2015年03月21日 10時00分
投資の世界が楽しくわかる「映画」3選 見どころ&教訓丸分かり
レオナルド・ディカプリオ主演の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」など、3作品を紹介!
投資に多少の興味はあるが、「難しそう」「よくわからないから怖い」と思っている人は多いはず。わざわざ本やネットで勉強する気はないが、映画であれば気軽に見られるのではないだろうか。そこで今回は、楽しく『投資』の世界を知りたいという人に向けて、娯楽作品としても楽しめるコメディタッチの3作品をピックアップ。コミカルに描かれている登場人物たちの行動から、投資で失敗しないための心得や教訓を学んでいこう。
【その1】
売り買い「ごっこ」で手数料を散財? ゲームに高じない心得を学ぶ
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(米/2013年)
主演:レオナルド・ディカプリオ/監督:マーチン・スコセッシ
実話に基づいたストーリーで、アメリカの証券会社創業者ジョーダン・ベルフォード氏の回想録が原作。主人公であるウルフの株ブローカーデビューの日は、1987年の史上2番目の大暴落といわれる“ブラックマンデー”で、いきなり会社が倒産する事態に…。その後、“ぼろ株”と呼ばれる激安株ばかりを扱う地方証券へ転職するも、天性の話術でトップセールスをたたき出す。「株セールスマニュアル」を作って自分の会社を興し、学歴もコネもない社員と共にどんどん業績を伸ばし、週給1億円に届こうかというくらい稼ぎまくる。だが、当局にマークされ、急成長のひずみが…というストーリー。
【教訓】
冒頭近く、老舗証券会社へ入社したウルフに対して、上司が「客にどんどん売り買いさせて、金持ちになったと錯覚させろ。客が儲かろうが損しようが、こっちはそのたびに手数料が転がり込む」とアドバイスする場面がある。投資は本来なら利益を出すことが目的のはずだが、“売買ゲーム”自体に楽しみを感じさせることを煽ったものだ。実際は、取引を繰り返してしまえば、取引回数分だけ手数料を散財することになる。
金融ビッグバンで売買手数料は劇的に下がり、10万円以下なら数百円で取引ができるネット証券も誕生した。一方で、窓口や電話などでセールスマンが顧客にオススメ株や投資信託の情報を提供してくれる対面式の証券会社の場合は、「手数料=売買代金の3%」というように高めに設定さていることも多い。
自分で得た情報を頼りに、低い手数料で気軽に売買できるネットで勝負するか、多少割高でもセールスマンのサポートを必要とするか。いずれにしても、利益を出すことを目的とするなら、ゲームに高じないことを教訓にしたい。
【その2】
商品先物取引の世界から学ぶ! ニュースと投資の意外な関係
「大逆転」(米/1983年)
出演:ダン・エクロイド、エディ・マーフィー/監督:ジョン・ランディス
大暴落“ブラックマンデー”が起こる以前の米・フィラデルフィアが舞台。老舗の商品先物取引会社を経営する老兄弟が、クリスマス前にある“賭け”をする。「人間は環境が良ければ良い人間になり、悪い環境だと罪も犯す」と主張する兄と、「それは違う」と主張する弟。タイミング良くホームレス青年・バレンタインが転がり込んできたのをいいことに、ハーバード卒のエリート会社幹部・ウィンソープと立場をすり替えて実験を行う。順調に実験が進み、賭けの結果が見えたころ、老兄弟の悪だくみを偶然知ったホームレスとハーバード卒コンビは復讐を計画。ここから二人の“大逆転劇”が始まる。
【教訓】
投資の世界では、情報が大きく相場を動かす。例えば、劇中では「オレンジ収穫量予想発表」がテレビ中継されるシーンがある。統計情報は、今後の相場を占う“お告げ”のような物で、豊作予想ならオレンジジュース先物の安値を、不作予想なら高値を意味する。何百人ものニューヨーク先物市場の取引仲買人たちは、固唾をのんでテレビ中継を見守るのだが、それは、結果いかんで相場の流れがガラッと変わってしまうということを分かっているからだ。
現在の株取引の場合であれば、米国雇用統計などに注意することも大事。米国の金融政策は、失業者を減らすことを大きな目標の一つにしている。誤解を恐れずに一般論を言えば、失業者が増えれば金融緩和、減れば金融引き締めで、一般的に金利が上がれば株は下がるとされている。米国の株式市場が上がると、その動きにつられて日経平均も値上がりしやすい(この現象を「つれ高」という)。また統計情報とは少し異なるが、各国政府の金融政策発表の場であるFRB議長の会見、日銀総裁の会見などもチェックしたいところ。投資を始めたら、今までよりもニュースに目を向けてみると助けになるかもしれない。
【その3】
よく分からない商品には投資しない! 流行に乗らない勇気を学ぶ
「キャピタリズム マネーは踊る」(米/2009年)
主演・監督:マイケル・ムーア
独自の視点と手法で社会の矛盾を突くマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー作品。巨大証券会社「リーマン・ブラザーズ」の破たんから広がった“リーマン・ショック”のあおりを受けて、閉鎖した工場や低所得者向け住宅融資“サブプライムローン”で家計が破たんした家族の心情に迫る内容。作品自体は重いテーマだが、暗くなり過ぎない工夫がされており、ドキュメンタリーではあるものの、エンタメ作品としても鑑賞できる。
【教訓】
リーマン・ショックの大暴落は、“デリバティブ商品”の破たんが引き金を引いたといわれている。では、デリバティブ商品とは、一体どんな仕組みなのか。ムーア監督が元金融ディーラーや経済学者に説明を求めるが、だれからもすっきりとわかる説明は得られなかった。つまり、彼らもイマイチ理解できていないほどに難しい仕組みということだ。
複雑に金融商品を組み合わせ、「すごく儲かる」と一時大流行したものの、大暴落しても脱出方法がわからず、損失を拡大した人が多かった。やはりここは“オマハの賢人”ことウォーレン・バフェット氏にならって、「自分の理解できない商品には投資しない」ことにしたい。
投資も、プロの世界は厳しいもの。3作品の教訓を胸に刻み、ニュースで経済動向を読み解きながら堅実なスタートを切りたいものだ。
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