2017年03月04日 11時40分

株価急落に負けずお金を増やす方法とは? マネーに詳しいFPが伝授!【後編】

後編では市場が急落する場面に備えて抑えたい“3つのコツ”を確認していく [拡大する]

後編では市場が急落する場面に備えて抑えたい“3つのコツ”を確認していく

 市場が急落した際、資産運用にどう取り組めば良いのか。上手に資産運用をしている人は、お金の動かし方にメリハリがあるもの。前編では「ブラックスワン」のような予期せぬ混乱が起きても、中長期的に資産運用に取り組むための方法をお伝えした。後編では、実際に市場が急落する場面に備えて抑えたい“3つのコツ”を確認していこう。

【1】お金の動かし方にメリハリをつける

 筆者が外資系の銀行に在籍していた時のことだ。ある顧客は、普段は投資商品について話をしようにも全く興味がない様子だった。投資に対して消極的で何もお金を動かすつもりがないのかと感じていたが、2008年のリーマンショックが起こり、米国株が大暴落したあたりから、まとまった資金で米国の株式投資信託を淡々と買い始めたのだ。当時は市場参加者の多くが悲観的になり、まだまだ下がるだろうと言われていた。

 そんな局面でも、下がれば下がるほど投資額を増やしていった。それこそ100年に1回あるかないかの大混乱の時期で、この時期に買った投資信託を今も保有していたら何倍にもなっているだろう。このような人は、マーケットが大きく崩れた時に決して慌てず、むしろチャンスとばかりに下落相場を楽しむように買っていくのだ。なぜなら投資方針がしっかり定まっていて、チャンスが来れば買っていこうという「事前の準備」ができているからである。

【2】投資資金を一気に投入せず手元に残しておく

 下落相場をチャンスと攻める方法は、投資できる資金を一気に投入せず、手元に待機資金を残しておくことで可能になる。何もせず手元に資金を残しておくことは、効率が悪いように思えるが、まとめて一気に投資すれば、大失敗してしまう可能性も高い。リスクを減らし、相場が急落しても、「チャンス到来!」と冷静に買いにいけるくらいが理想的なのだ。

【3】最大の損失額を想定しておく

 相場の急落時でも、平常心を保つことが重要。本当のお金持ちになれるような人は、「事前の準備」を怠らず、いつも平常心でいるので、株価が大きく変動すると大慌てする大多数の普通の人と反対に動ける。「事前の準備」とは、投資対象の価格がどのくらい変動する可能性があるのか、どれくらいの損失までなら平静でいられるかという、“許容最大損失額”を把握しておくことだ。自分自身の資産状況を考えて、一時的にいくらの損失までなら致命的な問題にならないのかを把握しておくことが、極めて重要である。最大の損失額をイメージしておけば、相場が急落しても慌てることなく、冷静な判断ができるだろう。

 そもそも、資産運用とは債券や株式など、あらゆる金融資産全体のバランスを考慮して資産全体を管理していくことだ。その上で平常心を保ち、動くべきときは動くというメリハリのある運用術を心がければ、株価が急落する場面でも前向きに資産運用を継続することができるはずだ。

<記事/高橋忠寛(ファイナンシャル・プランナー)> 株式会社リンクマネーコンサルティング代表取締役。東京三菱銀行・シティバンク銀行を経てFPとして独立。投資助言業者として資産運用のコンサルティング事業を展開(http://link-money.co.jp/)

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