2018年01月21日 09時50分

“定期預金”のイデコを選ぶ場合の注意ポイントとは

定期預金のイデコを選ぶ際に気を付けておきたいポイントについて紹介(写真はイメージ) [拡大する]

定期預金のイデコを選ぶ際に気を付けておきたいポイントについて紹介(写真はイメージ)

 老後資金準備のために、個人型確定拠出年金(愛称「iDeCo」、以下イデコ)制度を検討している人もいるだろう。イデコには、投資信託など価格が変動するタイプのものもあれば、定期預金などの元本が確保されたタイプのものもある。「それなら、元本が確保されたタイプの定期預金がいい」と思う人もいるかもしれないが、実は定期預金を選ぶ際の注意点があるのだ。気を付けておきたいポイントについてお伝えしよう。

■イデコの税制メリットを確認

 イデコには、3つの税制メリットがある。まず「お金を積み立てるとき」、次に「運用時」、最後に「お金を引き出すとき」の3つだ。「運用時」というのは、運用によって利益が出た場合、約20%の税金がかからないという税制メリットだ。

 ただし、現在は超低金利なので、定期預金につく利息もごくわずかとなる。その利息に対して約20%の税金がかからないといっても、小さなメリットとなってしまう。イデコで定期預金を選ぶと、「運用時」の税制メリットは小さくなる可能性があると頭に入れておこう。

■金利がずっと低ければ、手数料のほうが大きい場合も

 イデコを利用する際には、手数料がかかる。金融機関によって異なるが、もし小さな金額(イデコの最低金額である5000円など)で定期預金を選んでいると、つく利息は小さく、手数料の方が大きくなる可能性もある。

 もちろん、イデコの税制メリットのうち、最初の「お金を積み立てるとき」というお得もある。これは、掛け金に対して、税金(所得税・住民税)がかからないというメリットなのだが、このメリットは年末調整や確定申告などによってお金が毎年戻ってきたり、住民税が減った分、手取りが増えたりという形で恩恵を受けることになるため、メリットに気づきにくい。メリットに気づかず、現役中にすぐに使い切ってしまうことのないように、戻ってきたお金を貯蓄専用口座に移しておくようにしよう。

■万一、金融機関が破たんした場合に注意

 金融機関が破たんした場合、預貯金であれば、元本1000万円とその利息が保護される「ペイオフ」という仕組みがある。これは安全な制度といえるが、イデコを利用する際には注意が必要だ。

 例えば、Aという金融機関でイデコを行っていて、同じ金融機関で預金が1000万円あったとしよう。イデコの定期預金が500万円あったらAの金融機関での預金が1500万円になるため、1000万円を超えてしまう。超えた分の500万円は、万一の際に保護されない可能性もあるということに要注意だ。

 「イデコは複雑でわかりにくい」と感じる方は焦って始めることなく、少し調べてから始めよう。

(ライター:西山美紀)
ファイナンシャルプランナー。2児の母。これまでに1万件以上のマネーデータを分析し、500人以上にマネーの取材を行うほか、女性の生き方などをテーマに取材・執筆・記事監修なども行っている。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。

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