2017年12月15日 09時30分

投資もAIを活用、自動で資産運用「ロボアドバイザー」とは

人工知能(AI)などを活用しオンライン上で資産配分の助言や自動運用などを行うサービス「ロボアドバイザー」について(写真はイメージ) [拡大する]

人工知能(AI)などを活用しオンライン上で資産配分の助言や自動運用などを行うサービス「ロボアドバイザー」について(写真はイメージ)

 近年市場規模を拡大しているフィンテック(金融「finance」と技術「technology」をかけ合わせた造語)のひとつに「ロボアドバイザー」がある。ロボアドバイザーとは、人工知能(AI)などを活用し、オンライン上で資産配分の助言や自動運用などを行うサービスのことだ。10年ほど前にアメリカで生まれたサービスで、現在、日本でも市場規模を拡大している。今注目の集まるロボアドバイザーとはどのようなものなのか、その特徴や利用する際の注意点をお伝えする。

■ロボアドバイザーはどんなしくみなのか

 ロボアドバイザーは、サービス内容によって「アドバイス型」と「投資一任型」の2つに大別できる。どちらも、投資目的や年齢などいくつかの項目に答えるだけで、その人のリスク許容度に応じた理想的な資産配分や金融商品を提示してくれることに変わりはないが、アドバイス型では買い付けは自分自身で行うのに対し、投資一任型では、運営会社に口座を開いて買い付けやリバランスといった運用管理まで一任できる。前者は無料で利用できるが、後者は資産残高の1%程度の運用管理手数料がかかるものが多い。

 今まで、資産運用を一任するサービスとしては、金融の専門家からのアドバイスをもとに運用するサービス・ファンドラップが一般的であった。しかし、ファンドラップの最低投資金額は数百万円からの場合が多く、手数料も割高だ。一方、ロボアドバイザーの投資一任型では、最低投資金額が1000円や1万円の小口から始めることができ、運用管理手数料も低く抑えられている。ファンドラップと比較すると、一般の投資家にも利用しやすいサービスだといえる。

■ロボアドバイザーを活用した新たなサービス続々

 今年、ロボアドバイザーを活用したさまざまな新サービスが各社より展開スタートしている。エイト証券が2017年2月より開始したサービス「クロエ」では、結婚資金や旅行、老後資産といった目的別に資産運用を一任することができる。長期的な運用でリターンを上げることを目指すロボアドバイザーが主流のなか、短期的な目標から逆算して資産配分を導き出すという手法でサービスを展開する。

 また、ロボアドバイザーサービスを提供するWealthNavi(ウェルスナビ)では、2017年5月、クレジットカードで買い物した際のおつりを投資に回す投資アプリ「マメタス」がスタート。おつりの額は100円、500円、1000円単位から選択でき、決済時に端数がロボアドバイザーの投資額に加わるという仕組みだ。利用者のニーズに合わせ細分化されたロボアドバイザーのサービスは今後さらに台頭しそうだ。

 ロボアドバイザーの投資一任型のサービスは、忙しい現代人が投資をするのには非常に便利なサービスだ。ただし、利用する際にはそのサービス内容をしっかりと吟味する必要があるだろう。注意点としては、サービス提供会社に支払う運用管理手数料のほかに、投資信託自体に含まれる信託報酬という手数料もかかること、収益が約束されているわけではないこと、海外のETF (上場投資信託/Exchange Traded Funds)に投資を行うものも多いが、為替リスクが伴うことなどが挙げられる。事前にリスクや手数料などをしっかり確認した上での利用を心掛けたい。

(フリーライター・永井志樹子)

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