2017年09月05日 09時30分

損していない? 企業型確定拠出年金の「定期預金」

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“大きな得”を逃している可能性があり! 

 「確定拠出年金」というものをご存じだろうか。会社で入る「企業型」と、個人で入る「個人型(愛称「iDeCo」イデコ)」という2つがあるが、前者の「企業型」で入っている人は、「よくわからないけれど、そのままにしている」という声も聞かれる。そういう人は、“大きな得”を逃している可能性があるので、要注意だ。しっかり確認しておこう。

■「定期預金のまま」になっていないかをチェック

 確定拠出年金とは、自分で資産運用の方法を選んで、将来の年金を準備するもの。運用次第で、将来受け取る年金の金額が変わるが特徴だ。

 金融商品を自分で選ぶことができ、投資信託、保険、定期預金などがあるが、会社で入る「企業型」は、「定期預金」が初期設定になっているケースが多い。つまり、「よくわからないけれど、そのままにしている」という人は、定期預金のままになっている可能性が高い。一度内容を確認しておこう。

■定期預金だと、税金が軽減されるメリットが小さくなる

 確定拠出年金の大きなメリットとして、「税金がお得になること」が挙げられる。お得になるタイミングは3回。積み立てをしているとき(掛け金が全て所得控除になる)、運用中(利益に対して税金がかからない)、受け取るとき(様々な優遇措置がある)だ。

 この中で、運用中のメリットとは、一般的な預金や投資信託の値上がり益や分配金、利子などに対しては20%(復興特別所得税を入れると20.315%)の税金がかかるところ、確定拠出年金では不要なのだ。

 ただし、現在は超低金利時代なので、「定期預金」を選んだ場合、得られる利子はわずか。その利子に対しての20%という金額もごくわずかになる。するとお得になる税金も少なくなるため、せっかくの“旨味”が減ってしまう。定期預金は、元本割れをしないという安心感があるが、確定拠出年金においては、他の金融商品を選んだ方が、お得度は高くなると言えるだろう。

■投資信託を選ぶ場合、

 「投資信託」を選んだ場合、定期預金のように元本が保証されているわけではなく、上がり下がりがある。しかし、もし大きな利益が出た場合は、利益に対して20%の税金がかからないというメリットは大きい。また、じっくりと長期間積み立てることにより、相場が大きく変動しても、相場が高いときにたくさん買うリスクを抑えられ、相場が低い時にも買うことにつながる。まとめて大きなお金で投資するケースに比べると、リスクは軽減されると言える。

 とはいえ、お得になるかもしれないといっても、投資未経験者は、投資信託を選ぶのが怖いと思うだろう。確定拠出年金は、途中で金融商品を変更することもできるので、まずはしっかり勉強しておこう。手数料(信託報酬、または運用管理費用という)をしっかり確認して、手数料が低いものを選ぶことも大切だろう。

 以上、確定拠出年金で「定期預金」のままにしているという人に向けて、“大きな得”を逃してしまう可能性についてお伝えした。日々忙しくて、会社で入っている「確定拠出年金」の中身を見ていないという人は多いはずだ。一度、自分が入っている確定拠出年金についてチェックしておこう。

(ライター:西山美紀)
ファイナンシャルプランナー。2児の母。これまでに1万件以上のマネーデータを分析し、500人以上にマネーの取材を行うほか、女性の生き方などをテーマに取材・執筆・記事監修なども行っている。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。公式サイト:http://www.nishiyamamiki.jp/

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