犬が鼻血を出す原因とは?疑わしい病気と予防方法を解説

犬が鼻血を出す原因とは?疑わしい病気と予防方法を解説

愛犬の鼻から血が出ていたら、多くの飼い主は驚き、不安になるでしょう。

犬の鼻血は軽い外傷や異物の混入が原因の場合もあれば、鼻炎、腫瘍、血液の病気など重い疾患が隠れていることもあります。放置すると症状が悪化する可能性もあるため、適切な応急処置と受診の判断が重要です。

この記事では犬の鼻血に対する正しい対応考えられる原因動物病院での検査や治療の内容、そして日常生活でできる予防法までをわかりやすく解説します。
まさの森・動物病院 院長 安田賢

監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢

日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

mokuji目次

  1. 犬が鼻血を出した!飼い主ができる応急処置とNG行動
  2. こんな症状はすぐ病院へ!犬の鼻血で危険なサイン
  3. 犬の鼻血の原因は?病気や怪我などケース別に解説
    1. 外傷や鼻への異物混入
    2. アレルギー性・感染性の鼻炎
    3. 血液が固まりにくくなる病気(血小板減少症・血液凝固異常)
    4. 鼻腔内腫瘍
    5. 歯周病
  4. 動物病院で行われる検査と治療法
    1. 初診時の流れ
    2. 必要な検査
    3. 治療方法
  5. 犬の鼻血を予防する方法
  6. 犬の高額な医療費に備えてペット保険の加入がおすすめ

犬が鼻血を出した!飼い主ができる応急処置とNG行動

犬が鼻血を出した!飼い主ができる応急処置とNG行動

愛犬が鼻血を出しているのを発見したら、慌ててしまうかもしれませんが、まず飼い主自身が落ち着くことが何より大切です。

飼い主の不安や動揺は犬に伝わり、犬を興奮させてしまいます。興奮すると血流が増加し、出血が止まりにくくなってしまうため、冷静な対応を心がけましょう。

応急処置として最も効果的なのは、鼻を冷やすことです。保冷剤や氷を薄い布やタオルで包み、犬の鼻や頭の周辺に軽く当てて冷やしてください。

冷却により血管が収縮し、出血を抑える効果が期待できます。ただし、長時間密着させていると低温やけどを起こす危険があるため、冷えてきたら離し、少ししたら、また冷やすというように対処してあげてください。

一方で、絶対にやってはいけないNG行動もあります。
<絶対にやってはいけないNG行動>
■鼻にティッシュなどを詰める
犬は鼻呼吸であることから、ティッシュなどの詰め物をしてはいけません。特に短頭種では呼吸困難のリスクが高まります。
■無理に上を向かせる
上を向かせるのもNGです。上を向かせると鼻血が喉の方に流れてしまい、血液を誤嚥してしまう危険性があります。
■自己判断で薬を与える
鼻血の要因が何かわからないまま、市販薬などを自己判断で薬を与えてもいけません。

こんな症状はすぐ病院へ!犬の鼻血で危険なサイン

こんな症状はすぐ病院へ!犬の鼻血で危険なサイン

基本的に犬の鼻血は、出血量にかかわらず病院の受診をおすすめします。人間とは異なり、犬の鼻血は病気やケガのサインであることがほとんどだからです。

特に緊急性が高い症状として、以下のような症状の場合は直ちに動物病院を受診してください。
【特に緊急性が高い症状】
■大量に出る・止まらない
鮮血が大量に出る、または30分以上出血が続く場合
■元気や食欲がない
ぐったりしている、普段と様子が違う場合
■顔が腫れている
鼻の周りや顔全体が腫れている場合
■呼吸が苦しそう
息苦しそうにしている、口を開けて呼吸している場合
■くしゃみや咳を伴う
頻繁なくしゃみや咳と一緒に鼻血が出る場合
また、「片方の鼻からだけ鼻血が続く」場合は要注意です。鼻腔内に異物が入っている、あるいは腫瘍ができている可能性があるため、早めの受診が必要となります。

