猫が病院でかかる費用は?ケガや病気にかかる費用について解説

猫が病院でかかる費用は?ケガや病気にかかる費用について解説

猫の飼育頭数は年々増加しており、近年は犬よりも猫を飼う人が増えています。大切なパートナーであり、癒やしの存在でもあるペットには、いつまでも元気で長生きしてほしいものです。

この記事では、猫がケガや病気をした場合にどのくらいの治療費が必要になるのか、動物病院で必要な費用の目安について解説するとともに、治療費が高額負担となるリスクに備えるためのペット保険について紹介します。

猫の飼育頭数、平均寿命が変化している背景

近年、猫の飼育頭数や平均寿命が変化していることには、どのような背景があるのでしょうか。猫の飼育頭数が増えている理由や平均寿命が延びている要因について、詳しく見ていきましょう。

猫の飼育頭数は増加傾向にある

一般社団法人ペットフード協会が行った「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」によると、猫の飼育頭数は年々増加傾向です。2022年時点で猫の飼育頭数は887万7,000頭に対して、犬は705万3,000頭となっており、猫が犬の飼育頭数を上回っています。

なお、猫の人気が犬よりも高まっている理由としては、猫は散歩が不要な点やマンションでも飼育しやすいといった住宅事情などが大きく関係しています。また、犬はしつけが必要なほか、いっしょに遊ぶのにも体力が必要ですが、猫はその負担が少ないことも理由になっているようです。

猫の平均寿命は年々延びている

一般社団法人ペットフード協会の「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」によると、猫の平均寿命は年々延びており、2022年時点で猫の平均寿命は「家の外に出ない」場合は16.02歳、「家の外に出る」場合は14.24歳となっています。

猫が外に出るか否かで平均寿命に差があるのは、猫が屋外に出ると事故に遭う危険性が高まるほか、猫同士の喧嘩によるケガや感染症といった不慮の事故にさらされる機会が多くなってしまうからです。

そのため、猫の平均寿命が延びた理由としては、完全に屋内で飼育され、外に出ない猫が増えたことが一因であると考えられます。

また、近年は高品質で栄養バランスの良いペットフードが開発され、猫の栄養状態が改善されたことも理由のひとつです。さらに、動物医療の技術向上によって、ケガや病気の猫が適切な治療を受けて健康に暮らせるようになったことも、猫が長生きできるようになった理由と考えられます。

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猫は高齢になると病気やケガをしやすくなる

猫の寿命が延びたのは喜ばしいことですが、同時に高齢ならではのケガや病気のリスクが高まり、介護が必要となるケースも増えてきているようです。

年齢によって、動物病院の利用頻度や慢性的な病気にかかるリスクがどのくらい違うのか、詳しく見ていきましょう。

動物病院の利用頻度は13歳以上が高頻度

公益社団法人日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」によると、猫の年齢別にみた1年間の動物病院の利用頻度は、平均で0〜6歳は6.8回7〜12歳は5.6回13歳以上は8.8回となっており、年齢が上がるにつれて動物病院にかかる回数が増えていることがわかります。

高齢の猫は慢性的な病気にかかるリスクが高まる

猫が年齢を重ねると、がん腎不全といった慢性的な病気にかかるリスクが高まります。これらの病気は定期的な治療や検査が必要になるため、動物病院を頻繁に訪れることになるのです。

猫のケガや病気にかかる費用は?

猫がケガや病気をした際、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。動物病院は自由診療のため、病院によって治療費は異なりますが、「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」を参考に、一般的な金額をご紹介します。

年齢別の費用

猫を飼っている家庭が1ヵ月に動物病院にかけている費用は、平均6,991円です。

また、年齢別の平均では、0〜6歳は6,779円7〜12歳は6,467円13歳以上は7,991円となっており、高齢になると病気になりやすくなるため、動物病院にかかる費用も上がります。

1つの病気にかかった治療費の平均最大額

猫を飼育し始めてからこれまでのあいだで、1つの病気にかかった治療費の最大額は平均5万4,197円です。

なお、1万円未満が21.5%と最も多い一方で、30万〜40万円未満と回答した人も4.1%いることがわかっています。

また、猫の治療費の最大額の平均は、0〜6歳が4万7,251円、7〜12歳が5万2,821円、13歳以上が6万5,208円で、年齢が上がるにつれて上がっています。

猫がかかりやすい病気と起こりやすいトラブル

猫がかかりやすい病気と起こりやすいトラブル

猫がかかりやすい病気は腎臓病や胃腸炎、糖尿病などさまざまです。それぞれの病気の原因などのほか、猫に起こりやすいトラブルについてもご紹介します。

腎臓病

猫がかかりやすい病気のトップは腎臓病です。

腎臓は体の老廃物を尿として出す組織の「ネフロン」が集まってできていますが、猫にはネフロンが犬の半分程度しかないため、腎臓に比較的負担がかかりやすくなっています。

また、飲水量が少ないことやドライフード中心の食生活なども腎臓病の原因として考えられています。

なお、腎臓病にかかると、元の健康な状態に戻すことが難しく、長く付き合っていく必要があるため注意が必要です。

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胃腸炎

胃腸炎も、猫がかかりやすい病気のひとつで、症状としては嘔吐や下痢、血便などがあります。胃腸炎の原因は感染症のほか、腐った物や冷たい物を食べたことなどさまざまです。

