株の出来高とは?初心者でもわかる投資への活かし方を解説
今回は、株の出来高とは何か、株価との関係や出来高を使った投資判断のポイントについて解説します。出来高移動平均線の活用方法にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。
目次
株式市場における出来高の意味
一定期間内に多くの投資家が株式を売買すると、出来高が多くなります。出来高は株式の取引がどの程度活発に行われているかを示す指標であり、株価の動向を把握する上で重要な指標です。
出来高が多いということは、その銘柄に対する投資家からの関心が高いことを示しています。取引が活発に行われることによって株価の変動も大きくなり、さらに多くの投資家から注目されるケースも少なくありません。
反対に、株式市場で注目されていない銘柄は取引する投資家も少ないことから、出来高が少なくなりがちです。
なお、出来高は成立した「買い」と「売り」を、1つの取引としてカウントします。
出来高と株価の関係
出来高が株価に先行する
例えば、長期間にわたって株価が低迷していた銘柄の各種指標が回復したり、外部要因によって注目を集めたりすると、出来高が急増して株価が上昇することがあります。
反対に、売り注文が集中して出来高が急増したのち、株価が底を打って急反発するケースも少なくありません。
出来高と株価が同時進行する
ただし、出来高が増えていることが、株価上昇に直結するとは限らない点に注意する必要があります。もみ合いを経て株価が動き出した場合、上昇するか下降するかは予測できないからです。
出来高が株価に遅行する
このように、出来高が株価に遅行するパターンは、株価が上がった場合も下がった場合も起こりえます。
例えば、企業の不祥事に関する報道を受けて株価が下がり始めたようなケースでは、投資家からの売り注文が殺到した結果、出来高が増加することもあるからです。
出来高を使った投資判断のポイント
続いては、出来高を使った投資判断について、2つのポイントを紹介します。
出来高が多い銘柄で取引を行う
出来高が少ない銘柄と比べて株価が急激に上下する可能性が少なく、初心者におすすめの投資対象といえるでしょう。
なお、出来高が多い銘柄は、一般的に東京証券取引所のプライム市場に上場している大型株に多く見られる可能性があります。そのため、株価の大幅な変動が生じにくく安定性が高い反面、大きなリターンも得にくい特徴があります。
ローリターンということは同時にローリスクでもあるため、特に初心者にとっては、リスクを抑えるためにも大型株を選ぶのは良い選択となるでしょう。
出来高の変化で売買タイミングを見極める
ただし、出来高の急増は買い注文が増えた場合だけでなく、売り注文が急激に増えたことによっても生じる点に注意が必要です。
例えば、ある銘柄にとって悪材料となる報道があったときや、決算で下方修正が発表された際には、売り注文が殺到することがあります。出来高の変化が必ずしも株価の上昇を示すものではないことを、しっかり認識しておくことが大切です。
出来高移動平均線の活用方法
出来高移動平均線が上向きであれば出来高が増加したことを示しており、反対に下向きであれば減少傾向であるといえます。
出来高移動平均線の期間には、日足(ひあし)で見る場合は25日と75日、週足(しゅうあし)で見る場合は5週と13週を用いるのが一般的。日足は1日ごとの株価や出来高の動きを示し、週足は1週間単位でまとめた株価や出来高の動きを反映したものです。
期間が短いほど市場の反応が顕著に表れる一方で、長期的なトレンドを見誤るリスクが高くなる点に注意が必要です。反対に、期間が長いほど市場の反応が表れにくくなるものの、長期的なトレンドが確認しやすくなるでしょう。
株における出来高の特徴を理解して、適切な投資判断を下そう
一方で、出来高の増加は、必ずしも株価が上昇するサインとは断言できません。出来高と株価の関係を正しく理解することにより、売買のタイミングを適切につかみ、取引の精度を高めていくことが大切です。
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監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。