犬の鼻血が出たときの受診判断フローチャート

犬の鼻血の原因は?病気や怪我などケース別に解説

犬の鼻血の原因は?病気や怪我などケース別に解説

犬の鼻血は人間と違って、決して安易に考えてはいけません。鼻をかんだり、空気が乾燥したりして出血することがある人間とは異なり、犬の鼻血の背景には必ず病気や怪我を疑うべき理由があります。

原因としては、外傷異物の影響に加えて、アレルギー性鼻炎感染症血液疾患鼻腔内腫瘍歯周病など、さまざまな可能性が考えられます。いずれの場合も、自己判断せず動物病院で診断を受けることが大切です。

以下、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

外傷や鼻への異物混入

活発な犬は遊んでいる最中に家具や壁に鼻をぶつけたり、他の犬との喧嘩で鼻に傷を負ったりすることがあります。

このような外傷による鼻血は、通常は鮮血が出ますが、軽度の場合はすぐに止まることが多いでしょう。

散歩中の異物混入も見逃せない原因の一つです。

特にノギ(イネ科植物の種子についている針のような突起部分)などは、犬が匂いを嗅ぐときに鼻の中に入り込みやすく、鋭い先端が鼻の粘膜を傷つけて出血を引き起こします。
すぐに血が止まったとしても、異物が残っている可能性があるため、基本的には異物除去のために動物病院での受診をおすすめします。

アレルギー性・感染性の鼻炎

花粉やハウスダスト、特定の食品などでのアレルギー反応により、鼻の粘膜に炎症が起きることがあります。炎症を起こした粘膜は傷つきやすくなり、わずかな刺激でも出血しやすい状態になってしまいます。

ウイルスや細菌、真菌(カビ)による感染も鼻炎の原因となります。感染性の鼻炎では、黄色や緑色の粘り気のある鼻水に血が混じることが特徴的です。

鼻炎の場合、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった他の症状も伴うことが多く、犬は頻繁に鼻をこすったり、前足で鼻を触ったりする仕草を見せることもあります。

血液が固まりにくくなる病気(血小板減少症・血液凝固異常)

血小板減少症や、フォンウィルブランド病などの遺伝性疾患により、血液が固まりにくくなることがあります。また、殺鼠剤の誤飲による中毒も、血液凝固異常を引き起こす危険な原因の一つです。

このような凝固異常がある場合、両方の鼻から出血することが多く、鼻血だけでなく歯茎からの出血や皮下出血(内出血)など、体のあちこちで出血が見られるという特徴があります。

命に関わる危険な状態であるため、このような症状が見られたら一刻も早い受診が必要です。

鼻腔内腫瘍

高齢犬で鼻血が見られる場合、鼻腔内腫瘍の可能性も考慮する必要があります。犬の鼻腔内腫瘍は腺癌、扁平上皮癌、軟骨肉腫など、そのほとんどが悪性腫瘍です。

鼻腔内腫瘍の特徴として、初期は腫瘍がある側(片方)の鼻から出血が見られますが、病気が進行すると腫瘍が骨を侵していくため、やがて両方の鼻から鼻血が出るようになります。

腫瘍が大きくなるとマズル(鼻の周り)が腫れてくることもあり、早期発見・早期治療が何より重要となります。
一方で、若い犬で鼻血が出る場合は腫瘍の可能性は低く、外傷や異物混入、感染症など他の原因が考えられることが多いとされています。

ただし、まれに若齢犬でも腫瘍が見つかるケースもあるため、鼻血が続くようであれば早めの受診が大切です。

歯周病

意外に思われるかもしれませんが、重度の歯周病鼻血の原因となることがあります。歯周病が進行すると、歯周ポケットの中の細菌が歯の根元まで侵入し、炎症を引き起こします。

さらに悪化すると、特に上顎犬歯の周囲で瘻管(ろうかん:トンネル状の穴)を形成しやすくなります。

そこから食べかすが鼻の穴の中に入り込むことがあり、それが腐敗して細菌が繁殖すると膿が出てきたり、鼻出血を引き起こす原因となります。
高齢犬で多く見られますが、デンタルケアが不十分な若い犬でも起こる可能性があります。