糖尿病

猫はホルモンバランスが崩れると、糖尿病甲状腺機能亢進症などの内分泌系の疾患が起こりやすくなります。そのほか糖尿病の原因と考えられるのは肥満加齢です。

なお、糖尿病にかかった場合は定期的に通院してインシュリン治療を受ける必要があります。

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感染症

感染症の感染経路はさまざまですが、猫を屋内で飼っている場合でも、飼い主の出入りなどによってウイルスを屋内に運びこんでしまうこともあります。

そのため、年に1度は混合ワクチンの接種が必要です。

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誤飲

猫は好奇心が強く、ひもやビニール、おもちゃ、電池、薬など、猫にとって危険な物も手に取ったり噛んだりして遊ぶため、それらを誤飲してしまうことがあります。

誤飲によって異物が内臓を傷つけると大量の出血を起こすこともあり、その場合は麻酔、内視鏡、外科手術などが必要です。

猫を動物病院に連れて行く適切なタイミング

猫の健康を守るためにも、動物病院の受診は欠かせないため、かかりつけの動物病院があるといざというときに安心です。猫を動物病院へ連れて行く適切なタイミングについて、ライフステージ別に見ていきましょう。

幼年期(0〜6歳)

まず、猫を迎え入れるタイミングで必ず健康診断を受け、ワクチンが未接種であれば病院に相談の上、必ず接種します。ワクチンにかかる費用は病院によって異なりますが、4,000〜6,000円程度が一般的です。

また、望まない妊娠を防ぐだけでなく、子宮や精巣の病気も防ぐことができるため、子猫のうちに避妊・去勢手術を済ませておくことをおすすめします。

なお、「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」によると、避妊・去勢手術にかかる具体的な費用は、猫の去勢は1万2,652円、卵巣切除による避妊手術は1万9,833円、卵巣子宮切除による避妊手術は2万986円です(いずれも中央値)。

成年期(7〜12歳)

猫は7歳を超えるとシニアと呼ばれ、人間でいうと40代に相当します。

さまざまな病気が見つかりやすくなる年齢でもあるため、年に1回の健康診断で、問診、触診、血液検査、尿検査を行うことがおすすめです。

高齢期(13歳以上)

高齢期の猫は、あらゆる病気にかかりやすくなるため、健康診断の回数を増やして、こまめに健康チェックを行うことが大切です。

猫の元気や食欲がなくなったときのほか、いつもと様子が異なるときは特に注意が必要なため、日頃から様子をよく観察することで、異常を見分けられるようにしておきましょう。

なお、猫には周囲に病気を悟られないように隠す習性があり、ケガや病気の症状が初期の場合、異変を感じ取るのは難しいといわれています。そのため、明らかに様子がおかしいときには、症状がかなり進んでいると考えられますので、すぐに動物病院へ連れて行くことが必要です。

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動物病院で費用が高額になるケース

動物病院で費用が高額になるケース

猫を動物病院に連れていく際、どうしても気になるのが費用ではないでしょうか。人間の場合、健康保険の保険証を病院で提示すれば1〜3割の負担で治療を受けることができますが、猫には公的な医療保険がないため、動物病院で治療にかかった費用は全額飼い主の負担です。

また、動物病院は自由診療で獣医師が自由に治療費を決めることができるため、病院ごとに費用が大きく異なる場合があります。特に高額な費用がかかるケースは下記のとおりです。

手術が必要な場合

猫の手術は専門的な技術と設備が必要なため、費用も高額になり、骨折や異物誤飲などで開腹手術を行うと治療費は数十万円になることもあります。

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入院が必要な場合

猫がケガや病気の手術後の経過観察で入院が必要になると、その分費用も増えます。入院費用は1日あたり数千円から数万円かかるため、長期間の入院では費用が高額になることもあります。

高度な検査が必要な場合

猫のケガや病気の状態によっては、MRICTスキャンなどの高度な検査が必要な場合もありますが、その際も費用は高額になります。

長期間の治療が必要な場合

猫が腎臓病糖尿病のような慢性的な疾患の場合、長期間にわたる通院や薬による治療が必要となるため、費用は高額になる傾向です。

高額な治療費に備えて、ペット保険の加入がおすすめ

大切な家族の一員である猫にケガや病気などによって高額な治療費が発生した場合、大きな助けとなるのがペット保険です。

ペット保険は、ペットが病気やケガで治療を受けた場合にかかった費用を補償する保険で、通院入院手術の3つが主な補償対象です。

健康診断予防接種などの病気の予防にかかわる行為や、避妊去勢手術は補償対象外になりますが、幅広い病気やケガの治療費を補償してくれます。

そのため、経済的な負担に備えて、あらかじめペット保険に加入しておくことをおすすめします。

ペット保険を選ぶ際のポイント

ペット保険を選ぶ際には、保険料はもちろん、補償割合や補償内容を考えて選ぶことが大切です。補償割合は通常、50%か70%のいずれかに設定されていますが、補償割合が高くなるほど保険料も高額になります。

また、「高額な医療費への対応」、「1日あたりの支払い金額の上限」、「通院日数の上限」、「更新時の条件変更」などについてもチェックが必要です。

ペット保険の選び方が知りたい!比較検討のポイント紹介

ペット保険の加入タイミング

ペット保険の加入条件はペットが健康体であることが前提で、持病があると新規加入は難しい場合があります。
また、多くの場合、年齢制限があるため、ペット保険の加入は猫が若くて健康なうちに検討するのがおすすめです。

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猫は病気の早期発見が難しいため、ペット保険で備えよう

猫は病気の早期発見が難しく、気づいたときには重症化していることも。入院や手術で数十万円もの治療費がかかってしまうケースも少なくないため、ペット保険への加入をおすすめします。

なお、ペット保険は保険会社やプランによって補償内容や保険料が大きく変わるため、大切なペットが十分な治療を受けられるよう、複数の保険会社やプランを比較検討して、ご自身とペットに合った保険を選ぶようにしましょう。

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