投資信託のクレジットカード積立とは?メリットや比較表を紹介
今回は、投資信託をクレジットカードで積立するメリット・デメリットや、サービスごとの還元率や貯まるポイント、対象銘柄数などを解説します。クレカ積立サービスを選ぶ際のポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。
目次
投資信託をクレジットカードで購入できる「クレカ積立」
投資信託では、証券口座や銀行口座からの引き落としで積立するのが一般的でしたが、クレジットカードで決済できる証券会社も増えてきました。クレカ積立であれば、証券口座や銀行口座へ入金しなくても積立投資をすることができます。
クレカ積立はNISA(少額投資非課税制度)でも利用できます。2024年に始まった新NISAで、年間投資枠が増えたことを受けて内閣府政令も改正され、クレカ積立の積立上限額もこれまでの月5万円から、月10万円まで引き上げる金融機関も増えてきています。
ただし、クレカ積立に対応している証券会社は決まっており、どこでも可能とは限りません。
以降では、クレカ積立を利用できる「投資信託」と「積立投資」とは何かも改めて解説していきます。
投資信託:投資家から集めたお金をプロが運用する金融商品
投資家は自分で投資先や売買のタイミング、投資割合などを決める必要がないことから、初心者でも始めやすい資産運用の方法といわれています。資金を毎月同じタイミング・同じ金額で積み立てていくことによってリスクを分散させ、長期にわたって運用できる点が長所です。
投資信託については、下記の記事をご覧ください。
積立投資:毎月決まったタイミング・金額で投資する手法
投資の基本は「長期・分散・積立投資」といわれています。短期間で特定の金融商品に集中的に投資すると、価額変動の影響を受けやすく、結果としてハイリスクな投資になりがちです。毎月一定額を少額ずつ積み立てていけば、金融商品の価格変動のリスクを軽減できます。得た利益を再投資することで、利益がさらなる利益を生む「複利効果」も期待できるでしょう。
積立投資を行うことは、ドルコスト平均法を実践することにつながります。ドルコスト平均法は、価額が変動する商品を、一定額ずつ定期的に購入していく投資手法です。一定額ずつ購入することで、価額が低いときは購入数が増加し、価額が高いときには必然的に購入数が減少するため、平均購入単価を平準化させることができ、長期にわたって安定した資産運用がしやすくなります。
クレカ積立のメリット
ポイントが貯まる
投資信託などのクレカ積立がポイント還元の対象になるかどうかは、クレジットカード会社ごとに異なります。クレジットカード会社によっては、積立投資による利用はポイント還元の対象外となるケースもあるため、クレカ積立を選ぶ前にクレジットカード会社の規定に目を通しておきましょう。
口座入金の手間がない
オンラインで入金が可能な金融機関は増えているものの、毎月のこととなると負担に感じるかもしれません。クレカ積立を利用することによって入金の手間を省略でき、毎月着実に積立投資を実行できます。
少額から投資できる
中には毎月100円から積立できる金融機関もあり、経験を積みながら投資信託の知識を身に付けたい人にもおすすめです。
途中で積立金額を変えることも可能なため、自分のスタイルに合わせて投資ができます。
クレカ積立のデメリット
積立金額に上限がある
ただし、積立金額の上限は金融機関ごとに設定されるため、2社以上の金融機関で口座を開設すれば、各口座で10万円ずつを上限に積立投資が可能です。
月1回の頻度でしか積立できない
投資のタイミングをより柔軟に判断したり、買い付けを行う日を自由に決めたりしたい場合には、クレカ積立ではなく通常の積立投資をおすすめします。証券口座や銀行口座から入金する通常の積立投資であれば、買い付けの回数に上限はありません。
ポイントの還元率が変わる場合もある
投資信託による資産運用は、資産形成のために取り組むものです。クレジットカードのポイント還元はプラスアルファのメリットと捉え、ポイント還元が目的とならないようにご注意ください。
どのクレジットカード会社であってもポイント還元率は変わる可能性があるため、過度に期待しないことが大切です。
クレカ積立に対応している主な証券会社とクレジットカードは?
クレカ積立に対応している証券会社とクレジットカードの組み合わせにはどのようなものがあるか、いくつか例を挙げてご紹介しましょう。
■クレカ積立に対応する主な証券会社とクレジットカード
ポイント還元率 |
貯まるポイント |
対象銘柄数 |
つみたて投資枠の対象銘柄数 |
ポイント投資 |
|
auカブコム証券×au PAYカード |
1.0% |
Pontaポイント |
約1,800銘柄 |
225銘柄 |
〇 |
SBI証券×タカシマヤカード |
0.3〜0.5% |
タカシマヤポイント |
約2,570銘柄 |
230銘柄 |
× |
SBI証券×東急カード |
0.25〜3% |
TOKYU POINT |
約2,570銘柄 |
230銘柄 |
× |
SBI証券×三井住友カード |
0.5〜5.0%(2024年11月買付分以降0.0〜3.0%) |
Vポイント |
約2,570銘柄 |
230銘柄 |
◯ |
セゾンポケット×セゾンカード/UCカード |
0.1〜0.5% |
永久不滅ポイント |
2銘柄 |
2銘柄 |
◯ |
大和コネクト証券×SAISON CARD Digital |
0.1〜1.0% |
永久不滅ポイント |
51銘柄 |
29銘柄 |
× |
tsumiki証券×エポスカード |
0.1〜0.5% |
エポスポイント |
5銘柄 |
5銘柄 |
◯ |
PayPay証券×PayPayカード |
0.7% |
PayPayポイント |
117銘柄 |
33銘柄 |
◯ |
マネックス証券×マネックスカード |
0.2〜1.1% |
マネックスポイント |
約1,777銘柄 |
228銘柄 |
× |
楽天証券×楽天カード |
0.5〜1.0% |
楽天ポイント |
約2,570銘柄 |
225銘柄 |
◯ |
クレカ積立のポイントは、クレジットカード会社によって還元率に差があります。同じクレジットカード会社でも、カードの種類や経過年数で還元率が変わるケースも少なくありません。ポイント還元率を重視する場合は、還元率が決定する条件を確認しておく必要があります。
ポイント投資とは、クレジットカードの利用を通じて獲得したポイントを投資に活用することを指し、クレカ積立によって得たポイントを再投資することで、複利効果が見込めます。
クレカ積立を選ぶポイント
証券会社を選ぶポイント
まだ決まっていないのであれば、取り扱い銘柄数が多い証券会社を選ぶことをおすすめします。クレカ積立で獲得したポイントを再投資に回せるかは証券会社によって違うため、その点も確認しておきましょう。
今後も投資を行うのであれば、投資信託以外の金融商品のラインナップも確認してみてください。
クレジットカードを選ぶポイント
また、貯まるポイントが普段から使っているものか、ほかのポイントサービスと交換できるかどうかもチェックしてください。
クレカ積立のメリットを活かして投資信託に挑戦しよう
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監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。