ペット保険とは?補償内容や選ぶポイントを解説
ここでは、現在ペットと暮らしている人や、これからペットを新しく迎える人に向けて、ペット保険とはどのようなものなのか、補償内容や選ぶポイントなどを解説します。保険プランを比較検討する際に、ぜひ参考にしてください。
ペット保険はペットが対象の民間の医療保険
しかし、ペット保険に加入しておけば、高額な医療費の請求を受けても慌てることなく、不測の事態に備えることができるのです。
ペット保険の加入条件
一定の年齢を超えていると、健康診断の受診が必要な場合もあります。また、申込みの際には告知の義務があり、これまでの病歴や健康状態について、嘘偽りなく報告しなくてはなりません。対象となるペットのリスクが高い(高齢で病気にかかりやすいなど)ほど保険料が高くなり、場合によっては加入できないこともあります。
ペット保険の補償の内容
通院補償
入院補償
保険料は高くなりますが、補償される入院日数や上限金額が多い保険を選べば、ペットの入院に対する経済的な不安が解消されるでしょう。
手術補償
ただし、手術補償で補償されるのは、基本的には手術のみにかかる費用であり、手術前後の入院や通院の費用は補償されません。手術前後の通院費用は、手術費ではなく通院費となるので、術後の通院治療が長期にわたる場合、手術費用より通院費用のほうが高くなることもあるので注意してください。
また、手術補償には、回数制限や1回の手術に対する上限金額が設定されていたり、手術の補償対象にならなかったりする症例もあるので、加入前にしっかり確認しましょう。
その他の補償
ペット保険の補償のタイプの違い
フルカバー型と特化型
特化型は補償の範囲が限定される分、フルカバー型に比べて月々の保険料が抑えられるメリットがあります。
3つの補償方式
定額補償は保険金の支払い額が事前に決められており、治療費用がその金額を超えた場合でも支払い額は変わりません。ただし、保険金の支払い額が低いため、保険料が安くなることがあります。
定率補償は、治療費用の一部を補償する割合が事前に決められており、治療費用が高くなるほど、保険金の支払い額も増えますが、その分保険料が高くなる傾向にあります。
また、実費補償は実際にかかった治療費用を全額補償するタイプで、保険料が高くなる場合が多いです。
免責金額の有無
免責金額が設定されている保険は保険料が安くなる傾向がありますが、診療費が免責金額より安ければ保険金が支払われません。ただし、高額になりがちな手術補償があるプランに免責金額が設定されていることが多く、一概に免責金額があるから良くないとは言い切れませんので、よく検討してください。
ペット保険の対象
注意したいのは、一般的にペット保険では、予防目的の行為や健康体に施す処置が対象外となることです。ワクチンを接種していれば防げる病気や予防を目的とした医療行為(ワクチンや健康診断)、去勢・避妊手術、飼い主の過失や故意で生じた病気やケガなどは補償の対象になりません。
一般的に下記のようなものにかかった費用は、補償対象外となるため注意してください。
・既往症や先天性異常
・ワクチンなどで予防できる病気
・保険会社が定める特定の病気
・ワクチン接種など予防に関する費用
・去勢・避妊手術、爪切りなど健康体に施す処置
・飼い主の過失や故意による病気や疾患
・健康食品や医薬部外品の購入、移送費など治療費以外の費用
・自然災害
ただし、対象とする病気やケガは保険会社によって違い、上記に該当しても条件付きで加入できる場合があります。
ペット保険の保険金は?
ペット保険の補償割合は、多くの場合50%か70%に設定されています。50%の場合は、月々の保険料が安く抑えられて続けやすいというメリットがありますが、その分自己負担額が大きくなるデメリットも。
一方、70%の場合、月々の保険料が高額になりますが、高額な治療が必要になっても安心して受けさせられます。
50%のプランに加入して、後に70%のプランに切り替えることもできますが、その場合は再審査が必要になります。反対に、70%のプランに加入して、後に50%のプランに切り替える際は、再審査が不要な場合がほとんどなので、どちらか迷ったら70%のプランを選択しておき、必要に応じて50%のプランに切り替えるといいかもしれません。
また、補償限度額が決まっているケースが多く、手術1回あたりの上限額が決められていることもあります。
なお、補償割合が90%と100%に設定されている保険は多くなく、入院・手術に特化したプランか、がんに特化したプランで採用されているケースがある程度です。
ペット保険はいつから加入する?
年齢条件の例としては、「生後45日以上満7歳以下」「生後120日以上満9歳未満」といった年齢の幅が決まっているタイプや、「満7歳11か月まで」「満13歳まで」といった年齢制限で定められているタイプがあります。事前によく確認しましょう。
ペット保険の加入の必要性
人間と同じように、ペットも高齢になると、病院にお世話になる機会が増えるでしょう。手術や入院が必要になった場合、数十万円の支払いが必要になることもあります。ペット保険に入っておけば、この治療費の50〜70%が補償されるため、安心して十分な治療を受けさせられます。いざ加入しようとしたときに年齢制限にかかってしまう場合もあるため、ペットが若くて元気なうちから準備しておくと安心です。
ペット保険を選ぶ際のポイント
補償開始日を確認する
この待機期間中に発生した病気やケガは補償の対象外となりますので、注意してください。なお、待機期間のない保険商品や、待機期間付帯特約がつけられる保険商品もあります。
請求方法を確認する
窓口精算とは、人間が病院に通うときと同様に、自己負担額だけを動物病院の窓口で支払う方法です。保険会社から発行されたペット保険証を窓口で掲示すると、会計時に補償額が控除されます。煩雑な手続きが不要なので手軽ですが、窓口精算ができるのは保険会社と提携している動物病院のみのため、注意が必要です。
後日精算
後日精算とは、動物病院の窓口でいったん治療費を全額支払い、後日保険会社に申請して、保険会社から保険金を指定口座に振り込んでもらう方法です。保険の対象疾患であれば、どの動物病院でも対応できます。明細書を保管しておかなければならず、手続きの手間がかかること、申請期限があること、場合によっては診断書を提出しなければならないことなどがデメリットといえるでしょう。
なお、専用サイトやLINEなどで手続きを完結できる保険会社もあります。
加入条件や補償内容を確認する
犬や猫の場合、新規加入の上限を7〜12歳程度としていたり、更新上限を8〜12歳程度としていたりすることもあります。必ず年齢の条件を確認しましょう。
・特定疾病に該当しないか
ペット保険には、一度その病気にかかったり、治療歴があったりすると保険を契約できなくなる特定疾病が定められています。特定疾病の範囲は保険会社によって異なり、告知義務(該当する病気にかかった場合、保険会社に告知する義務)が発生する通知期間も異なるのです。参考までに、あるペット保険会社2社が定める特定疾病をご紹介します。
保険会社 | 特定疾病 | 通知期間 |
ペット保険会社A社 | ・悪性腫瘍(摘出住でも病歴の診断があった時点で不可) | 過去6ヵ月以内 |
ペット保険会社B社 | ・脳・神経系疾患 | 過去3ヵ月以内 |
なお、上記以外の病気でも、告知の内容によっては引き受けができない可能性があります。
補償内容は適切か確認する
保険料をシミュレーションする
将来的な状況もシミュレーションして、無理なく続けられる金額を設定してください。
いざというときのためにペット保険の加入を検討しよう
保険会社によってさまざまなプランが用意されているので、保険料や補償内容、請求方法などを調べつつ比較検討し、家庭の経済状況やペットに合った保険を見つけましょう。
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