猫が下痢をしたらどうする?原因や対処法について解説

猫が下痢をしたらどうする?原因や対処法について解説

 猫が下痢をしている場合は、腸が水分を吸収できない状態だったり、何らかの炎症が起きていたりといったことが考えられます。病気以外でも猫が下痢をすることは珍しくありませんが、元気そうに見えても体に変調が起きているサインですから、早めに対処することが重要でしょう。

 今回は、猫の下痢の原因や対処法などについて解説します。動物病院を受診すべきか迷う際は、参考にしてみてください。
ガイア動物病院 院長 松田唯

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯

北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

mokuji目次

  1. 猫の下痢の種類
    1. 軟便
    2. 水様便
    3. 血便・血様便
    4. 粘液便
  2. 猫が下痢をする原因
    1. 食事による下痢
    2. 異物による下痢
    3. 感染性の下痢
    4. 疾患による下痢
    5. ストレスによる下痢
  3. 猫が下痢をしたときの対処法
  4. 猫の下痢はしっかり観察して早めに対処しよう

猫の下痢の種類

 猫でも人でも、下痢とは便の水分量が通常より多くなり、形が崩れている状態です。健康な猫の便は60〜80%程度が水分といわれますが、80%を超えると下痢とされます。下痢の便は状態によって、次のような種類に分けられます。

軟便

 軟便は普段より、便の水分が多くなっている状態です。猫の便は通常コロコロしていますが、軟便は形が保たれていないか、保った状態でもティッシュなどで持ち上げると簡単に崩れたり、跡が残ったりします。

水様便

 軟便よりさらに水分が多く、90%を超えた状態が水様便です。液体状なので持ち上げることはできません。

血便・血様便

 便に血が混じっているのが血便・血様便です。鮮やかな赤の場合は肛門から近い大腸などからの出血、黒い場合は胃や小腸などからの出血が疑われます。

粘液便

 便にゼリー上の物質が混じっているのが粘液便です。大腸で何らかの問題が起きているときに見られることがあります。

猫が下痢をする原因

猫が下痢をする原因

 猫の下痢は、一過性で様子を見ても問題ないもの、早急に動物病院の受診が必要なものとさまざまです。猫が下痢をしているときに考えられる原因を解説します。

食事による下痢

 フードが変わった、食べすぎた、食物アレルギーがあるといった場合、猫が下痢を起こすことがあります。

 フードを切り替える場合、急に新しいものにするとおなかに負担がかかり下痢をすることがあります。アレルギーがないか、猫の体に合っているか見極めるため、これまでのフードに新しいものを混ぜて、問題がなければ少しずつ配分を増やしていきましょう。

 食べすぎる猫の場合は、1回あたりの食事量を減らし、回数を増やすなどで対策してみてください。

異物による下痢

 猫が中毒を起こすようなものを食べてしまったときや、おもちゃなどを誤って飲み込んでしまった場合にも、下痢を起こすことがあります。

 嘔吐したり何度も吐きたそうにしていたり、そのほかにも症状が見られるときは、すぐに動物病院を受診したほうがいいでしょう。中毒や誤飲は命に関わることもあるため、危険性が高いものは猫がふれられる位置に置かないことも重要です。

感染性の下痢

 ウイルス、寄生虫、細菌などの感染によって猫が下痢を起こすことがあります。特に、完全室内飼いではない猫や、ワクチン接種の終了していない子猫などが感染性の下痢を起こすことが多いです。

 下痢のほかに、嘔吐や発熱なども伴い、重症化すると命の危険もあるため、特に高齢の猫や子猫の場合は早めに動物病院を受診するといいでしょう。

疾患による下痢

 膵臓や肝臓、消化器、内分泌系の病気の場合も、消化器症状として下痢が現れることがあります。嘔吐や発熱、食欲不振が同時に見られたり、下痢が続くうちに体重減少したりすることもあります。

 動物病院でしっかり検査をしないとわからないものも多いので、猫がいつもと違う様子が続いているようなら、獣医師に相談するといいでしょう。年に1回程度の定期検診を受けるように心掛けることも大切です。

ストレスによる下痢

 来客や引越しなど、猫がストレスを感じておなかを壊すことがあります。大抵は一過性なのであまり心配はいりませんが、思いあたることがある場合は、できるだけ解消してあげるようにしてください。

猫が下痢をしたときの対処法

猫が下痢をしたときの対処法

 下痢が1日だけで、その後も猫が元気なら様子見でも問題ない場合が多いです。フードの量を減らして猫のおなかを休ませ、症状が落ち着いたかどうかを確認します。

 しかし、数日続いている、嘔吐もしている、下痢に血が混じっているなど、ほかにも症状があれば動物病院の受診が望ましいです。特に高齢の猫や子猫の場合は重篤化する危険があり、早めに獣医師に相談することが重要です。

 猫用の下痢止め薬なども市販されてますが、原因がわからない状態で服用させると、かえって悪化する可能性があります。獣医師に相談した上で服用させた方が安心です。

 動物病院を受診する際は、可能なら猫の便を密閉できる容器に入れて持って行ってください。その場合、便は数時間以内のものが望ましいです。時間が経ってしまうと、一部の寄生虫の卵が検出できなくなったり、便の菌のバランスが変化してしまったりして、正確な診断がしづらくなります。

 難しい場合は写真に撮って、色やにおいなどを獣医師に伝えるようにしましょう。下痢をした頻度や期間などもメモして伝えると、診断のヒントになります。

猫の下痢はしっかり観察して早めに対処しよう

 猫の下痢は珍しいものではありませんが、何日も続いたり、ほかにも症状がある場合は、何らかの病気が原因かもしれません。猫が下痢をした際は、前後の様子や頻度、色、においなどを観察して、不安があれば早めに動物病院を受診してください。

 どのような検査や治療が必要かは、実際に動物病院に行ってみないとわかりません。診療費が不安な場合は、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。

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ガイア動物病院 院長 松田唯

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯

埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
 ●ガイア動物病院公式サイト(外部リンク)

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