知識ゼロでもわかる【経済用語】 “プロ野球”に例えて「郵政3社上場」を解説!

今話題の「郵政3社上場」を“プロ野球”に例えると…? 難しい経済用語を簡単解説! [拡大する]

今話題の「郵政3社上場」を“プロ野球”に例えると…? 難しい経済用語を簡単解説!

 日々、新聞やニュースで目にする経済用語。社会人として当然知っているべきものだが、ちゃんと理解している人は意外に少ないのではないだろうか。そんな「いまさら聞けない」という経済用語を時事ネタに絡めて3つ解説する。

 今回は大きな注目を集めた日本郵政グループ3社の「株式上場」と「公募価格」、そして「初値」を取り上げる。

 日本郵政とゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の郵政グループ3社は今月4日、東証第1部に株式上場を果たした。注目の初値は、日本郵政が公募価格の1400円に対し17%高の1631円、ゆうちょ銀は公募価格1450円に対し16%高の1680円、かんぽ生命の初値は2200円だった公募価格より33%高の2929円となった。順調な滑り出しに、日本郵政グループの関係者のみならず、日本政府からも歓迎する発言が相次いだ。

 日本郵政グループ3社の株式上場は、プロ野球で「大型新人」がデビューしたようなものだ。株式市場は企業という選手がプレーをしている野球リーグであり、株価はその成績に相当する。

 優れた選手だけがプロ野球でプレーできるように、株式市場、とりわけ国内最高峰の東証第1部で取引されるのは、厳しい審査に合格した規模や収益力などに優れた企業だけ。日本郵政グループ3社は、政府が長年にわたって育ててきた「大型新人」であり、満を持しての東証第1部への上場となったのだ。

 プロ野球の新人選手はドラフト会議で所属球団が決まり、多額の契約金が支払われる。事前の調査によって選手の価値が決められるわけだが、本当の価値は実際にプレーしてみて初めてわかるもの。そのため、多額の契約金を支払ったものの試合では活躍できず、「高い買い物だった」などと失望を買うことも珍しくないのだ。

 株式上場も同じことがいえる。株式上場における契約金に相当するのが公募価格で、投資家による事前の評価で決定される。だが、公開価格が妥当かどうかは、株式市場で実際に取引されてみないとわからない。株式市場に上場された株式に最初に付けられた株価が初値で、デビュー戦の結果に相当する。初値が公募価格より高くなれば、契約金以上の活躍をしたことになり、反対に下回れば期待外れに終わったことになる。デビュー戦の結果である初値に大きな注目が集まるのはこうした理由からなのだ。

 日本の株式市場において、最も注目された新人はNTTで、1987年の株式上場には日本中の注目が集まった。結果は公募価格の119万7000円に対して160万円の初値を付け、見事にデビュー戦を飾った。一方、1994年に株式上場されたJT(日本たばこ産業)の初値は、公募価格の143万円を下回る119万円。大きな期待を背負って登板したものの、相手打線に打ち込まれて負け投手になってしまったというわけだ。

 だが、初値はあくまでもデビュー戦の結果であり、上場された株式はその後も激しい戦いを続けて行く。公開価格を大きく上回る初値をつけたものの、その後は株価が下落し、最終的には経営破たんという「引退」に追い込まれる企業も少なくないのだ。

 公募価格を大きく上回る初値を付けた日本郵政グループ3社。契約金を上回る活躍をデビュー戦で見せた大型新人だが、これからも活躍を続けられるのかどうか…。株式市場での厳しい戦いは始まったばかりである。

記事/玉手 義朗
1958年生まれ。外資系金融機関での外為ディーラーを経て、現在はテレビ局勤務。著書に『円相場の内幕』(集英社)、『経済入門』(ダイヤモンド社)がある。

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