2015年12月27日 10時30分

米大統領選の年は「株価」が上がる!? 知っておきたいアノマリー!

株価の傾向が見れる「アノマリー」を知れば、上昇銘柄がわかる!? [拡大する]

株価の傾向が見れる「アノマリー」を知れば、上昇銘柄がわかる!?

 相場の「アノマリー」という言葉をご存知だろうか。科学的な根拠はないものの、経験的に一定の傾向が見て取れる株価の動きのことをいう。例えば、秋のハロウィン時期に買って春に売れば利益が出やすいとされる「ハロウィン効果」は、“5月に売れ”という「セル・イン・メイ(Sell in May)」の格言として広く知られるアノマリーのひとつだ。

 理由として、秋はヘッジファンドの換金売りが出やすい、あるいは春に向けて人々の気持ちが上向くなどと言われているが、明確な根拠はない。それでも現実にこのアノマリーが的中する年は多く、日経平均株価の過去5年間のデータを見ても、10月最終営業日に買って、5月の最終営業日に売ると(いずれも終値)、4勝1敗で利益が出ている。

 これはもともと欧米のアノマリーだったが、外国人投資家が増えるに伴い、日本でもあてはまるようになった。奇しくも日本にも「新年度相場」という、春に高値をつけやすくなるというアノマリーがあるのも興味深い。

■アメリカ大統領選で日本の株価が上がる?

 来たる2016年はアメリカで大統領選挙がある年だ。大統領選挙の年とその前年は株価が上がりやすい、というアノマリーがある。日本でも選挙を意識した景気対策が打たれることはあるが、アメリカは4年に1度と決まっているうえ、経済が活気づくとされる夏のオリンピックとも重なるため、よりこうした傾向が強くなるとされる。

 ニッセイアセットマネジメントがまとめた1900年から2012年までのNYダウの年間騰落率を平均したデータによると、大統領の任期4年間のうち最も株価が上がるのは、大統領選の前年で10.4%、次が本選のある年で7.3%だ。本線の翌年は5.5%、中間選挙の年の4%を大きく上回っている。

 ちなみに、最も株価があがるはずだった2015年のNYダウ平均は、大きな波乱に見舞われ一本調子で上昇とはならなかった。だが、16年秋の本選に向けてなんらかのテコ入れがあるかもしれない。アメリカの景気や株価が上向けば、アメリカ経済の影響を受けやすい日本株にもプラスに働くと考えられる。

■大発会での躍進銘柄には注目の価値あり!

 ちなみに、大発会で急上昇した銘柄は、1年を通して注目銘柄になるという相場のアノマリーもある。たとえば、2015年の大発会では多くの主力銘柄が下落する中、出来高を伴って7%も急騰した銘柄に、三井住友建設がある。

 「傾斜マンション」問題で悪い意味での注目を浴びる存在になったのは皮肉な結果ではあるが、アノマリーが「的中」した例といえるかもしれない。

 こういったアノマリーを単なる偶然と考える人もいるだろう。もちろん、株価は最終的には企業のファンダメンタルズを反映すると考えれば、これだけを頼りに取引するのは無謀だ。だが、株取引を支えているのは生身の人間である。株価は常に合理的に説明できる範囲内で動くものではなく、しばしば理屈では説明できない動きをすることがある。そこには、「上がるから買う、買うからさらに上がる」という人間の心理が反映している。

 人々のマインドが株価を動かしている以上、アノマリーは決して無視できない。知っておいて損はないだろう。

(参考:「金融市場NOW2013年11月25日号」ニッセイアセットマネジメント)
http://www.nam.co.jp/market/timely/fmn/achv/131125.html

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