「60歳までに3000万円貯める!」で投資するのは危険 【後編】

資産運用の際には、どのくらいの損失まで耐えられるか把握をして「最大損失額」を設定することが大切 [拡大する]

資産運用の際には、どのくらいの損失まで耐えられるか把握をして「最大損失額」を設定することが大切

 資産運用において、増やしたい金額目標を決めて投資に取り組むことは無理な運用につながる可能性があり危険である。前編では、“なぜ目標額を決めて投資に取り組むことが危険なのか”をお伝えした。後編では、逆転の発想として、「どのくらいの損失に耐えられるか」を考えて、運用の目標を設定する重要性を詳しく解説していく。

■最大許容損失額を考える

 資産運用を始めたばかりのころは、高いリターンが得られることばかりを夢想してしまうもの。これでは、株式相場に逆風が吹き荒れた際に慌ててしまうのも当然だ。常に最悪のケースを想定した上で、それが起こったときでも慌てないように、自分が許容できる範囲を超えた損失を被らないようにしておくことが大切である。

 そのためにも、まずは自分がどれくらいの損失までなら平静でいられるか、失っても耐えられる「最大損失額」を把握することが大切だ。具体的には、自分自身の資産状況を考えて、一時的にいくらの損失までなら致命的な問題にならないのかをイメージする。

■最大許容損失額をもとに目標利回りと資産配分を決める

 2008年にリーマンショクが起きた際、日本株式、外国株式、日本債券、海外債券の4つの資産に均等に投資をしていた場合、最大で3割程度資産が減ったといわれている。そこで、仮に自分が失っても耐えられる損失額が30万円だとする。その場合、投資額は30万円÷30%=100万円となり、投資してもよいお金の上限額は100万円となる。

 もちろん、耐えられる損失額の大きさには個人差がある。年齢や性格、家族の状況や投資経験など、よく考えたうえで、投資に回せる金額を確認し、目標利回りと各資産クラスへの配分を決めていくのだ。

■目標に届かない場合は?

 その結果、「○歳までに△△△万円に」という目標金額に足りないのであれば、リスクをとってお金を増やすことを考えるのではなく、今から貯めていくお金の額を増やすしかない。そして、貯蓄額が増えれば、一時的な損失として許容できる金額も大きくなり、投資に回せる資金を増やせるはずだ。

 取り返しのつかない失敗をしてしまわないためも、一時的に評価が下落しても耐えられる最大損失額を念頭に置きながら、各資産クラスへの投資配分を決めていく。そうすれば、リスクコントロールができた資産運用に取り組めるだろう。

<記事/高橋忠寛(ファイナンシャル・プランナー)> 株式会社リンクマネーコンサルティング代表取締役。東京三菱銀行・シティバンク銀行を経てFPとして独立。投資助言業者として資産運用のコンサルティング事業を展開(http://link-money.co.jp/)

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