自営業者の老後不安を減らす一助に!? “イデコ”活用のメリット

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自営業者の老後不安は”イデコ”で解消できるのか?

 自営業者に対する公的年金は手薄く、自分でプラスアルファの老後資金を準備しなければならない。そんな自営業者にとって、個人型確定拠出年金(愛称「iDeCo」イデコ)は効率よく老後資産を上乗せして準備できる制度だ。老後不安を減らすため、個人型確定拠出年金への加入の効果を知っておこう。

■自営業者の公的年金の現状

 年金制度の説明をする際、加入できる範囲を「1階」「2階」「3階」と表現することが多いが、会社員の場合は2階部分がある厚生年金に自動的に加入し、なかには3階部分となる企業年金が用意されているところもある。それに対し、自営業者が加入する公的年金は1階部分の国民年金のみだ。2階、3階部分がある会社員と比較すると、将来もらえる年金は少ない。

 2017年度の老齢基礎年金は満額で77万9300円。これだけでは“豊かな老後”を過ごすことは難しく、自営業者は2階部分や3階部分を自分で上乗せして準備する必要がある。

■自営業者の個人型確定拠出年金は節税効果が高い

 自営業者は公的年金が手薄いだけに、個人型確定拠出年金に拠出できる掛け金上限は月6万8000円で、加入できる人の中で最高額だ。ただし、第1号被保険者が任意で加入する上乗せの公的年金「国民年金基金」や、国民年金の付加保険料も合算したうえでの限度額となる。掛け金は全額所得控除となるため、節税効果は大きい。

 もうひとつの大きなメリットは、受け取り時の節税効果だ。自営業者には退職金がない分、受け取り時の退職所得控除がフルで使えるので、全額非課税で受け取れる可能性も高い。

 退職金をもらうことのない自営業者は、本来、退職所得控除を活用するすべがないのだが、個人型確定拠出年金に加入すると、加入期間が勤続年数と同様にカウントされ、退職所得控除が適用される。また、退職所得控除額は国税庁によって計算式が定められており、拠出期間が2年未満の場合は【80万円】、拠出期間が2年以上20年未満の場合は【40万×拠出年数】、拠出期間が20年以上の場合は【800万+70万円×(拠出年数−20年)】となっている。控除の枠に収まる範囲で運用すれば、元本の全額を非課税で受け取ることができる。

■万が一の時も差し押さえ対象外

 自営業者にとって、経営悪化のリスクはつきものだろう。個人型確定拠出年金には、安心材料となる規約がある。それは、万が一事業が上手くいかず、自己破産することになったとしても、その資産は差し押さえ対象外となることだ。もちろん、起こってはならないことだが、緊急時にはきっと救いとなるだろう。加入してから受け取るまでの長い人生の途中でどんなことがあったとしても、老後を迎えた時には1円も奪われることなく、自分の資産であり続けるのが個人型確定拠出年金なのだ。

■余裕資金内で最大限に活用を

 このように有利なことが多い個人型確定拠出年金だが、“途中で解約ができない”という点を忘れてはいけない。たとえば、資金繰りに困ったからといって、一時的に積み立てたお金を引き出すことは認められていない。原則、受け取りができるようになるのは60歳以降だ。掛け金は必ず余裕資産のうちにとどめよう。

 また年に一度、増額はもちろんのこと減額可能なので、事業が停滞するなどして掛け金の拠出が苦しければ、運用指図者(※)となり拠出をストップすることもできる。そして、また事業が軌道に乗れば拠出を再開することもできる。いずれにせよ、自営業者は節税メリットを生かせる場面が多く、年金上乗せの準備をするにはとても効率の良い手段なので、活用したい。

※運用指図者:掛金を拠出せず、運用の指図のみを行なう人

(マネーライター・永井志樹子)

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