“右肩上がりの推移”ラップ型ファンドって何? 魅力をわかりやすく解説

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【図表】「ラップ型とバランス型」信託報酬の比較

 ラップ型ファンド(投資信託)への資金流入が続いている。同ファンドは、2010年頃から設定、運用され始めた新しいタイプのファンドで、純資産総額は先月22日現在で1兆円を超えているのだ。では、今注目のラップ型ファンドとは、一体どのようなものなのか?

▼ラップ型ファンドって何?
 金融機関には、数千万円から数億円程度の運用資産がある富裕層向けに「ラップ口座」というものがある。ラップ(=wrap)には「包む」という意味がある。金融機関と顧客が投資一任契約を締結した上で、金融機関が顧客のニーズなどにあわせてオーダーメイドで包括的に資産運用・管理を行うもの。いわば、「資産運用を金融機関に全てお任せする」口座だ。一般的に、手数料は売買の都度ではなく、年間契約で決まる。ただし、「お任せ=運用成績が良い」とは限らない点は注意しなければならない。

 日本投資顧問業協会の「統計資料」によれば、同口座は2006年3月時点では契約件数2万2689件、契約金額3364億円だった。2015年12月現在では、契約件数46万1260 件、契約金額5 兆6711 億円と、右肩上がりで推移している。

 「ラップ口座」の考え方を投資信託に採用したものが「ラップ型ファンド(投資信託)」だ。ラップ型ファンドは、株や債券等複数の資産に分散投資を行うバランス型投資信託の一種。ファンドによっては、安定型、ミドル(安定成長)型、成長型等のコースがある。

 一般的な投資信託の場合、株式や債券への資産配分比率が決まっている。一方、ラップ型ファンドの場合には、経済・相場環境に応じてファンドマネージャーなどが資産配分比率を変更する点に特徴がある。

▼NISA運用に向いている
 複数の投資信託を保有する投資家が経済・相場状況に応じて、その資産配分をリバランス(=配分比率の調整)する場合、保有する投資信託の一部を売却し、新たに投資信託を購入することになる。そのため、購入手数料が必要となる。

 少額投資非課税制度「NISA」口座で投資信託を購入していた場合、毎年120万円(平成27年までは100万円)までの新規購入分については、その配当や譲渡益が最長5年間、非課税となる。当然のことながら、リバランスに伴って購入した投資信託が非課税枠を超えた場合、その超えた分は課税対象となる。

 ラップ型ファンドの場合、資産配分比率を変更したとしても、新たな投資信託を購入するわけではない。そのため、リバランスに伴ってNISAの非課税枠を超える恐れはなく、新たに購入手数料が必要となることもない。ラップ型ファンドは、NISA口座で年120万円以上、投資する投資家にはメリットがあるといえる。

▼手数料に注意
 ラップ型ファンドのデメリットは、手数料の高さだ。投資信託に係る手数料には、購入時に支払う0〜3%の購入手数料、運用期間中に運用残高から差し引かれる信託報酬などがある。

 バランス型投資信託593本の信託報酬を調べたところ、平均は年1.48%。一方、ラップ型ファンド79本では年1.6%。いずれも信託報酬が年1.0%以上2%未満のファンドが7割強を占める。また、信託報酬が年2%を超えるファンドは、バランス型が10.1%であるのに対し、ラップ型は17.7%。逆に信託報酬が年1.0%未満のファンドは、バランス型が15.6%であるのに対し、ラップ型は3.8%だった。(図参照)

 ネット証券では、SBI証券が24本、カブドットコム証券が7本、ラップ型ファンドを取り扱っている。SBI証券は一部、カブドットコム証券では7本全てがノーロード(購入手数料無料)だ。また、月500円からの積立投資も可能だ。

 ラップ型ファンドを購入する際は、手数料はもちろんのこと、メリット・デメリットをよく検討することをオススメする。

<記事/三次理加(マイアドバイザー登録FP)>
(株)りか代表取締役。ラジオNIKKEI第一「ファイナンシャルBOX」等に出演後、独立。2012年、経産省・産業構造審議会商品先物取引分科会委員。著書「商品先物市場のしくみ」(PHPビジネス新書)ほか。

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