愛犬が下痢をしたらどうする?原因や対処法を解説
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犬の下痢にはさまざまな原因があり、一時的な胃腸の不調から重大な病気のサインまで、その深刻度は幅広く異なります。
この記事では、犬の下痢について「病院へ行くべきかどうかの判断基準」から「便の状態でわかる異常のサイン」、「考えられる原因」、「自宅でできる対処法」まで、詳しく解説していきます。
監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢
日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
目次
犬の下痢はまず症状をチェック!病院へ行くべき?
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しかし、以下のチェックポイントに該当する場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。
■水のような下痢を頻繁に繰り返している
■嘔吐や発熱を伴っている
■便に血が混じっている(黒い便・鮮血便)
■ぐったりして元気がない、食欲が全くない
■3日以上下痢が続いている
■体重が減少している
ストレスや食べ慣れないものを食べたことが原因の一時的な下痢は、適切なケアで2〜3日以内に改善することがほとんどです。
便の状態でわかること|犬の下痢の種類と原因
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便の色や硬さ、混ざっているものなどを観察することで、下痢の原因や重症度をある程度推測できるのです。動物病院を受診する際は、新鮮な便をラップやアルミホイルに包んで持参すると、より正確な診断に役立ちます。
便の色から推測される異常(黒い・鮮血・白っぽい・灰色がかっている)
■黒い便
黒い便(黒色便・メレナ)が出た場合は、胃や十二指腸など上部消化管からの出血が疑われます。出血した血液が消化液と混ざり、便として排出されるまでに時間がかかるため黒く変色するのです。
ただし、便秘や薬の影響、レバーや生肉など血液を多く含む食物など食事内容によっても食べた際などにも黒っぽい便が出ることがあります。
■鮮やかな赤い便
鮮やかな赤い血が混じった便(鮮血便)は、大腸や直腸、肛門付近での出血を示唆しています。排便時に肛門が切れた場合の一時的な出血から、大腸炎やポリープ、腫瘍まで、さまざまな可能性が考えられるでしょう。
■白っぽい便や灰色がかった便
白っぽい便や灰色がかった便は、胆汁の分泌不足や膵臓の機能低下を示している可能性があります。脂肪分が十分に消化されずに便に混ざることで、白っぽい脂肪便となって現れることがあるのです。
慢性膵炎や膵外分泌不全などの病気が潜んでいる場合もあるため、継続的に白っぽい便が出る場合は詳しい検査が必要になります。
ゼリー状の粘液便や泥状・水っぽい下痢
■粘液便(粘膜便)
透明や半透明のゼリー状のものが混じった粘液便(粘膜便)は、大腸性の下痢の特徴的な症状です。大腸の粘膜から分泌される粘液が、炎症などにより過剰に分泌されたり、吸収が不完全になったりすることで便と一緒に排出されます。出血を伴うとイチゴゼリーのような見た目になることもあります。
■水様便
一方、水様便は主に小腸性の下痢で見られ、腸の消化吸収能力が大きく低下している状態を示しています。未消化物が混じることも多く、重度の場合は動物がいきまなくても勢いよく排出されることがあります。
このように、小腸と大腸では果たす役割が異なるため、それぞれに合わせた治療が必要となります。
そのため、便の量や回数、色、粘液の有無、しぶりの様子などを日頃から観察・記録し、正しく獣医師に伝えることが大切です。こうした情報は、獣医師が適切な治療方針を立てるうえで重要な手がかりとなります。
以下の表で、小腸性下痢と大腸性下痢の特徴を比較してみましょう。
特徴 | 小腸性下痢 | 大腸性下痢 |
便の量 | 増えることが多い | あまり変わらないか、むしろ減る |
排便回数 | あまり変わらない(1日数回程度) | 増える(1日3回以上になることも) |
しぶり(排便姿勢をとるが出にくい様子) | ないことが多い | しばしば見られる |
便の状態 | 水様便が多い | 粘液便や、血の混じった粘血便を伴うことが多い |
血便の色 | 黒っぽい便(タール便)が見られることがある | 鮮血便が見られることがある |
嘔吐 | 伴うことが多い | まれにある |
体重減少 | 続く場合は見られることが多い | まれにある |
犬が下痢をする5つの主な原因
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ここでは主な5つの原因について詳しく見ていきます。
フードの変更・不適切な食事
また、脂肪分の多い食事や傷んだ食べ物、人間の食べ物を誤食することでも下痢を引き起こします。
ストレスや環境変化
また、季節の変わり目や家族構成の変化も影響を与えます。
ただし、下痢が続く場合や嘔吐を伴う場合は他の原因も考えられるため、獣医師に相談することが大切です。愛犬のストレスサインを早期に察知し、環境を整えてあげることが予防につながります。
ウイルス・細菌・寄生虫などの感染症
【ウイルス】
■犬パルボウイルス:激しい下痢と嘔吐を引き起こし、死亡率も高い
■犬コロナウイルス:下痢を主症状とする
■犬ジステンパーウイルス:下痢以外にも呼吸器症状や神経症状を引き起こす
【細菌】
■クロストリジウム:毒素を産生し、激しい下痢を引き起こす
■カンピロバクター:血便を伴う下痢を引き起こす
■サルモネラ菌:サルモネラ菌に汚染された生肉を摂取するなどで感染
■大腸菌:病原性のあるタイプが下痢を引き起こす
【寄生虫】
■回虫、鉤虫、鞭虫:消化管に寄生する線虫類
■ジアルジア、コクシジウム:原虫による感染症
ワクチン接種や定期的な駆虫薬の投与で多くの感染症は予防できます。特に子犬の時期は、獣医師と相談しながら適切な予防プログラムを実施することが大切です。
食物アレルギー
■食物アレルギー
