2012年09月28日 16時33分

池上彰氏、経済危機のスペインで「いい質問ですね」と褒められる

Visa金融教育ワークショップで基調講演を行った池上彰氏 (C)ORICON DD inc. [拡大する]

Visa金融教育ワークショップで基調講演を行った池上彰氏 (C)ORICON DD inc.

 ジャーナリストの池上彰氏が28日、都内で開催されたVisa金融教育ワークショップで基調講演を行った。会場に集まった大学生や教育関係者などの前で、池上氏は反緊縮デモの取材で訪れたスペインでの話を披露。自国の資本経済が許せないと憤る若者に「ではどうすればいいと思いますか?」と聞いたところ、若者はしばし絶句したのち「…いい質問ですね」と答えたと言い、池上氏が「まさかこの国で、私がその言葉を言われるとは思わなかった」と語ると、会場は笑いに包まれた。

 NHK時代のほか、ジャーナリストとしても金融関係に多くかかわり著書も多数持つ池上氏は、消費税25%でも“世界一幸せな国”と言われるデンマークと、経済危機に揺れているスペインを比較しつつ、経済の基本をわかりやすく説明。質疑応答時に会場の大学生から日本経済を立て直すための意見を聞かれると真摯に独自の意見を述べるなどし、学生たちの熱意に応えていた。

 日本の大学生に向けて開発されたVisaの金融教育プログラムは、横浜国立大学教育人間科学部の西村隆男教授の協力のもと作成。日本の金融教育は諸外国に比べ遅れていると言われるが、昨今は「電子決済の進化のスピードが速く、子どもが親よりも先に体験することが増えてきている」(ビザ・ワールドワイド・ジャパン松田典久次席代表)こともあり、家庭での教育にも限界が出てきていることから開発に至った。今後は同プログラムの普及に取り組んでいくとしている。

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