ペット保険にまつわるトラブルとは? 保険対象をよく確認しよう
ペット保険で発生するトラブル
ペットそのものに関するトラブルといえば、鳴き声やにおいなどがイメージできますが、ペット保険のトラブルとなると、ちょっと想像しにくいかもしれません。ですが、実際にはさまざまなトラブルが起こっており、国民生活センターに相談が持ち込まれたり、中には訴訟にまで発展したりというケースもあります。
ここで、よくあるペット保険に関するトラブルをご紹介しましょう。
<よくあるペット保険に関するトラブル>
・保険金が支払われない
・保険の補償内容が、契約途中に突然変わった
・月途中で解約したら、その月の保険料が全額請求された
・更新前に解約したのに、すでに更新されていた
・ペットショップで知らないうちに保険を契約されていた
ペット保険が登場し始めたころは、悪質な業者による詐欺まがいの行為がかなり問題視されました。そのため現在では、極端にひどいトラブルはほとんどありません。
ただし、ペット保険は、法律によって契約者が保護されている人間用の医療保険とは違います。解約時の手続きをどうするか、その月の保険料はどのように精算するか、自動更新の扱いはどうなるか。これらの要素についても、契約者にとって不利な条件が設定されている可能性があります。
こういったリスクを念頭に置いて、契約前に十分チェックしてから保険を選ぶようにしましょう。
「保険金が支払われない」のはなぜか?
免責とは保険会社が保険金を「支払う責任を免れる」という意味で、「免責事項に当てはまったら保険金が支払われませんよ」ということです。人間の保険と同様、ペット保険には多くの免責事項があり、これらに該当する場合には保険金は支払われません。具体的には以下の項目に当てはまるような場合、保険金が支払われないケースが多くなります。
・補償対象外の治療である
病気の治療ではない通院は、基本的に補償の対象外です。予防接種や健康診断、妊娠・出産に関する治療などが当てはまります。
・補償対象外のケガ・病気である
保険契約前からかかっている病気や、先天性異常などは補償されません。ほかにも自然災害などで負ったケガや病気、成犬のほとんどがかかる歯周病なども補償されないことが多いですが、細かいところは保険商品によって異なります。
・免責金額の範囲内である
保険の中には「支払った治療費のうちの一定金額までを飼い主の負担として、それを超えた場合に保険金を支払う」というものがあります。この「一定金額」が免責金額です。治療費がこの金額以下の場合、保険金は支払われません。
ペット保険に限らず、保険というのは商品の性質上、この免責事項がとても細かく、数多く設定されています。契約者である飼い主がこのことを知らないと、「保険金が下りると思っていたのに……」ということになりかねませんからご注意ください。
契約前に内容について十分に理解することが大切
・免責事項について
まず、保険金が下りないケースについて理解しておきましょう。補償の対象外となるケガや病気、年齢制限、免責金額など、「免責」という言葉のあるところは一通りチェックが必要です。
・更新手続きについて
ペット保険は年間契約がほとんどですが、自動更新というケースもあります。その場合、内容の見直しや解約をするつもりであれば、いつまでにどのような手続きをすればいいのか確認が必要です。ペットの年齢によっては更新時に審査が必要になり、その結果「契約不可」となることもあります。
ペット保険のトラブルを避けるには、契約前に補償内容を調べて、十分に理解しておくことです。そのためには、保険商品に必ずある「約款」を読み込むのが王道です。そこには免責事項や契約・更新についてのルールが、実に細かく記されています。
ですが、約款は専門用語が多く使われている上に文章が堅く、ほとんどの人にとっては難解な代物でしょう。それなら、保険会社に直接問い合わせてみるのが一番の近道です。また、基本的な情報はネットで集められますから、それを基に「一般的にはこのようにいわれているようだが、私の場合はどうなるのか」というように質問すれば、的確な答えが返ってくるでしょう。
ペット保険は、あなたの大切な家族をサポートするセーフティーネットです。いざというときに困らないように、しっかり準備しておいてください。