猫の手術費用、相場はいくら? 病気別の治療費や病院代が高い理由、入院費等その他費用も解説
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ただし、猫は人間と違い公的な健康保険がなく、手術にかかる費用は全額飼い主の負担となりますので、実際どのくらいの費用が必要になるのか、不安に思う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、猫がケガや病気をした際の手術費用の目安や高額負担に備える方法について解説します。猫を飼い始めたばかりの人やペット保険の加入を考えている人は、参考にしてください。
監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢
日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
目次
猫の手術費用は20万円前後が目安!高額になりやすい理由
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アニコム ホールディングス株式会社「家庭どうぶつ白書2023」によると、疾患ごとの1頭当たりの年間診療費は、「誤飲」で平均14万円台、「膀胱結石」で18万円台、「尿道閉塞」で22万円台と、手術を伴うケースでは高額になる傾向があります。
ただし、実際の費用は病院ごとや地域差によっても大きく変わります。
また、動物病院は自由診療のため、同じような治療内容でも費用は病院ごとに異なります。設備や医療機器、術後の管理体制などによっても差が出るため、診療費に幅が生じるのです。
病気やケガの異変に気づきにくく重症化しやすい
そのため、ケガや病気の症状が初期の場合、異変を感じ取るのは難しく、明らかに様子がおかしいときには病状がかなり進んでいることが多いようです。
なお、病気の初期であれば内科的処置で済んだはずが、病状が進んだことで手術などの外科的処置が必要となり、治療費が高額になるケースがあります。
誤飲や慢性疾患など猫特有のトラブルが多い
飲み込んだ異物が腸に詰まると、腸閉塞を引き起こし、開腹手術が必要になることもあります。こうした突発的なトラブルは緊急性が高く、検査や手術、入院を伴うため、治療費が高額になりやすい点に注意が必要です。
また、猫は慢性疾患にもかかりやすい傾向があります。特に高齢猫に多い慢性腎臓病は、一度発症すると完治が難しく、長期的な通院や投薬、点滴などの継続的な治療が必要になります。
そのため、1回あたりの費用はそれほど高額でなくても、治療が長期化することで結果的に医療費の負担が大きくなるケースも少なくありません。
獣医療の高度化に伴い医療機器や設備コストが反映される
猫の医療費を高いと感じることがあっても、その背景には高度な技術や安全管理のためのコストがあることを理解しておくことが大切です。
猫の手術理由TOP10と症状別の費用一覧
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1位 歯周病/歯肉炎(乳歯遺残に起因するもの含む)
2位 消化管内異物/誤飲
3位 そのほかの皮膚の腫瘍
4位 膀胱結石
5位 全身性の腫瘍
6位 そのほかの全身性疾患/症状
7位 嘔吐/下痢/血便(原因未定)
8位 そのほかの泌尿器疾患
9位 外傷(挫傷/擦過傷/打撲)
10位 尿道閉塞
歯周病/歯肉炎
歯周病や歯肉炎は治療が難しく、一度発症すると改善までに時間がかかることも少なくありません。治療方法は病状によって異なりますが、内服薬の投与や歯石除去、抜歯などが行われます。
また、歯周病が進行すると歯が抜けることもあり、重症化すると手術が必要になることもあります。1頭あたりの年間診療費は中央値で5万6,265円、平均値で6万7,408円です。
消化管内異物/誤飲
下記のものを誤飲した場合は特に危険なため、必ず動物病院を受診するようにしてください。
・猫や子供のおもちゃ
・骨や竹串、つまようじ
・乾燥剤
・保冷剤
・ボタン電池
・洗剤
・殺虫剤
・人間の薬
・たばこ
誤飲後すぐに受診し、催吐剤(嘔吐を誘発する薬)で吐き出させることができた場合は比較的軽い費用負担で済むこともありますが、内視鏡での摘出や開腹手術が必要になると費用は高額になり、1頭あたりの年間診療費は中央値で12万5,163円、平均値で14万2,745円にのぼります。
また、異物誤飲は緊急手術や夜間救急での対応になるケースも多く、その場合は時間外料金が加算されることもあります。