食物アレルギーは特定の食物に対する異常な免疫反応により起こる症状で、下痢以外にも皮膚炎や嘔吐を引き起こすことがあります。
■食物不耐性
一方、食物不耐性は特定の食物を適切に消化できないために起こる症状です。アメリカン・コッカー・スパニエル、フレンチ・ブルドッグ、ミニチュア・ダックスフンドなどの犬種でよく見られます。
診断には除去試験食や血液検査が必要で、原因となる食材を特定した後は専用の療法食で管理します。早期の獣医師への相談により、愛犬に適した食事を見つけることが可能です。
内臓疾患(膵炎、慢性腸症、腫瘍など)
膵炎では膵臓の炎症により消化不良が起こり、軽度な消化器症状から重篤な全身症状まで幅広く現れます。
慢性腸症は、対症療法を行っても消化器症状が長期間続く病気で、腸粘膜の持続的な炎症が関与しています。消化管型リンパ腫などの腫瘍性疾患も慢性的な下痢の原因となります。
その他、肝臓・胆嚢の病気、腎臓病、副腎皮質機能低下症なども下痢を引き起こします。これらの疾患は血液検査、画像検査、内視鏡検査などによる詳しい診断が必要で、原因に応じた適切な治療を行うことが重要です。
すぐに動物病院へ連れていくべき危険な症状
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以下のような危険な症状が見られた場合は、夜間や休日であってもためらわずに受診することが大切です。特に子犬や老犬は急激に状態が悪化することがあるため、より慎重な判断が必要になります。
下痢が続くとき・頻回なとき
1日に何度も水様便を繰り返すような場合は、さらに緊急性が高くなります。
頻回の下痢は急激な脱水を引き起こし、電解質バランスが崩れることで、ぐったりしたり、けいれんを起こしたりする危険性があるのです。
特に小型犬や子犬は体の水分量が少ないため、脱水症状が進行しやすく、迅速な対応が求められます。
下痢以外の症状があるとき
下痢と嘔吐が同時に起こると、水分や栄養の摂取ができないうえに体外への喪失が激しくなるため、急速に脱水症状が進行してしまいます。
黒い便は上部消化管での出血、鮮やかな赤い血は下部消化管での出血を示唆しており、いずれも早急な対処が必要となります。出血の原因によっては、時間の経過とともに出血量が増加し、貧血や循環不全を引き起こす可能性があるためです。
老犬が下痢をしたとき
老犬は若い犬に比べて消化機能が低下しており、ちょっとしたことで下痢を起こしやすくなっています。また、一度下痢をすると回復に時間がかかり、脱水症状や体力の低下を引き起こしやすいという特徴があります。
しかし、嘔吐を伴ったり、元気がなくぐったりしていたり、便に血が混じったりしている場合は、背景に重大な病気が隠れている可能性があるため、すぐに動物病院を受診してください。
日頃から体調の変化に注意を払い、少しでも異常を感じたら早めに獣医師に相談することが大切です。
子犬が下痢をしたとき
また、子犬は体が小さく体内の糖分の蓄えが少ないため、食事を減らすと低血糖症を起こすリスクが高くなってしまいます。
しかし、体重が減少している場合は、栄養状態が悪化している証拠なので、早めに動物病院を受診する必要があります。
これらのウイルス感染症は進行が早く、適切な治療を受けないと数日で命を落とすこともあります。
自宅で様子を見ても良いケース
まずは、下痢以外は元気で食欲もあることが大前提となります。普段と同じように遊びたがったり、散歩を楽しんだりする様子が見られれば、深刻な状態ではない可能性が高いでしょう。
ただし、2〜3日様子を見ても改善しない、または悪化するような場合は、必ず動物病院を受診してください。一時的に見えた下痢の背景に、慢性的な病気が隠れている可能性もあるためです。
犬の下痢を止めたいときの対処法
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適切な対処により回復を早めることができる一方で、誤った対処は症状を悪化させる可能性もあります。基本的には獣医師の指示に従うべきですが、軽度の下痢に対する自宅での対処法を知っておくことは有用でしょう。
自宅でできる食事の与え方と水分補給
ただし、この方法は健康な成犬に限られます。子犬や老犬、糖尿病などの持病がある犬では、絶食により低血糖症を引き起こす危険があるため、必ず獣医師に相談してから行ってください。
絶食後に食事を再開する際は、消化の良いものを少量から始めることが重要です。普段のドライフードをぬるま湯でふやかしたものや、鶏ささみを茹でたものなどが適しています。
一度にたくさん与えると、回復しかけた胃腸に負担をかけ、下痢が再発する可能性があります。
市販の下痢止め(薬)は自己判断で使わない
特に感染症が原因の下痢の場合、下痢止めを使用すると、本来体外に排出されるべき病原体や毒素を腸内に留めてしまい、かえって症状を悪化させる危険があります。
細菌性腸炎やウイルス感染症では、下痢は体の防御反応の一つであり、無理に止めることは回復を遅らせることにつながってしまうのです。
整腸剤などの乳酸菌製剤は比較的安全とされていますが、犬に対する適切な用量が不明な場合も多く、効果も限定的です。
犬の下痢は原因を見極めて対処しよう
また、どのような検査や治療が必要かは診察を受けて初めてわかることも多いため、費用面が不安な方は事前にペット保険への加入を検討しておくことがおすすめです。愛犬の健康を守るために、普段から体調管理と予防策を徹底し、少しでも異常を感じたら獣医師に相談する習慣を持ちましょう。
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監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢
日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。
・獣医がん学会
・日本エキゾチックペット学会
・鳥類臨床研究会(鳥類臨床研究会認定医)
・爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会
●まさの森・動物病院
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。