愛犬が血尿をしたらどうする?原因と対処法を解説
今回は犬の血尿の原因とその対処法について解説します。中には血尿に見えて実はそうではないケースもありますから、見極めて対処しましょう。
監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
目次
犬の血尿の原因
まずは、犬の血尿の原因として考えられることについて見ていきましょう。
■犬の体(血尿の原因となりやすい部分)
膀胱炎
膀胱炎の症状は血尿のほか、尿が白っぽく濁る、頻尿になる、排尿時に痛みで鳴いたり動かなくなったりするといったことが見られます。基本的に、尿に関係した症状以外は見られないことがほとんどです。
一般的には、メスのほうが尿道が太く肛門の近くに尿道口があり、常在菌が尿道を介して膀胱に入り込みやすいことから、細菌感染による膀胱炎にかかりやすいとされています。
また、あまり水を飲まない犬や、日常的に排尿を我慢する犬は、尿が膀胱に長時間とどまって細菌が繁殖し、膀胱炎になりやすい傾向があります。
尿石症(尿路結石)
通常は中性から弱酸性の犬の尿が、細菌感染や不適切な食事などでアルカリ性や酸性に変化し、結石となってしまいます。犬の体質によるものも多いです。
尿石症になると、初期は血尿や頻尿など膀胱炎の症状が起こり、そのうち尿道がふさがって尿が出なくなる、痛みで下腹部をさわられるのを嫌がるといった症状も出るでしょう。重症化すると尿路閉塞や尿毒症になることもあるため、できるだけ早い対処が必要です。
前立腺の疾患
去勢手術をすることで、前立腺疾患の多くは予防が可能です。
子宮の疾患
いずれも命に関わる危険な病気ですが、避妊手術を行うことで予防が可能です。
腫瘍
移行上皮がんの初期症状は膀胱炎と似ていますが、腎機能障害やほかの臓器への転移も考えられますから、早期の発見と治療が重要です。
レプトスピラ症
レプトスピラに感染すると肝臓や腎臓に障害が起き、血尿や黄疸、腎炎などの症状が出て、死に至ることもあります。主に湿った土壌や媒介動物の尿から感染するため、散歩中に穴を掘ったり過度ににおいを嗅いだりする犬は注意が必要です。アウトドアのレジャーに犬を連れて行く場合も気をつけてください。
レプトスピラ症にはワクチンがあり、また治療には抗生剤が有効です。感染が疑われたら動物病院で獣医師に相談してください。
●関連記事:
ワクチン接種はペット保険の補償対象?防げる病気や費用について解説
犬の血尿と間違えられやすい症状
発情期出血
ただし、発情期出血に見えても実は病気由来という可能性もあります。飼い主が見分けるのは難しく、特に避妊手術を受けていない犬がかかりやすい病気もあるため、心配な場合は獣医師に相談しましょう。
血色素尿
犬が血色素尿を起こす原因は、寄生虫や細菌の感染症、ネギ類や人間の風邪薬の誤食による中毒症状などです。血色素尿と血尿を見分けるのは難しく、いずれも何らか対処が必要であることは間違いないため、気になったら動物病院の受診をおすすめします。
犬の血尿の対処法
・血尿が始まったのはいつか
・1日の排尿回数や頻度はどうか
・血尿の色はどうか
・尿が全体的に赤いのか、それとも血が混じっている状態か
・その他に症状があるか
犬の血尿の予防法
まずは尿量を減らさないように、飲水の量を管理しましょう。あまり水を飲みたがらない犬の場合は、水の温度をはじめ、飲水の皿や給水器に工夫することも大切です。ドライフードではなくウェットフードにすることでも、ある程度水分量が確保できます。
尿路結石や腎臓疾患用のフードも販売されているため、気になる場合は獣医師に相談してみてください。食事のバランスが崩れないよう、人間用の食べ物を与えないことも大切です。
また、病気を未然に防ぐためには、普段から犬の様子をチェックし、変わった様子があるときに気づけることも重要です。定期的な健康診断を受けることでも、病気の早期発見・早期治療が可能になります。
血尿をはじめとする犬の異常には素早い対処を
普段から犬の健康をチェックし、気になることがあったら早めに獣医師に相談することです。そして、必要なら適切な治療を受けて、愛犬との楽しい時間をより長く楽しんでください。
どのような検査や治療が必要かは、実際に動物病院に行ってみないとわかりません。診療費が不安な場合は、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「ペット保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。保険料はもちろん、ペットの種類別や精算方法別など、さまざまな視点でのランキングをご確認いただけますので、ぜひ保険会社選びの参考にしてください。
■ペット保険 オリコン顧客満足度ランキング
■ペット保険 ペット保険(FP評価) 総合ランキング
■ペット保険 小型犬(FP評価) 総合ランキング
監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
●ガイア動物病院公式サイト(外部リンク)
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。