皮膚の腫瘍
悪性の腫瘍には、リンパ腫、肥満細胞腫、乳腺腫瘍、扁平上皮がんなどがあり、特に皮膚がん(メラノーマ)は猫の皮膚の腫瘍の中でも進行が速く、悪性度が高いとされています。
膀胱結石
症状としては「トイレに行く回数が増える」、「頻繁にトイレに行くのに尿が少量しか出ない」、「排尿時に痛がる」、「血尿が出る」などが挙げられます。
1頭当たりの年間診療費は中央値で15万6,112円、平均値で18万5,467円ですが、治療法は結石の種類によって異なり、ストルバイト結石の場合は療法食による食事療法で溶かせることもあるため、必ずしも手術が必要になるとは限りません。
転移しやすい腫瘍
良性腫瘍と比べると、進行の速度が非常に速く、再発して別の臓器に転移すると、発生した臓器だけでなく、全身を重篤な状態に陥れることがあります。
1頭あたりの年間診療費は中央値で7万8,364円、平均値で9万4,992円ですが、悪性腫瘍の治療は手術で終わりではなく、その後の抗がん剤治療や放射線治療が数か月〜数年にわたって続くことも多いため、治療の総額では数十万〜100万円を超えるケースもあります。
そのほかの全身性疾患/症状
「エリテマトーデス」とは、自己免疫性疾患のことで、自分の免疫反応により主に皮膚に炎症を引き起こす疾患です。全身性エリテマトーデスでは、皮膚だけでなく腎障害や貧血、関節炎など複数の部位に異常が現れます。
慢性腎疾患
慢性腎疾患は、猫の腎臓が長期間にわたって損傷を受けることで、その機能が低下する疾患です。
糖尿病
糖尿病は、猫の体がインスリンを十分に生産しなかったり、正常にインスリンを使用しなかったりすることで血糖値が上昇する疾患です。
・猫が糖尿病になったら?症状や原因、治療法を解説
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、甲状腺が過剰にホルモンを分泌する疾患です。
・猫の甲状腺機能亢進症とは?症状や原因、治療法を解説
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患は、猫の消化管に慢性的な炎症が見られる疾患です。
ただし、これらの疾患は投薬や定期検査が年単位で続くため、月々の維持費が長期間にわたって発生します。また、糖尿病性ケトアシドーシスの合併や慢性腎臓病の末期など、入院が必要になった場合は費用が高額になります。
嘔吐/下痢/血便
異物を誤飲した場合は、異物が腸内を傷つけて出血し、血便につながることがあるため、異物を取り除くため開腹手術の必要が生じるケースもあります。1頭あたりの年間診療費は中央値で10万2,548円、平均値で12万5,218円です。
そのほかの泌尿器疾患
そのため、猫は腎臓に負担がかかりやすく、泌尿器疾患にかかりやすい性質を持っています。
1頭あたりの年間診療費は、中央値で32万2,498円、平均値で38万5,484円です。
外傷(挫傷/擦過傷/打撲)
軽度の擦過傷や打撲であれば、消毒や投薬などの処置で数千円程度で済むケースも多い一方、交通事故による複雑骨折や内臓損傷といった重篤なケースでは、手術や長期入院が必要となり、数十万円〜100万円単位の費用がかかることもあります。
このように、外傷は軽傷と重傷で診療費が大きく二極化しやすいのが特徴です。1頭あたりの年間診療費は、平均値8万4,634円、中央値で5万5,385円ですが、実際には軽傷なら数千円、重傷なら数十万円以上と幅が大きいため、あくまで参考値としてお考えください。
尿道閉塞
猫の尿道閉塞の原因は、結石(尿路結石)が尿道に詰まる、腫瘍が尿道を圧迫するなどさまざまですが、外傷による血のかたまりが尿道に詰まることもあります。
尿道閉塞が起こると、猫はしきりに排尿姿勢を取りますが、尿がぽたぽた垂れる、あるいは全く出ない状態なら非常に危険です。早急に受診しましょう。
1頭あたりの年間診療費は、中央値で19万5,620円、平均値で22万4,694円です。なおカテーテルによる閉塞解除と数日の入院で済む場合は数万〜十数万円程度ですが、閉塞を繰り返す場合に行われる「会陰尿道瘻設置術(尿道を広く作り直す手術)」が必要になると、費用はさらに高額になります。
猫の入院費用相場はいくら? その他費用の目安も紹介
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「家庭どうぶつ白書2023」によると、「その他の泌尿器疾患」の年間診療費は、平均8.7万円、「慢性腎臓病(腎不全含む)」は平均7.6万円、「消化管内異物/誤飲」は平均13.3万円、「尿道閉塞」は平均10.6万円です。
