2015年05月01日 09時00分

楽しくわかる【東証】社会科見学! 必見ポイントは「マーケット・センター」

「東証アローズ」に社会科見学! メインはやはり「マーケット・センター」 (C)oricon ME inc. [拡大する]

「東証アローズ」に社会科見学! メインはやはり「マーケット・センター」 (C)oricon ME inc.

 日本最大の金融取引所として知られる「東京証券取引所」(以下、東証)。前回は、同所が気軽に見学できる魅力的な観光スポットであることを紹介した(関連記事を参照)。今回からは、この東証の見学ポイントや楽しむコツについて、もう少し詳しく解説していこう。

 第2回では、東証のメインともいえる「マーケット・センター」を中心とした、2階・中2階エリアの見どころを深堀りする。

■ガラスシリンダーの中で取引を監視する「マーケット・センター」
 巨大なエスカレーターで2階のフロアへ上がり、奥に向かって歩いていくと、目に飛び込んでくるのは、テレビのニュースなどでよく見る「マーケット・センター」の光景。大きなガラスシリンダーの上部で、株価の表示が流れる円形の電光掲示板だ。絶え間なく、ぐるぐると回り続ける巨大電光掲示板は迫力満点。これを見ただけでも、まさに「東証に来た!」という気分になれるはずだ。

 直径17メートルのガラスシリンダー覆われた「マーケット・センター」では、日々、マーケット監理業務が行われている。内部をのぞき込んでみると、端末機の前で取引を監視し続けている人たちの真剣な様子がうかがえる。

 このマーケット・センターは、1999年4月まで株券取引立合場であった跡地。テニスコート4面分ほどの立会場に、大勢の立会人たちががやがやとひしめいて、手サインを出しながら取引を行う…。15年くらい前までは、そんな光景が広がっていた。現在は静かで洗練された空間に生まれ変わっているが、当時の光景をご存知の人にとっては、懐かしむことができるだろう。

■ぐるぐる回る電光表示は何?
 ガラスシリンダーの上部にある円形の電光掲示板は「チッカー」という。立会場閉鎖後の2000年5月に、現在のマーケットアクティビティを表わす象徴として作られたもの。チッカーの円周は約50メートルで、取引の成立した銘柄名と株価が次々と表示され、絶え間なく流れていく。円の外側と内側の表示は常に同じであるとのことだ。ちなみに、流れ続ける電光表示にはかなり電力を使うので、東証の電気代は年間で億単位にもなる。

 ところで、このチッカーの表示は流れる速度がときどき変化するのをご存じだろうか。スピードは8段階にわかれていて、成立した取引が多くなれば速くなるし、取引が少なくなれば遅くなる。つまり、回る速さを見れば、そのときの取引の状況がわかるというわけだ。

 私たちの取材時は、遅い方から3段階目くらいの速さだったそうだが、それでも間近で見ると、かなり速く回っているように感じられた。これが最速のスピードとなると、あまりの流れの速さに、文字も数値も判別不能になるほどであるとのこと。見学時には、チッカーの回るスピードにも注目してみると面白いだろう。

 ただし、チッカーの表示を見続けていると、酔って気分が悪くなってしまうことがあるので、ご注意を。「チッカー酔い」を防ぐには、なるべく内側の表示を見るのがコツ。流れるスピードが速いときほど気をつけるべきだ。

■起業家が憧れる「上場の鐘」
 2階フロアから、マーケット・センターを挟んだ向かい側にあるVIPテラス。ここには、上場セレモニーで、新規上場会社が打鐘する「上場の鐘」がある。見学時には、鐘のあるテラス内には入れないが、フロアや見学回廊からガラス越しに見ることができる。

 昭和10年ごろまで取引開始の合図に使われていた「上場の鐘」。現在は、上場セレモニーの記念のほか、大発会や大納会などの場面で鳴らされる。ちなみに、上場記念のときに打鐘する回数は、「五穀豊穣」を祈願するために5回とされているそうだ。

 マーケット・センターの周囲ある「見学回廊」も見どころの一つ。ここを歩けば、マーケット・センターを一望でき、国内外の報道機関のスタジオのあるメディアセンターも見える。この回廊は、もともと立会場を見るために使われていたもの。壁には、東証の歴史や過去のイベントの写真パネルなども展示されており、長い歴史を感じることができて興味深い。途中には飲食ができるスペースもあるので、ここで一息つくこともできる。

■大型スクリーンのある「オープン・プラットフォーム」
 回廊を一周したら、エスカレーターで中2階へ。降りたところにあるのは「オープン・プラットフォーム」。株価や為替相場がリアルタイムで表示される大型スクリーンが印象的だ。ここはセレモニーやイベントなどが行われる多目的スペース。上場記念式典、大発会や大納会などによく使われる。

 新規上場企業の役員たちは、ここで式典に参加し、緊張と喜びの入り混じった面持ちで記念撮影を行う。まさに新規上場の晴れ舞台ともいえる場所だ。

 スクリーン上には、通常マーケットの状況が表示されているが、新規上場を祝賀する際やVIPの訪問時には、歓迎コメントが表示されることもある。大型スクリーンをバック記念撮影すれば、上場企業の社長気分を味わえるかもしれない。東証ならではの写真が撮れる撮影ポイントなので、抑えておくといいだろう。

 そのほか、2階のフロアには「マーケット・エクスペリエンス・コーナー」という株式投資を疑似体験できるスペースがある。ここもかなりの人気スポットなので、次回はこのコーナーについてお伝えしたい。

(記事/川口沙織)

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