ペット保険で失敗・後悔しない!やめた理由や契約時に確認すべきポイントを紹介
保険選びの際に、ブランドイメージや保険料の安さに注目することは自然なことですが、それだけで判断したり、契約内容の詳細を十分に確認する時間を取らずに手続きを進めてしまったりすると、後になって「こんなはずではなかった」と感じてしまうことにもなりかねません。
本記事では、ペット保険において直面する失敗や後悔の理由、よくあるトラブル事例などを解説します。さらに、契約前に確認しておくと安心なポイントやチェックリストも紹介します。
大切なペットを守るために、保険選びをより納得のいくものにするための参考として、ぜひお役立てください。

監修者高見陽子
ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター
元大手銀行で個人営業を担当。現在は資産形成・相続・ライフプランなどの執筆や監修を行い、コンテンツ制作やSNSを通じた情報発信を支援している。
目次
多くの飼い主がペット保険で失敗・後悔する理由
その要因として、情報収集が不十分なまま保険を選択してしまうケースが見受けられます。具体的には、補償内容や約款の詳細をきちんと確認しない、利用者の実際の体験談を十分に検討しない、表面的な印象や一部の情報のみで判断してしまうことなどが挙げられます。
このような検討内容の不足が、後の不満や失敗感につながっている可能性が考えられます。
ペット保険で失敗・後悔しないよう注意すべきポイントとして、以下の4つが挙げられます。
・保険会社の知名度や企業規模で判断する場合の注意点
・保険料の安さを判断基準とする場合の注意点
・契約書類の確認についての注意点
・口コミや評判を活用する際のポイント
保険会社の知名度や企業規模で判断する場合の注意点
保険会社には、それぞれメリットとデメリットがあります。保険会社の公式ウェブサイトや約款、重要事項説明書を確認し、補償内容や条件を十分に理解して検討することが大切です。
保険料の安さを判断基準とする場合の注意点
保険料が抑えられているプランでは、補償範囲が限定的になっていることがあり、高額な手術費用や長期治療費に対する備えが十分でない場合もあります。
加入時の保険料の安さを重視しすぎると、ペットが高齢になった際の負担が増え、継続が困難になる場合も考えられます。
契約書類の確認についての注意点
これらの書類の内容を十分に確認しないまま契約を進めると、実際に保険を利用する際に「想定していた補償と異なっていた」という状況が生じる場合があります。
これらの詳細を把握しておくことで、治療が必要になった際の自己負担額についても事前に理解することができます。
口コミや評判を活用する際のポイント
特に、飼っているペットと同じ年齢や犬種での利用体験談は、具体的なイメージを持つのに役立ちます。
ペット保険でよくある失敗・トラブルのパターン
ただし、これらの多くは契約前に内容を十分に確認することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
ここでは、ペット保険でよく見られる3つの失敗・トラブルのパターンについて解説します。
保険金が「支払われない」「想定より少ない」トラブル
「補償対象外」には主に次のようなものが挙げられます。
■予防に関する費用(ワクチン接種、フィラリア・ダニ予防薬など)
■健康診断、爪切り、歯石取りなどのメンテナンス費用
■避妊・去勢手術(治療目的でない場合)
■加入前からかかっていた病気やケガ(既往歴)
■ワクチンで予防できる病気(ジステンパーなど)
また、実際に受け取る保険金の金額は、「免責金額」と「補償割合」の設定によって決まります。
契約更新が「拒否される」「条件変更される」トラブル
さらに、ペットが高齢になり、保険会社が設定する更新可能年齢の上限に達することで、契約期間が満了となる場合もあります。
保険料が「想定以上に高くなる」トラブル
0歳と10歳を比較すると、保険料が2倍以上になる商品もあるため、加入時には将来の保険料推移も含めて長期的な視点で検討することが大切です。
利用回数が一定を超えると保険料が割増になる設定の場合、飼い主の中には受診のタイミングを慎重に判断する方もいることでしょう。
ペット保険選びで失敗しないために注意したいこと
そこで重要になるのが、加入前の情報収集と契約内容の詳細な確認です。
補償範囲や条件を正しく理解しておくことで、多くのトラブルは未然に防ぐことができます。
ここでは、保険選びの際に特に注意すべき4つのポイントについて詳しく解説します。
注意点1:生涯にわたる継続が保証されない場合がある
最近では、高齢のペットでも新規加入できる商品が増えてきていますが、依然として多くのペット保険には年齢制限が設けられており、更新可能年齢を超えると契約期間が満了となる商品もあります。
そのため、契約満了後に新たな保険への加入を検討する際は、選択肢が限られる場合があります。
一般的に、ペットが高齢になればなるほど健康面でのサポートが必要になる機会も増えてきます。
長期的な安心のためには、「終身で継続できるタイプの保険か」、終身でない場合は「どの程度の期間継続できるか」を加入時に確認しておくことをおすすめします。
注意点2:更新時に条件変更や拒否の可能性がある
このような更新制限や条件変更がある場合、いざというときに期待していた補償を十分に受けられない可能性があり、飼い主にとって負担となるリスクがあります。
さらに、病気を治療中のペットは新しい保険への加入が難しく、条件付きで継続できても補償の範囲が限定され、支払われない場合も出てくるため、思わぬ出費につながることがあります。
注意点3:高齢になると保険料が高額になる場合がある
