犬の手術費用はどのくらいかかる?手術の理由や費用について解説
動物病院は自由診療のため病院によって治療費は異なりますが、手術が必要になると、多くの場合は高額な手術費用がかかります。
この記事では、一般的な犬の治療費や手術費用について紹介するとともに、高額負担に備えるためのペット保険についても解説します。犬を飼い始めたばかりの人やペット保険の加入を考えている人は参考にしてください。
犬の平均寿命は年々延びている
愛犬が元気に長生きしてくれるのは非常に喜ばしいことですが、寿命が延びたことで、高齢ならではのケガや病気をしたり、介護が必要になったりするケースも増えています。また、入院や手術が必要になると高額な治療費がかかる場合があるため、注意が必要です。
犬の治療費は動物病院ごとに異なる
なお、手術費用のほかに、初診料や再診料、入院費、薬代などもかかり、費用がかさむこともあります。
医療技術の向上により、さらなる医療費の高額化も
特に、CT(コンピューター断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)などの高度な医療機器が導入されている動物病院では医療費も高くなります。
犬の手術理由のトップは「歯周病/歯肉炎」
1位 歯周病/歯肉炎(乳歯遺残に起因するもの含む)
2位 そのほかの皮膚の腫瘍
3位 消化管内異物/誤飲
4位 膝蓋骨(亜)脱臼
5位 外傷(挫傷/擦過傷/打撲)
6位 乳腺腫瘍/乳腺腫瘤
7位 病理学的未定の皮膚腫瘍
8位 全身性の腫瘍
9位 子宮蓄膿症
10位 歯根膿瘍/根尖膿瘍
歯周病/歯肉炎
これは、犬の歯に付着した歯垢が歯石に変化するスピードが非常に速いほか、歯石には歯垢がつきやすいことが理由です。そのため、口臭が気になったり歯に歯石が付着していたり、歯茎が赤く腫れていたりする場合は、動物病院の受診をおすすめします。
なお、歯周病/歯肉炎の手術は麻酔を用いて行うことが多く、1回あたりの診療費は中央値で5万9,673円、平均値で7万2,701円です。
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そのほかの皮膚の腫瘍
また、悪性の腫瘍は皮膚にできるしこりやイボ、皮膚炎などの症状として現れることがあるため注意が必要です。
悪性の腫瘍であれば、外科手術や化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療などを行います。腫瘍は外から見ただけでは良性か悪性かわからない場合が多いため、犬の皮膚に異常を見つけたときは、早めに受診することが大切です。
なお、そのほかの皮膚の腫瘍の1回あたりの診療費は中央値で7万7,330円、平均値で9万2,011円です。
消化管内異物/誤飲
犬が誤飲したものによっては窒息や中毒症状などの原因となるため、すぐに吐かせるようにしましょう。また、誤飲した当日は無症状でも、数日経ってから中毒症状が起こる場合もあるため、下記のものを誤飲した場合は必ず動物病院を受診するようにしてください。
・犬や子供のおもちゃ
・骨や竹串、つまようじ
・乾燥剤
・保冷剤
・ボタン電池
・洗剤
・殺虫剤
・人間の薬
・たばこ
・中毒性のある食べ物(玉ねぎ、チョコレート、キシリトール)
なお、消化管内異物/誤飲の1回あたりの診療費は中央値で11万418円、平均値で14万1,687円です。
膝蓋骨(亜)脱臼
特に小型犬では子犬の頃から発症する可能性が高く、徐々に進行して歩行に異常をきたすことがあるため注意が必要です。
膝蓋骨(亜)脱臼の原因は遺伝によるものといわれますが、転倒したり高い場所から落ちたりした際にも起こることがあります。歩行中に足を伸ばしたりスキップしたりするといった異変がある場合は動物病院の受診が必要です。
なお、膝蓋骨(亜)脱臼の治療方法は、薬物治療(鎮痛剤や消炎剤)が一般的ですが、根本的な治療を望む場合は外科手術を行うこともあります。1回あたりの診療費は中央値で23万8,786円、平均値で26万1,170円です。
外傷(挫傷/擦過傷/打撲)
ほかに、骨が折れたり事故などにより内臓に損傷が生じたり、眼球が損傷していたりする場合は緊急手術が必要となることがあります。なお、1回あたりの診療費は中央値で15万1,074円、平均値で21万7,494円です。
乳腺腫瘍/乳腺腫瘤
なお、乳腺腫瘍/乳腺腫瘤の1回あたりの診療費は中央値で11万5,390円、平均値で13万5,885円です。
病理学的未定の皮膚腫瘍
犬の皮膚腫瘍には良性と悪性のものがあり、その判断は一般的に見た目だけでは難しいとされています。良性腫瘍は、脂肪腫や腺腫など、悪性腫瘍は肥満細胞腫や扁平上皮がんなどです。特に、扁平上皮がんは爪の根本や口腔内、鼻の先端、耳介にできることが多いといわれています。病理学的未定の皮膚腫瘍の治療方法は、腫瘍の種類や進行度により異なりますが、良性または初期の悪性腫瘍に対しては、手術による腫瘍の摘出が一般的です。手術が困難な場合や腫瘍が進行している場合は、放射線治療や抗がん剤治療が用いられます。
なお、病理学的未定の皮膚腫瘍の1回あたりの診療費は中央値で7万6,010円、平均値で8万7,585円です。
全身性の腫瘍
なお、1回あたりの診療費は中央値で10万8,146円、平均値で13万7,029円です。
子宮蓄膿症
また、子宮蓄膿症は、発情周期に関連して子宮蓄膿症が起こりやすい時期があることや、性ホルモンの投与などでも発症することがわかっています。そのため、根本的な原因はエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの影響によって、感染への抵抗性が弱くなるためと考えられています。なお、陰部から膿や血が出ていたり、腫れていたりする場合は動物病院を受診してください。
子宮蓄膿症は、基本的に外科手術で膿が溜まった子宮を摘出し、場合によっては卵巣を摘出します。1回あたりの診療費は中央値で14万8,400円、平均値で16万6,927円です。
歯根膿瘍/根尖膿瘍
症状としては「硬いものを食べなくなる」「片方の顎を使って噛む」「食欲がなくなる」「顔が腫れる」などです。
また、重症化すると骨が溶け、溜まった膿が皮膚を破って眼下や鼻などに穴を開けて、膿が出てくることもあります。一般的な治療法は、該当する歯を抜歯し、感染部位の洗浄と抗生物質や内服の消炎剤の投与などを行います。なお、1回あたりの診療費は中央値で6万5,130円、平均値で8万313円です。
犬のケガや病気による手術費用に備えてペット保険の加入がおすすめ
なお、健康診断や予防接種といった病気の予防に関わる行為や、避妊・去勢手術は補償対象外になりますが、幅広いケガや病気の治療費を補償してくれます。補償割合は通常、50%か70%のいずれかに設定されており、この割合が高くなるほど保険料も高額になります。
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犬の治療費は入院や手術が必要になった場合は、高額になることがあるため、突然のケガや病気に備えて、あらかじめペット保険に加入しておくのがおすすめです。なお、ペット保険は保険会社や商品によって、補償内容や保険料が大きく変わるため、比較検討するといいでしょう。
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