「個人型確定拠出年金」なぜ普及が進められている? 仕組みとともに解説

なぜ今「個人型確定拠出年金」の普及が進められているのだろうか? [拡大する]

なぜ今「個人型確定拠出年金」の普及が進められているのだろうか?

 最近になって“イデコ”という愛称が付けられたり、CMが流れ始めたりと普及が推し進められている「個人型確定拠出年金」。お得な面が取り上げられることの多い個人型確定拠出年金だが、具体的にどのような点がお得なのだろうか。そこで今回は、個人型確定拠出年金の基本的なポイントと仕組みと、“なぜ普及が進められているか”について、その事情をみていこう。

■3つの優遇税制で効率よく老後資金を準備できる

 個人型確定拠出年金は“節税メリット”が最大の魅力だ。優遇税制は3段階で用意されている。1つ目が拠出時の全額所得控除、2つ目が運用時の運用益非課税、3つ目が受け取り時の公的年金等控除と退職所得控除だ。貯蓄をすれば税金が払い戻され、運用益の約20%の課税もない。節税効果で、「誰もが」「確実に得する」ことができる制度なのだ。

■さまざまな機関が関わり資産は守られる

 次に拠出(積立)後のお金の流れを確認していこう。

 個人型確定拠出年金は金融機関で口座を作り加入するが、この金融機関は窓口となるだけで、実際に加入者のお金に触れるわけではない。掛金は毎月26日(休業日の場合は翌営業日)に口座から引き落とされたのち、信託銀行に移される。信託銀行はお金を一時保管し、引き落としの13営業日後に、投資信託や定期預金など、加入者が指定した金融商品の買い付けをする。そうして、信託銀行からそれぞれの商品へとお金が回っていくのだ。

 資産はそれぞれの商品ごとに守られており、万が一の時にそっくりそのまま無くなる事態を防ぐ仕組みになっている。以下の代表的な金融商品をみてみよう。

【投資信託】
 販売会社、運用会社、受託会社といくつもの会社が関わって運用されているのだが、どの会社が倒産したとしても、年金資産は分別管理されているため、これらの会社の倒産リスクとは切り離されて全額保全される。

【定期預金】
 ペイオフの対象となり、1000万円とその利息までが預金保護機構によって守られる。これは一行につき1000万円までの原則で、確定拠出年金単体での額ではなく、同じ銀行にほかの預金があった場合、合算された上での1000万円だということを覚えておこう。

【生命保険商品】
 生命保険契約者保護機構の対象となり、責任準備金の90%までが補償される。ちなみに責任準備金とは、保険会社が将来支払う保険金や給付金のために積み立てるお金のこと。保険商品に掛けた金額とイコールではない。

■普及が進む理由とは

 加入者の資産は守られ、税金も大きな非課税枠が設定されている制度であることが理解できたのではないだろうか。では、なぜ国は躍起になってこの制度を普及させようとしているのか。

 周知の通り、公的年金の状況は厳しい。企業年金も受給額が確約されているわけではなく、財務状況によってどうなるかわからない。そこで、もし経済が最悪の状況に陥った場合でも、国民が将来困らないよう、政府が老後資産作りにもってこいの制度を用意したというわけだ。「国民の老後は誰も面倒見切れない、自分でしっかり準備せよ」という警告と捉えてもいいだろう。それこそが、私的年金でありながらも強力なバックアアップがある理由なのだ。確定拠出年金普及の裏に込められた重要なメッセージを読み取り、賢く利用したいものだ。

(マネーライター・永井志樹子)

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