2014年06月25日 09時00分
口座選びも重要な投資術! 損をしないために知っておくべき「口座の特徴&相性」
証券口座には3種類あり、それぞれ異なる特徴がある。損をしないための運用口座選びが重要だ。 (C)oricon ME inc.
効率のよい投資を始めるには、まず使い勝手の良いネット証券を選ぶことが必須条件といえる。ネット証券の誕生でぐっと身近になった「口座開設」だが、投資初心者にとっては重要なファーストステップ。各証券会社には「特定口座」と「一般口座」の2種類があり、特徴や違いを知らずに開設した場合、投資額やライフスタイルによっては、税金対策や確定申告の面で差が生じてしまう。口座それぞれのメリットと気を付けておきたい注意点を確認しておこう。
(1) 「特定口座」と「一般口座」は何が違う?
まず、投資で利益を得た際は必ず確定申告を行う必要がある。特定口座を選んだ場合、証券会社は全取引記録を交付し、確定申告に関わる要件を全部、もしくは一部代行してくれる。一方、一般口座を選んだ場合は確定申告に関するすべての作業を投資家自身で行わなければならず、初心者には向かないといえる。
(2)特定口座 源泉徴収「あり」「なし」の違いは?
「源泉徴収あり」の場合、上場株式などの譲渡益や売却益に課される所得税や住民税を、証券会社が個人投資家に代わって1年間の売買損益計算でまとめてくれる。よって、投資家は利益が出ても自分で確定申告が不要になる。簡単・便利な口座であるが、利益が出た際は金額に関わらず自動で税金が差し引かれるため、投資効率が落ちてしまうというデメリットもある。また、損失の繰越控除をする場合や、他社や特定口座以外の譲渡益と損益通算をする場合などは、各自で確定申告する必要がある。
「源泉徴収なし」の場合、利益が出た際の確定申告は投資家自身で行う必要があるが、損益計算は証券会社が行い「特定口座年間取引報告書」を作成し投資家に交付してくれる。申告時の添付書類として代用でき、手続きが簡単になる。また「源泉徴収あり」とは違い、税金が自動で差し引かれないため投資効率が良い。
(3)投資家のタイプによって相性はある?
「特定口座 源泉徴収あり」は取引額や取引回数が多く、確定申告が面倒と感じる人に向いている。また「配偶者控除」や「扶養控除」を受けている主婦や学生などは、どれだけ利益が出ても扶養から除外される心配がない。
「特定口座 源泉徴収なし」と「一般口座」は年収2000万円以下の給与所得者で、年間利益が20万円以下であれは税金を払う必要がないので、その場合は節税につながる。注意が必要なのは配偶者・扶養控除の適用を受けている人の場合、38万円以上の利益が出ると適用から除外され、扶養者の税負担が大きくなってしまう。
ただし「一般口座」は特有のメリットがほとんどないといわれており、確定申告のための資料作成に時間が割けない忙しいビジネスパーソンなどはもちろん、特に理由がない場合は特定口座を選んだ方が取引に専念できるだろう。
ちなみに今年から始まった少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」口座を利用した場合は、年間100万円までの株式などから得られる売却益や配当金が非課税になるため、その範囲内であればいくら利益が上がっても確定申告を行う必要はない。それぞれの口座特長とライフスタイルの相性を理解して、自分に合った口座を選択しよう。
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