2018年06月27日 17時00分
ネット証券でも買えるETF メリットと注意点
比較的安価に購入でき、手軽に分散投資ができる商品として人気の「ETF(上場投資信託)」。一体どのような商品なのだろうか。今回はETFについてとそれを運用するときの注意点について紹介しよう。
■低い金額から購入できる投資信託
ETFは証券取引所に上場されているタイプの投資信託で、株式と同じように売買することができ、一般の投資信託よりも低い購入金額から始められることが特徴的な金融商品だ。株式と同じように市場が開いている間は値動きをしていて、証券会社を通し誰でも売買可能となっている。
魅力はなんといっても最低購入金額の低さにある。個別株の投資では数万〜数十万円の資金を必要とするのが一般的だが、最低取引金額が数千円からと少額なので、わずかな資金でも投資ができる。また、複数口数をまとめて買いやすいので、分割売りをすることでリターンを得やすいというメリットがある。さらに、運用コストは信託報酬が0.1〜1%程度とインデックスファンドを含む一般的な投資信託と比べて低くなっており、長期投資に適している。
■わかりやすく初心者でも始めやすい
投資対象がわかりやすいのもETFの魅力のひとつだ。ほとんどのETFは株価指数に連動する形となっている。そのため、日本株に興味があるなら日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動するタイプのものを、先進国株に興味があるならMSCIコクサイインデックス(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナルの株価指数)に連動するタイプなどを選ぶことができる。一般的な投資信託の場合、様々な運用会社の商品があるため、どれを選べばよいか分からないという人もいるだろう。また、投資信託によって販売会社が違うので、自分の保有している証券会社口座で欲しいと思った投資信託を購入できるとは限らない。
その点ETFの場合は運用会社を選ぶ必要があまりなく、どこの証券会社からでも市場を通じて買い付けをすることが可能だ。ネット証券など24時間稼働しているところなら、夜に注文しておくと、翌朝、市場が開けば自動的に買い付けができるのでとても便利だ。
「個別株は値動きが激しすぎる」「株式投資に興味はあるが、どんな会社を選べば良いのかよくわからない」と考えている人におすすめだ。また、指標の情報をニュースなどで日々目にすることができて、値動きや損益が把握しやすく初心者でも比較的始めやすい。
■分けて投資することでリスクを低減
ETFは幅広く分散投資しているため、1本購入するだけで複数の商品に投資したのと同じ効果が得られ、投資のリスクを低減することができる点もメリットだ。たとえば、TOPIXに連動するETFを購入すると、東証一部に上場している全銘柄を保有するのと同じ効果が期待できる。日本株のほか、外国株やREIT(不動産投資信託)、商品などの指標に連動するものなど種類は豊富だ。値動きの異なるETFを組み合わせることで国際分散投資を実現できるだろう。
なお、ETFはネット証券で買うと有利になることが多い。なぜなら、ネット証券は既存の大手証券会社より売買手数料が格安なことが多いからだ。口座開設維持費に関してはほとんどどこでも無料なので、これからネット証券を始める人にはうれしいポイントだろう。ネット証券によっては「フリーETF」と称して売買手数料を無料とするサービスや、国内ETFを購入すると無料でロボットアドバイスサービスを受けられる会社もある。ネット証券をうまく活用することで、賢く、安く資産運用することが可能となる。
ちなみに、ETFの中で“レバレッジ型”というタイプが人気を集めており、株価指数の動きの2倍の値上がりをしたり、逆に株価指数が値上がりしたら同じだけ値下がりするタイプなどがある。たとえば、「日経平均レバレッジ型」の場合、日経平均株価が2%値上がりすれば、2%値上がりする。「日経平均ダブルインバース・インデックス型」の場合は、日経平均株価が2%値下がりしたら、4%値上がりするという形だ。市場が上昇基調のときはより値上がり益を得られたり、急に値下がりした時の保険として利用できたりする。ただし、暴落などが起きると、2倍の損失を出すといったリスクがある。投資初心者はまず一般的なETFを利用し、値動きに慣れたところでほかのタイプを検討したほうがいいだろう。
