犬の手術費用はいくら?主な手術とその相場、高額な治療費に備えるペット保険について解説
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動物病院は自由診療のため病院によって治療費は異なりますが、手術が必要になると、多くの場合は高額な手術費用がかかります。
この記事では、一般的な犬の治療費や手術費用について紹介するとともに、高額負担に備えるためのペット保険についても解説します。犬を飼い始めたばかりの人やペット保険の加入を考えている人は参考にしてください。
監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢
日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
目次
犬の平均寿命の延伸と高額化する医療費の現状
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特に入院や手術が必要になると、治療費が高額になることもあるため、あらかじめ備えについて考えておくことが大切です。
犬の治療費は動物病院ごとに異なる
また、犬の治療費はケガや病気の内容によっても大きく異なるほか、入院・手術を伴う場合は高額になりやすい傾向があります。
医療技術の向上により、さらなる医療費の高額化も
特に、CT(コンピューター断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)などの高度な医療機器を備えた動物病院では、検査や治療にかかる費用が高くなる場合があります。
身体への負担を劇的に減らす「低侵襲手術」のため、従来の開腹手術に比べて痛みが少なく、日帰りできるケースも多い一方、専門の機器や技術が必要なため対応できる病院はまだ限られており、費用も高くなる傾向があります。
また、多方向から放射線を集中させ、腫瘍を強力に攻撃する「定位放射線治療(ピンポイント照射)」は、脳腫瘍や鼻腔内腫瘍など手術が難しい部位にも対応できるうえ、痛みを和らげる緩和的照射としても有効です。
大型の装置と専門スタッフが必要なため、受けられるのは主に大学の動物医療センターなど一部の高度医療施設に限られ、まだまだ一般的ではありませんが、こうした医療技術の向上により、医療費はさらに高額になっています。
犬の手術理由TOP10と症状別の費用一覧
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1位 歯周病/歯肉炎(乳歯遺残に起因するもの含む)
2位 そのほかの皮膚の腫瘍
3位 消化管内異物/誤飲
4位 膝蓋骨(亜)脱臼
5位 外傷(挫傷/擦過傷/打撲)
6位 乳腺腫瘍/乳腺腫瘤
7位 病理学的未定の皮膚腫瘍
8位 全身性の腫瘍
9位 子宮蓄膿症
10位 歯根膿瘍/根尖膿瘍
また「消化管内異物/誤飲」のように緊急対応が必要なケースは、内視鏡や開腹手術などの処置に加え、検査や入院費がかかることで費用が大きくなることもあります。
歯周病/歯肉炎
口臭が気になったり、歯石が付着していたり、歯茎が赤く腫れていたりする場合は、動物病院の受診をおすすめします。
犬の歯垢は数日で歯石に変わると言われているため、できるだけ毎日歯磨きをして歯垢を取り除くことが大切です。
ただし、費用は治療内容によって大きく異なり、歯石除去のみで済む場合は比較的安価ですが、抜歯が必要な場合はその本数や処置の範囲に応じて費用が高くなる傾向があります。
皮膚の腫瘍
良性の腫瘍は進行速度が比較的ゆるやかで、転移などを起こさず全身に悪影響を及ぼさないことが一般的です。
一方、悪性の腫瘍は一般的にがんと呼ばれ、進行速度が速く、周りの組織を破壊しながら増殖していく傾向があります。また悪性の腫瘍は皮膚にできるしこりやイボ、皮膚炎などの症状として現れることもあるため注意が必要です。
気になるしこりを見つけた場合は、動物病院で「細胞診」という検査を受けることができます。細い針を刺して細胞を採取する比較的負担の少ない検査で、腫瘍の種類にある程度の目星をつけることができます。
悪性の腫瘍であれば、外科手術のほか化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療が行われることもあります。犬の皮膚に異常を見つけたら、まずは早めに受診しましょう。
なお、皮膚腫瘍の1頭あたりの年間診療費は中央値で7万円台〜、平均値で8万〜9万円台が目安ですが、腫瘍の種類や大きさ、検査・治療内容によって費用は異なります。
消化管内異物/誤飲
・犬や子供のおもちゃ
・骨や竹串、つまようじ
・乾燥剤
・保冷剤
・ボタン電池
・洗剤
・殺虫剤
・人間の薬
・たばこ
・中毒性のある食べ物(玉ねぎ、チョコレート、キシリトール)
