2017年04月19日 10時30分

“103万の壁”が130万円に!? パート主婦が個人型確定拠出年金を始めるメリット

パート主婦に向けた個人型確定拠出年金を利用した節税メリットを紹介 [拡大する]

パート主婦に向けた個人型確定拠出年金を利用した節税メリットを紹介

 パートタイム勤務をしている主婦なら“103万の壁”を意識している人も多いだろう。実は、個人型確定拠出年金(愛称「iDeCo」イデコ)に加入すると、税負担はそのままにパート主婦の“103万の壁”を越えられる。

■“103万の壁”とは?

 パートで働いている人の収入は、給与収入に該当する。税負担を軽くしてあげましょう、というのが給与所得控除で、最低65万円だ。それとは別に、納税者全てに認められている基礎控除一律38万円がある。103万円の壁と言われるのは、収入から給与所得控除65万円と基礎控除38万円を差し引くと、所得残額がゼロになるラインのことだ。所得がゼロになるので、所得税がかからない。

■個人型確定拠出年金は掛け金の全額控除

 今年から専業主婦でも個人型確定拠出年金への加入が可能となった。掛け金は、小規模企業共済等掛金控除が適用され、掛け金の全額が控除される。専業主婦であれば、個人型確定拠出年金の掛け金上限は月2万3000円、年間27万6000円になる。つまり、個人型確定拠出年金で毎月2万3000円を貯めていけば、103万の壁を突破して130万6000円まで非課税のまま収入を得ることができるのだ。

 ただし、年収130万円を超えると、社会保険に加入しなければならない。調整をして、月2万円アップの年収127万円を目安にするといいだろう。

■社会保険加入ラインが“106万の壁”になる人は注意

 また、もうひとつ気にかけなくてはならないのが、2016年10月からパートタイム労働者の社会保険適用が拡大され、新たに“106万の壁”ができた点だ。拡大されたことにより、従業員501人以上の会社に勤めるパート主婦は年収106万円以上で社会保険に加入することとなった(従業員500人以下でも加入対象の場合がある)。年収129万円など、130万円ギリギリで働いていた人は、個人型確定拠出年金による非課税は受けられるが、一方で、社会保険料も負担するので、実質収入ダウンとなる場合もある。

 今回紹介した個人型確定拠出年金の活用方法は、条件に制限があるので、就業先で社会保険加入の条件を問い合わせてみよう。もし条件に当てはまり、多めに働く余裕があるのなら、個人型確定拠出年金の節税メリットを活かしたこんな使い方も検討してみよう。

(マネーライター・永井志樹子)

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