JINSもFrancfrancも 株価でみる「ブランド名=社名」の価値とは

【図表1】社名をブランド名や商品名と統一した主な企業 [拡大する]

【図表1】社名をブランド名や商品名と統一した主な企業

 今年4月に自動車メーカー「SUBARU(スバル)」や眼鏡専門店「JINS(ジンズ)」、9月にはインテリア雑貨店「Francrfanc(フランフラン)」など、社名変更する会社が立て続いている。これらに共通しているのが、社名をブランド名や店舗名に統一しているということだ。企業はなぜ、会社の顔とも言える社名を変更するのだろうか。その狙いを探った。

■「自社名=ブランド名」で企業価値を高める意味も

 これまでも、社名を企業の代表的なブランドや商品名に変更したケースは数多い。その代表とも言えるのが「ソニー」だ。「ソニー」の名前の由来自体は、英語の“音”を意味する「SOUND」や「SONIC」の語源となったラテン語「SONUS(ソヌス)」や、「小さい」や「坊や」という意味をもつ「SONNY」から来ているが、ブランド名を決める時には、「なるべく簡単で、世界各国の人が発音しやすい名前で」というグローバルな発想が根底にあったという。その思惑通り、ソニーは日本のみならずアメリカでも人気を博し、ヒット商品を次々生み出していった。1958年には社名「東京通信工業」をブランド名と同じ「ソニー」に変更し、現在では世界中に知れ渡る人気ブランドとなっている。

他にも、寿屋が「サントリー」に、松下電器産業が「パナソニック」にするなど、社名変更によって知名度や企業価値を高めていった前例がある(図表1参照)。

■「SUBARU(スバル)」社名変更時に株価上昇

 今年4月、富士重工業が「SUBARU」へと社名変更した。飛行機会社を源流に持つ同社は、技術力と高い安全性が強みだ。過去には風力発電事業なども手がけていたが、現在は自動車と航空機事業に特化している。メインとなる自動車事業でも車格の絞り込みを図り、他社との差別化を図る。今回の社名変更も事業を絞り込む戦略の中で「SUBARUブランドを磨く」という思いが込められている。2012年以降は全世界販売台数、海外販売台数、連結売上高を5年連続で過去最高を更新し好調が続く。また、4月の社名変更の際には株価も上昇し、期待の高さが表れている(図表2参照)。

■「JINS(ジンズ)」となって市場価値が高まる

 メガネ専門店を展開するジェイアイエヌも4月、社名を「ジンズ」に変更した。ブランド認知度の向上を図り、グローバルブランドとして定着させる狙いだ。同社は2011年に発売したパソコン用メガネ「JINS PC」が大ヒット。2001年に1号店「JINS天神店」をオープンして以来、順調に店舗数を伸ばし、2016年には中国、アメリカの店舗を含め402店舗へと拡大している。東南アジアでの出店も検討中だ。4月1日の社名変更の際も、株価の上昇トレンドは継続。既存店売上高は7月まで11ヶ月連続で前年同月を上回り、市場の期待も高い(図表3参照)。

■「Francrfanc(フランフラン)」社名統一が起爆剤となるか

 インテリアショップを手がけるバルスは、9月1日付で社名を「Francfranc」に変更し、手がける店舗の名前と統一した。同社は高級インテリア雑貨店「バルストウキョウ」などの不採算ブランドを順次廃止し、主軸である「Francfranc」へ一本化。今後はターゲットを女性中心からユニセックスに拡大し、男性や家族でも使えるようなデザインも展開する予定だ。9月8日からは新ライン「Masterrecipe(マスターレシピ)」もデビュー。こだわりのつまった上質な商品を提供する。同社は2006年に東証一部に上場したが、2012年にはMBO(Management Buyout/経営陣による自社買収)により上場廃止となっている。今回の社名変更を起爆剤に、再び上場する日も近いか。

 このように、社名とブランド名の統一には、ブランド価値を高める狙いがある。消費者になじみのあるブランド名や店舗名を冠すれば認知されやすく、経営上有利になるからだ。新社名には、グローバル戦略でカタカナやローマ字表記が多いといった特徴もある。それぞれの会社が、社名変更を機にさらなる躍進を遂げるのか、注目だ。

(マネーライター・永井志樹子)

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