また、入院費は1日ごとに加算されることが多く、そこに検査費用、投薬費用、点滴やカテーテルなどの処置費用が加わります。そのため、手術費用だけを見ていると実際の支払額との差が大きくなることもあります。
子猫の入院・集中治療にかかるその他費用
また、成長途中の子猫は消化器の働きも未熟なため、体調が急変しやすい傾向があります。軽い不調に見えても、受診後に入院を勧められるケースもあり、診察料や検査費用に加えて、入院費や点滴費用などが発生します。
重症化を防ぐためにも、早めに受診することが大切です。
その他入院中にかかる費用:猫のカテーテル処置や点滴管理など
また、慢性腎臓病や脱水がある場合には、状態を安定させるために点滴管理が行われます。
入院費を考える際は、入院そのものの料金だけでなく、入院中に行われる処置の費用も確認しておくと安心です。
猫の去勢手術、避妊手術の費用はどのくらいかかる?
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それぞれの手術にかかる費用の目安を見ていきましょう。
去勢手術の費用
獣医師と相談しながら、早めに去勢手術を検討するとよいでしょう。
ただし、これは手術代単体の金額であり、実際には術前検査代、全身麻酔代、術後の診察代などが加わるため、総額では2〜3万円程度になることが多いようです。
費用は動物病院によって異なりますので、事前に確認しておくと安心です。
避妊手術の費用
ただし、こちらも去勢と同様、実際には術前検査代や全身麻酔代、術後の診察代などが加わるうえ、避妊手術の場合は入院費も追加されますので、総額では3〜5万円程度になることが多いようです。
避妊手術費用も、動物病院によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
猫の手術費用を払えない時は?高額な病院代に備える方法
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症状や治療内容によっては、診療費が数万円で済む場合もありますが、手術や入院が必要になると数十万円単位の負担になることもあります。
突然の出費に慌てないためには、万が一に備えてあらかじめ準備しておくことが大切です。日頃から治療費の目安を知っておくことに加え、ペット保険の活用や健康管理を意識することで、費用面の不安を軽減しやすくなります。
ペット保険への加入で手術や通院の負担を軽減する
定期的な健康診断や予防で手術リスクを下げる
「誤飲しやすいひもや小物を猫の届く場所に置かない」
「水分をしっかり取れる環境を整える」
「食事や体重の変化を日頃から確認しておく」
といった工夫は、病気やトラブルの予防につながります。
猫のケガや病気による高額な手術費用に備えてペット保険への加入がおすすめ
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基本的に、猫の治療費は全額飼い主の自己負担のため、手術が必要になった場合は、手術費用だけでなく入院費や退院後の通院費も必要です。治療費として数十万円かかる場合もあります。
ペット保険の主な補償対象は通院・入院・手術の3つです。健康診断や予防接種、避妊・去勢手術などは補償対象外になるのが一般的ですが、ケガや病気による幅広い治療費をカバーできるため、万が一の備えとして役立ちます。保険会社や商品によって、補償内容や保険料が大きく変わるため、比較検討するとよいでしょう。
オリコンでは、日本最大級の規模で実際の利用者による満足度調査を行い、毎年「ペット保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。保険料はもちろん、ペットの種類別や適用内容別など、さまざまな視点でのランキングをご確認いただけますので、ぜひ保険会社選びの参考にしてください。
監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢
日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。
・獣医がん学会
・日本エキゾチックペット学会
・鳥類臨床研究会(鳥類臨床研究会認定医)
・爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会
●まさの森・動物病院
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。