ネット証券における決算時期の考え方や役に立つポイント

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ネット証券で取引を行う魅力のひとつとして、決算についての情報が充実している点があります。企業の成績発表ともいえる「決算発表」は、株価に大きな影響を与える要因のひとつです。単純に決算といってもいくつか種類があり、それぞれ読み取ることができる情報は異なってきます。

 値上がり益を目的として投資するほか、配当金や株主優待を目的とする場合にも決算についての知識は欠かせません。正しく理解をしていないと、株を購入したのに配当金をもらえないという事態を招いてしまいます。

 今回はまず決算についての基本事項を押さえた上で、ネット証券でどのような決算情報を得られるかなどを紹介し、知っておくと得するポイントも解説していきます。

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 決算とは、企業が1年間の収入と支出を計算し、利益や損失の状況を明らかにすることです。決算には大きく分けて、「本決算」・「中間決算」・「四半期決算」の3種類があります。

 本決算とは決算月の末日時点までの1年間の損益を集計することです。上場企業の場合は、あわせて「次期の業績予想」も発表します。「決算月」は企業が決めることができますが、企業の決算月で多いのが3月です。また、決算月の末日(権利確定日)時点で株主名簿に記載されている株主、つまり権利確定日から3営業日前時点で株を保有している人に対して配当金や優待を提供している企業がほとんどです。

 中間決算とは、決算月から半年時点での決算です。半年時点で集計することで、企業の業績予想に対しての現状を把握できるだけでなく、配当金をもらえるように定めている企業がほとんどです。

 決算月から3ヶ月ごとの決算四半期決算といい、年に4回発表をすることで、中間決算よりも細かいタイミングで業績の進捗状況を確認できます。1年のうち最初の四半期から順番に「第1四半期」「第2四半期」のように表し、「第1クォーター」「第2クォーター」と使われることもあります。第3四半期では、1年の業績予想に対しての進捗率の精度も上がり、大幅に違いがある場合は、業績予想の上方修正・下方修正が発表されることもあります。

 【例:決算月が3月の企業の場合】
 本決算3月
 中間決算9月
 第1四半期6月
 第2四半期9月
 第3四半期12月
 第4四半期3月
 【ネット証券の取引において決算時期に気を付けるポイント】
 本決算と中間決算の時に気を付けるポイントに、「権利付き最終日」と「権利落ち日」があります。どちらも配当金や株主優待の権利にまつわる日です。権利付き最終日までに株を購入あるいは保有している場合、配当金や優待の対象になりますが、権利落ち日に保有しても対象となりません。権利付き最終日は「決算月の最終営業日から数えて4営業日前」、権利落ち日は「決算月の最終営業日から数えて3営業日前」と覚えておきましょう。せっかく株を購入して株主になっても、次の決算まで配当金や優待がもらえないという事態になりかねませんので重要なポイントです。

 【例】
  3月28日:権利付き最終日3営業日前
  3月29日:権利落ち日2営業日前
  3月30日:
  3月31日:権利確定日

 この例でいえば、3月28日に株を購入し、29日に売却しても31日時点はまだ株主とみなされ、配当金や優待の対象となります。

 【決算時期に注目すべき銘柄とは】
 配当や優待を実施している銘柄(企業)は、決算時期に注目しておきましょう。すでに紹介した通り、本決算月や中間決算月の末日時点での株主を配当や優待の対象としますので、その権利を得るためには決算時期の確認は必須です。3月を本決算とする企業が多いですが、3月以外に決算月を設定している企業もあります。株主としての権利を得るチャンスは毎月あります。

 【権利付き最終日に有利なネット証券会社はあるか】
 「PTSという私設取引システム」を利用できるネット証券会社は取引時間において有利といえるでしょう。PTS取引では証券取引所を介さないため、通常の取引所での取引時間外でも株式の売買ができるという特長があります。上場企業の決算発表は、株式市場の取引終了後の15時に行われるのが一般的です。決算内容の良し悪しは当然、株価に影響する要因となりますが、通常は発表翌日の取引時間の開始後でないと売買できません。しかしPTS取引を利用すれば、翌日の取引時間までに売買できる可能性があります。2017年3月時点でのPTS取り扱いネット証券はSBI証券のみです。
 【決算内容を予想する方法とは】
 ネット証券会社の情報ツールを活用して、企業の決算内容を予想することができます。もっとも手軽に予想を確認できるのは、3・6・9・12月に発売される会社四季報の情報です。ほとんどのネット証券で無料で閲覧でき、企業発表とは異なる四季報独自の業績予想を見ることができます。すべての企業がそうではありませんが企業が後々の下方修正を恐れて控え目な決算予想を立てるのに対し、四季報は会社四季報編集部の判断で実情に近い予測を出しています。上場企業すべての情報が掲載されているのはもちろん、専門家であるアナリストがフォローしていない銘柄の業績予想を確認できるのもメリットです。

 【決算比較をする方法とは】
 四半期決算ごとに発表される売上高や営業利益などを比較すると、企業の業績予測に対する進捗具合が確認できます。仮に単純に通期目標の25%を、四半期ごとに達成していれば、当初の予想通りに目標を達成できます。もし、第1四半期で通期予想に対して進捗率が50%となっていた場合、企業が業績予想を上方修正するケースもあるかもしれません。ネット証券によっては、この業績予想の達成に対する進捗率を表示してくれる情報ツールもあります。

 【決算説明会と決算予想の関係】
 決算説明会とは、企業がアナリストやファンドマネージャーなどを招待し、企業の決算情報を説明する会のことです。アナリストはこの情報を精査し、独自に決算予想をしてレポートを作成します。企業の通期予想と大幅に差がある内容だと、株価への影響も大きくなることがあります。

 株式取引をする上で、決算発表はチェックするべき重要なイベントです。売買する銘柄の決算月を確認し、企業から発表された情報や、四季報およびアナリスト予想などを活用することで、投資判断を有利に進められるでしょう。
 
 なお、ネット証券会社によって提供される情報に違いがあります。例えば、企業の決算発表後にリアルタイムで情報詳細を確認できるサービスや、業績の推移をグラフで確認できるサービス、3期先の決算予想まで見られるツールなどがあります。ネット証券各社の提供する情報をうまく活用し、投資でより良い成果を出せるようになりましょう。
●ご利用の際のご注意事項(必ずお読みください)(外部リンク)

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