こうした大きな値上がりは家計への負担につながる可能性があるため、加入時点で将来の保険料も見据えて検討することが大切です。
高額な治療費に備えるための保険料の支払いが、結果的に生活を圧迫してしまっては十分に活用できません。
そうならないためにも、ペットが10歳、15歳になった際の保険料をあらかじめ確認し、長期的に払い続けられるかも含めて判断する必要があります。
さらに、補償割合や年間の支払限度額、回数制限などの条件も合わせて確認しておきましょう。たとえば補償割合が70%であっても、限度額が低ければ十分な補償が受けられない可能性があります。
契約前に保険料と補償内容のバランスを意識して選ぶことが大切です。
注意点4:補償の対象外とされる傷病が多い保険がある
特に、「一緒に暮らすペットのかかりやすい病気が補償されるかどうか」は事前に確認しておくことが大切です。
また、「加入後に発症した先天性の遺伝疾患を補償の対象とするか」は保険会社によって異なります。
自分のペットの犬種や猫種がかかりやすい遺伝性疾患などを事前に調べ、それらが補償対象に含まれているかを確認することをおすすめします。より幅広い疾患をカバーする保険を検討することも1つの方法です。
ペット保険で失敗しないために契約前に確認すべき最終チェックリスト
ここでは、ペット保険契約前に確認すべき重要なチェックポイントを3つのカテゴリーに分けてご紹介します。これらのチェックリストを活用することで、あなたのペットに最適な保険を選び、将来のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
補償内容と支払い上限の詳細な確認
1日あたりの支払い上限額や、年間の利用回数に制限がないかも、高額治療や長期通院に備える上で重要なチェック項目です。
チェック項目 | なぜ重要か? |
補償範囲は十分か? | ペットがかかりやすい病気(膝蓋骨脱臼や歯周病など)が補償対象外になっていないか、必ず確認しましょう。 |
補償割合は適切か? | 治療費の何%が補償されるか(50%か70%かなど)は、自己負担額に直結します。なお100%補償の保険もありますので調べてみましょう。 |
支払い上限は十分か? | 年間の上限額に加え、1日あたりの支払上限額や利用回数に制限がないかを確認しましょう。上限が低いと高額な治療で自己負担が増える可能性があります。 |
特約・付帯サービスは充実しているか? | 他人や物を傷つけた際の「ペット賠償責任特約」や、獣医師への無料電話相談といったサービスも保険選びの比較ポイントになります。 |
待機期間や免責金額など細則の確認
また、保険金の請求方法が、動物病院の窓口で精算できる「窓口精算」に対応しているか、それとも後日書類で請求する「後日精算」のみかを確認することの重要性も見逃せません。
チェック項目 | なぜ重要か? |
将来の保険料は無理なく払えるか? | ペットの年齢とともに保険料は上がるのが一般的です 。高齢になった時の保険料も確認し、長期的に払い続けられるかを判断することが重要です 。 |
免責金額は設定されているか? | 「免責金額」とは、飼い主が必ず自己負担する金額のことです。免責金額があると保険料は安くなりますが、少額の治療では保険金が支払われない点に注意が必要です。 |
終身で継続できるか? | 更新できる年齢に上限がある保険だと、最も保険が必要になる高齢期に契約が切れてしまうリスクがあります。 |
更新時に不利な条件はないか? | 病気を理由に更新を拒否されたり、「特定の病気を補償対象外にする」という条件を追加されたりしないか、事前に確認しましょう。 |
待機期間の日数は何日間か? | 「待機期間」とは、契約しても補償が適用されない期間のことです。この期間中の治療費は補償されないため、いつから補償が開始されるのかを正確に把握しておく必要があります。なお、待機期間なしの保険もあります。 |
保険金の請求方法は簡単か? | 病院の窓口で自己負担分のみ支払う「窓口精算」か、一度全額を立て替えて後日請求する「後日精算」かを確認しましょう。窓口精算は手間が少ないですが、対応病院が限られます 。 |
ペットの健康状態に関する正確な告知の重要性
「軽い症状だったから」、「もう治ったから」といった自己判断はせず、ささいな通院歴でも正確に申告することが、後のトラブルを防ぐために不可欠です。
また、注意すべきは、故意ではないケースでも告知義務違反をすると、同じ保険に加入するのは難しくなってしまうことです。
告知内容に少しでも不安や疑問がある場合は、自分で判断せずに保険会社に問い合わせて確認することが、最も確実な方法といえるでしょう。
ペット保険選びで失敗しないために!おすすめランキングをチェック
そのうえで、実際に利用している人の口コミや評判も参考にすることで、加入後のイメージを具体的に持つことができます。診療費への備えを検討する際は、こうした情報を総合的に比較検討し、納得できる保険を選ぶことが安心につながります。
オリコンでは、毎年「ペット保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。実際にサービスを利用した方にアンケート調査を実施した信頼性の高いランキングです。保険料はもちろん、ペットの種類別や精算方法別など、さまざまな視点でのランキングをご確認いただけます。ぜひ「ペット保険」選びにお役立てください。

監修者高見陽子
ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター
元大手銀行で個人営業を担当。現在は資産形成・相続・ライフプランなどの執筆や監修を行い、コンテンツ制作やSNSを通じた情報発信を支援している。