、そうならないためにはどうすればいいのか。それはズバリ、逆転の発想をすることだ。「どれくらい儲けたいか」ではなく、「どれくらい損失に耐えられるか」から考えることだ。特に資産運用初心者の場合、この発想が重要になる。後編ではこの「どれくらい損失に耐えられるか」を詳しく解説したい。

<記事/高橋忠寛(ファイナンシャル・プランナー)> 株式会社リンクマネーコンサルティング代表取締役。東京三菱銀行・シティバンク銀行を経てFPとして独立。投資助言業者として資産運用のコンサルティング事業を展開(http://link-money.co.jp/)

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