動物病院で行われる検査と治療法

動物病院で行われる検査と治療法

愛犬の鼻血の原因を突き止めるためには、動物病院での詳しい検査が不可欠です。

鼻血の背景にはさまざまな病気が隠れている可能性があるため、獣医師は総合的な診断を行い、それぞれの原因に応じた適切な治療を選択します。

検査から治療まで、どのような流れで進められるのか、詳しく見ていきましょう。

初診時の流れ

動物病院では、まず獣医師が詳しい問診を行います。

鼻血がいつから始まったのか、出血の量や頻度、他の症状などを確認します。その後、視診や触診による身体検査を実施し、鼻や全身の健康状態をチェックします。

必要な検査

症状や疑われる原因に応じて、血液検査やCT検査などが行われます。

■血液検査
血液検査では、感染症や炎症の有無、貧血の程度、血小板数や血液凝固機能などを調べます。レントゲン検査では、鼻の中の異物や腫れ、腫瘍の有無を確認できます。

■CT検査
鼻腔内腫瘍が強く疑われる場合は、より詳細な画像診断としてCT検査が必要になることもあります。CT検査により、腫瘍の大きさや広がり、周囲の組織への浸潤度合いを正確に把握することができます。

治療方法

診断結果に基づいて、それぞれの原因に応じた治療が行われます。

■感染症や炎症が原因の場合
感染症や炎症が原因の場合は、抗生物質や抗炎症薬による投薬治療が中心です。異物が原因であれば、内視鏡や外科手術により異物を除去します。

■腫瘍が見つかった場合
腫瘍が見つかった場合は、外科的切除放射線療法抗がん剤治療などから最適な方法が選択されます。現在では放射線療法が推奨されることが多いですが、腫瘍の種類や進行度により治療方針は異なります。

■歯周病が原因の場合
歯周病が原因の場合は、全身麻酔下での歯石除去や、問題のある歯の抜歯が必要です。抜歯後は、口と鼻の間に開いた穴をきちんと縫合して閉じる処置も行われます。

■血液凝固障害がある場合
血液凝固障害が原因の場合は、原因に応じた内科的治療が必要となり、多くの場合、生涯にわたる投薬が必要になります。

■重度の出血
重度の出血貧血が進行している場合は、輸血が必要になることもあります。

犬の鼻血を予防する方法

犬の鼻血を予防する方法

残念ながら、すべての鼻血を完全に予防することは困難です。しかし、日常生活の中で気をつけることで、リスクを減らすことは可能です。

■事故や異物混入の予防
散歩中の事故や異物混入を防ぐために、愛犬が草むらに顔を突っ込まないよう注意深く見守りましょう。特に秋の散歩では、ノギなどが多い場所は避けるようにします。

■誤飲の予防
また、拾い食いの癖がある犬は、殺鼠剤などの有害物質を誤飲するリスクがあるため、しっかりとしつけを行うことが大切です。

■感染予防
感染症予防のためには、定期的なワクチン接種が欠かせません。混合ワクチンを適切なスケジュールで接種することで、多くの感染症から愛犬を守ることができます。

犬の高額な医療費に備えてペット保険の加入がおすすめ

犬の鼻血は軽症に見えても、実は重大な病気が隠れていることが少なくありません

特に鼻腔内腫瘍や血液疾患の場合、CT検査や放射線治療、長期間の投薬治療など高額な医療費がかかる可能性があります。また、歯周病による鼻血でも全身麻酔下での歯石除去や抜歯が必要となり、予想以上の治療費になることもあります。

ペット保険に加入していれば、突然の病気やケガでも経済的な心配を軽減でき、愛犬に最適な治療を受けさせてあげることができます。日頃からの予防と合わせて、万が一に備えたペット保険の検討もおすすめします。

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まさの森・動物病院 院長 安田賢

監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢

日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。
・獣医がん学会
・日本エキゾチックペット学会
・鳥類臨床研究会(鳥類臨床研究会認定医)
・爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会
 ●まさの森・動物病院

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

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