消化管内異物/誤飲の診療費は、処置の内容によって大きく異なります。
誤飲後すぐに受診し、催吐剤(嘔吐を誘発する薬)で吐き出させることができた場合は比較的軽い費用負担で済むこともありますが、内視鏡での摘出や開腹手術が必要になると費用は高額になり、1頭あたりの年間診療費は中央値で11万418円、平均値で14万1,687円にのぼります。
また、異物誤飲は緊急手術や夜間救急での対応になるケースも多く、その場合は時間外料金が加算されることもあります
膝蓋骨(亜)脱臼(パテラ)
一方、頻繁に足を浮かせる、骨の変形が進んでいるといった場合にはグレードを問わず手術が検討されます。
外傷(挫傷/擦過傷/打撲)
ほかに、骨折や事故などによる内臓損傷、眼球の損傷などの場合は緊急手術が必要となることがあります。
乳腺腫瘍/乳腺腫瘤
治療方法は、その腫瘍の種類や進行度合いによって異なりますが、手術による腫瘍の切除を行うことが一般的です。
なお良性であっても将来的に悪性化したり、巨大化して自壊(破裂)したりするリスクがあるため、小さいうちに摘出することが望ましいとされています。
そのため、未避妊の場合は、将来の再発予防や子宮・卵巣の病気予防のため、乳腺腫瘍の手術と同時に避妊手術を行うことが推奨されています。
全身性の腫瘍
なお、1頭あたりの年間診療費は中央値で10万8,146円、平均値で13万7,029円ですが、全身性の腫瘍は種類や進行度、治療内容によって費用の幅が非常に大きく、通院での抗がん剤治療のみであれば1回数万円程度で済むこともある一方、大きな外科手術や長期の入院・複数回の化学療法が必要になってくると数十万円以上になることもあります。
子宮蓄膿症
特に避妊手術を受けていないメスの犬に多く見られ、ふん便中の大腸菌などが膣口から入り込んで感染し、子宮内で増殖することが原因です。
そのため、根本的な原因は「エストロゲン」や「プロゲステロン」などの女性ホルモンの影響によって、感染への抵抗性が弱くなるためと考えられています。
歯根膿瘍/根尖膿瘍
外傷や歯肉炎など歯周病の進行が原因となるほか、硬いものを噛んだときの摩擦で歯髄が露出し、そこから細菌が入り込んで化膿を起こし、膿瘍を形成することもあります。
また、重症化すると骨が溶け、溜まった膿が皮膚を破って眼の下や鼻の周囲などに穴を開けて、膿が出てくることもあります。
なお、1頭あたりの年間診療費は中央値で6万5,130円、平均値で8万313円です。
高額な犬の手術費用に備えるペット保険の必要性
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特に手術を伴う場合は、数万円から数十万円といった高額な費用がかかることもあり、家計への負担が大きくなりやすい点に注意が必要です。
こうした費用負担に備える方法のひとつが、ペット保険への加入です。
健康診断やワクチン接種といった予防医療、避妊・去勢手術などは、原則として補償対象外となるケースが一般的です。また、保険会社や商品によって補償内容や上限額、対象範囲が異なるため、加入前に内容をしっかり確認することが大切です。
愛犬の手術費用が払えないときの対処法
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その前に、まずは払える方法がないか確認することが大切です。支払い方法の相談や各種ローンの活用など、状況に応じて検討できる選択肢はいくつかあります。
■支払いを分割できないか確認する
■クレジットカードで支払う
■お金を借りる
■ペットローンを利用する
■カードローン(フリーローン)を利用する
■助成制度を利用する
犬のケガや病気による手術費用に備えてペット保険の加入がおすすめ
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オリコンでは、日本最大級の規模で実際の利用者による満足度調査を行い、毎年「ペット保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。保険料はもちろん、ペットの種類別や適用内容別など、さまざまな視点でのランキングをご確認いただけますので、ぜひ保険会社選びの参考にしてください。
監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢
日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。
・獣医がん学会
・日本エキゾチックペット学会
・鳥類臨床研究会(鳥類臨床研究会認定医)
・爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会
●まさの森・動物病院
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。