『iPhone7』は日本の文化が世界に広がるきっかけになる!?
『iPhone7』の事前予約件数は、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社とも過去最高に達したという。今、“最強のスマホ”とも呼ばれているが、経済効果は期待できるのか? 森永卓郎氏が分析していく。
>>新機能搭載の背景にあるのは、“日本がiPhone成長市場”という現実
>>最大の効果は“おサイフケータイ”の国際化 売れるほど日本メーカーも儲かる
新機能搭載の背景にあるのは、“日本がiPhone成長市場”という現実
創業者のスティーブ・ジョブズ氏が亡くなったことも大きいですね。彼は徹底的にユーザーの立場で発言をする人だったので、次々に斬新な製品を開発することができた。それが、iPhoneひいてはアップル成長の源泉でした。彼亡き後にできた『iPhone6/6s』などには、画期的な機能の追加はできていなかったと、僕は思います。
だからこそアップルは追い詰められて、最後の牙城である日本で受ける機能、Felicaを搭載してきたのでしょう。
最大の効果は“おサイフケータイ”の国際化 売れるほど日本メーカーも儲かる
僕もそうですが、“おサイフケータイ”は一度使うとやめられません。こんなに便利なものはないですよ。コンビニで買い物するのも、電車や飛行機に乗るのも、スマホをピっとかざせばできる。その癖がつくと、乗車券や搭乗券なんて探していられなくなるんです(笑)。日本ではすごく大きな需要が出ると思いますよ。
また、iPhoneの大半の部品には、日本メーカーのものが使われている点も忘れてはいけません。ソニーをはじめ、『iPhone7』が売れることで、儲かるメーカーは多いのです。経済効果としては見逃せないポイントですね。
世界中、どこに行ってもスマホ一台で買い物から飛行機搭乗まで可能という便利さを知ってしまえば、その機能ほしさに『iPhone7』を買う人は多いでしょう。Androidにとっては脅威といえますが、現在は格安スマホも台頭してきています。新しいライバルに『iPhone7』は勝つことができるのか? これからも注目していきましょう。
1957年7月12日生まれ、東京都出身。東京大学経済学部卒業。日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局などを経て、1991年から株式会社三和総合研究所(現:三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング)の主席研究員を経て、現在は獨協大学教授。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。