(文/経済ジャーナリスト 酒井富士子)
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■低い金額から購入できる投資信託
ETFは証券取引所に上場されているタイプの投資信託で、株式と同じように売買することができ、一般の投資信託よりも低い購入金額から始められることが特徴的な金融商品だ。株式と同じように市場が開いている間は値動きをしていて、証券会社を通し誰でも売買可能となっている。
魅力はなんといっても最低購入金額の低さにある。個別株の投資では数万〜数十万円の資金を必要とするのが一般的だが、最低取引金額が数千円からと少額なので、わずかな資金でも投資ができる。また、複数口数をまとめて買いやすいので、分割売りをすることでリターンを得やすいというメリットがある。さらに、運用コストは信託報酬が0.1〜1%程度とインデックスファンドを含む一般的な投資信託と比べて低くなっており、長期投資に適している。
■わかりやすく初心者でも始めやすい
投資対象がわかりやすいのもETFの魅力のひとつだ。ほとんどのETFは株価指数に連動する形となっている。そのため、日本株に興味があるなら日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動するタイプのものを、先進国株に興味があるならMSCIコクサイインデックス(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナルの株価指数)に連動するタイプなどを選ぶことができる。一般的な投資信託の場合、様々な運用会社の商品があるため、どれを選べばよいか分からないという人もいるだろう。また、投資信託によって販売会社が違うので、自分の保有している証券会社口座で欲しいと思った投資信託を購入できるとは限らない。
その点ETFの場合は運用会社を選ぶ必要があまりなく、どこの証券会社からでも市場を通じて買い付けをすることが可能だ。ネット証券など24時間稼働しているところなら、夜に注文しておくと、翌朝、市場が開けば自動的に買い付けができるのでとても便利だ。
「個別株は値動きが激しすぎる」「株式投資に興味はあるが、どんな会社を選べば良いのかよくわからない」と考えている人におすすめだ。また、指標の情報をニュースなどで日々目にすることができて、値動きや損益が把握しやすく初心者でも比較的始めやすい。
■分けて投資することでリスクを低減
ETFは幅広く分散投資しているため、1本購入するだけで複数の商品に投資したのと同じ効果が得られ、投資のリスクを低減することができる点もメリットだ。たとえば、TOPIXに連動するETFを購入すると、東証一部に上場している全銘柄を保有するのと同じ効果が期待できる。日本株のほか、外国株やREIT(不動産投資信託)、商品などの指標に連動するものなど種類は豊富だ。値動きの異なるETFを組み合わせることで国際分散投資を実現できるだろう。
なお、ETFはネット証券で買うと有利になることが多い。なぜなら、ネット証券は既存の大手証券会社より売買手数料が格安なことが多いからだ。口座開設維持費に関してはほとんどどこでも無料なので、これからネット証券を始める人にはうれしいポイントだろう。ネット証券によっては「フリーETF」と称して売買手数料を無料とするサービスや、国内ETFを購入すると無料でロボットアドバイスサービスを受けられる会社もある。ネット証券をうまく活用することで、賢く、安く資産運用することが可能となる。
ちなみに、ETFの中で“レバレッジ型”というタイプが人気を集めており、株価指数の動きの2倍の値上がりをしたり、逆に株価指数が値上がりしたら同じだけ値下がりするタイプなどがある。たとえば、「日経平均レバレッジ型」の場合、日経平均株価が2%値上がりすれば、2%値上がりする。「日経平均ダブルインバース・インデックス型」の場合は、日経平均株価が2%値下がりしたら、4%値上がりするという形だ。市場が上昇基調のときはより値上がり益を得られたり、急に値下がりした時の保険として利用できたりする。ただし、暴落などが起きると、2倍の損失を出すといったリスクがある。投資初心者はまず一般的なETFを利用し、値動きに慣れたところでほかのタイプを検討したほうがいいだろう。
(文/経済ジャーナリスト 酒井富士子)
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