猫の白内障とは?症状や治療法、予防法について解説

猫の白内障とは?症状や治療法、予防法について解説

 白内障は、目の中にある水晶体の一部、または全部が白く濁ってしまう病気です。進行性で根本的な治療法はないため、かかってしまえば最終的に失明に至ることもあります。

 猫の白内障は、人や犬と比べて発症が少ないといわれていますが、後天的な要因で発症することがあるとされていますので、飼い主は注意しておいた方がよいでしょう。今回は、猫の白内障の原因や治療法、予防法などについて解説します。

mokuji目次

  1. 猫の白内障は目が見えにくくなる病気
  2. 猫の白内障の原因
  3. 猫の白内障の治療法
  4. 猫の白内障の予防法
    1. 完全室内飼いにする
    2. 定期的な検査
  5. 猫の白内障は、早期に発見して対処しよう
ガイア動物病院 院長 松田唯

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯

北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

猫の白内障は目が見えにくくなる病気

 白内障は、目の中でレンズのような働きをしている水晶体が、何らかの原因で白く濁ってしまう病気です。片目だけの場合も両目とも発症する場合もあり、進行性のため最終的には失明の可能性があります。幸い、猫は人や犬に比べると発症例は少ないとされていますが、飼い主としては注意しておきたい病気です。

 猫が白内障を発症すると、次のような症状や様子が見られます。

猫の白内障の主な症状
・目が白く濁る
・瞳孔が開きっぱなし
・物によくぶつかる
・動きが鈍くなる
・飼い主と目が合わなくなる
・音に敏感になる
 白内障は、症状として目が白くなるので外見からもわかりますが、初期は肉眼では判断しづらいでしょう。猫は普段からあまり視覚に頼らずに生活しているため、進行して水晶体が完全に白くなる(見えなくなる)まで行動が変わらないこともあり、それも早期発見が難しい理由です。

 特に、片目のみ発症した場合は、目の濁り以外、進行するまでほとんど行動に変化がないかもしれません。

猫の白内障の原因

猫の白内障の原因

 人間の場合は、白内障というと加齢による病気のイメージがありますが、猫の場合はそうともいえず、全年齢で発症することがあります。

 猫同士の喧嘩によって目に傷ができた、目の病気にかかったなど、目の炎症から白内障を発症することが多く、そのほかに糖尿病やぶどう膜炎といった疾患から併発することもあります。

 まれですが先天性の場合もあり、シャム、バーマン、ヒマラヤン、ペルシャといった一部の描種は白内障になりやすいとされているため、注意しましょう。

猫の白内障の治療法

 猫の白内障の治療は、初期は内科的治療を行います。進行を遅らせたり、症状を緩和したりするために、点眼薬や内服薬、サプリメントなどを使います。しかし、内科的治療で完治することはないため、根本的には外科的治療が必要です。

 外科的治療では、濁った水晶体を取り出し、猫用の人工レンズを挿入することが一般的です。ただし、猫の白内障の外科的治療には専門的な施設が必要なため、行っている動物病院は多くありません。

猫の白内障の予防法

 弱年齢で発症した場合はそうともいい切れませんが、猫の白内障は進行が遅いとされています。早期発見して治療することで、発症前と変わらない生活を続けることは可能でしょう。猫の白内障は、下記のように原因を遠ざけることで予防することができます。

完全室内飼いにする

 猫の白内障は、外傷や感染症などの炎症で発症することがあるため、外での事故やほかの猫とのけんかを防ぐことが重要です。完全室内飼いを徹底し、多頭飼いの場合も相性の悪い猫同士は別の部屋で飼うなどの工夫を行ってください。

 発症した後、視力が落ちると外での生活は難しくなるため、やはり室内で飼育したほうがいいでしょう。

定期的な検査

 猫の白内障は早期に発見することで進行を遅らせられる可能性があります。また、ほかの眼病から白内障を併発することもあるため、目ヤニや充血などの症状があれば、すぐに動物病院で相談するといいいでしょう。

 健康診断などの際に定期的に医師に確認してもらい、異常があればすぐに対処することが重要です。

猫の白内障は、早期に発見して対処しよう

 猫の白内障は、人や犬に比べて発症が少なく、弱年齢の場合を除いて進行も遅めだとされています。もし発症しても、早期に対処できれば発症前と変わらない暮らしができる可能性が高まるので、定期的に獣医師にチェックしてもらう機会を作りましょう。また、日常的に異常がないか猫の様子をよく観察してください。

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ガイア動物病院 院長 松田唯

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯

埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
 ●ガイア動物病院公式サイト(外部リンク)

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