愛犬が血便をしたらどうする?原因と対処法を解説
この記事では、犬が血便をした場合に考えられる原因とその対処法、さらに血便を予防する方法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
監修者 ガイア動物病院 院長 松田 唯
北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
目次
犬の血便の原因
血便の多くは、消化器系に何らかの異常があることを指しており、一般的に血液は消化管を通過するうちに黒色に変化していくため、鮮やかな赤い色の場合は肛門から近い直腸や結腸、あるいは肛門の傷が疑われます。黒い色の場合は肛門から遠い食道や胃、十二指腸に問題がある、あるいは口腔内の出血によって黒い血便となって現れることも考えられます。
また、下痢の原因部位と同じであることも多く、下痢の原因を突き止めていくとはっきりすることがあります。
まずは原因を突き止め、それに合わせて対処することが大切です。犬が血便をした場合に考えられる原因をご紹介します。
食べ物が原因
また、食べ物以外に誤飲や誤食にも注意が必要です。固い物や尖った物を飲み込んで胃や腸を傷つけたり、犬にとって中毒性のある物などを食べたりして、血便につながることもあります。
ストレスが原因
思いあたることがあれば、できるだけストレス源を取り除いてあげましょう。
病気が原因
飼い主が血便から病気を特定するのは難しいので、この場合は動物病院を受診することが望ましいでしょう。
病気を原因とする血便は、ほかにも症状が見られることがほとんどです。嘔吐や下痢、食欲不振など、血便のほかにも症状があれば脱水や貧血につながることもあり、命に関わる可能性もあるため、すぐに獣医師に相談してください。特に、長期間にわたる血便は腫瘍の可能性もあり、様子を見続けることはおすすめできません。
血便を伴う犬の病気
パルボウイルス感染症
パルボウイルスは感染しても発病する確率は低めですが、発病した後の死亡率は高いです。有効な治療法が確立されておらず、発症してしまえば対症療法や補助療法を行うしかありません。
予防のためのワクチンがあり、すべての犬に接種が推奨されています。特に子犬や高齢犬でリスクが高い疾患のため、獣医師と相談のうえ、早めに接種しておくと安心でしょう。
胃腸炎
前述のパルボウイルスを含め、ウイルスや細菌などが原因の場合は、感染が広がらないようにすることが重要です。犬の血便はすみやかに片付け、掃除や消毒を行ってください。特に、ほかにもペットを飼っている場合は要注意です。
血液凝固異常
血液凝固異常は先天性の場合もありますが、ほかの病気や抗凝固剤を使用した殺虫剤の中毒で引き起こされることもあります。
血液凝固異常では、血便のほか体の表面に点状や斑状の内出血が見られることも。放置すると重度の貧血を起こし、命に関わることもありますから、すぐに動物病院を受診するようにしてください。
ポリープや腫瘍
特に炎症性ポリープは中高齢のミニチュアダックスフントによくあるとされますが、原因はまだ特定されていません。
ポリープや腫瘍には、良性で特に処置が必要ないものもありますが、悪性の場合は放置すると重大な病気につながることもあるため、早めに動物病院を受診することが望ましいです。
ポリープや腫瘍が邪魔して便が出にくくなり、排便姿勢をとるのに便が少ししか出ない、またはまったく出ない、下痢をするなどの症状も見られます。
犬の血便への対処法
ここでは、犬が血便をした場合の飼い主の対処について解説します。
まずは様子を見る
ただし、その後に悪化することも考えられますから、できれば血便は捨てずに保管することが望ましいです。血便の色や形状などから、獣医師が診察の助けとしたり、検査を行ったりすることもあります。感染の可能性を考え、密封できる容器などに入れましょう。難しい場合はスマートフォンなどで撮影し、犬がどういった様子かもメモしておくことをおすすめします。
食事内容を見直す
食事の量を減らす、ドライフードはお湯でふやかして与える、消化の悪いおやつは避けるといった対処で、血便が改善される場合もあります。フードを変える場合は、これまでのフードに新しいフードを混ぜ、少しずつ割合を増やして、犬の様子を見ながら変えましょう。
獣医師に相談する
血便以外にも、嘔吐や食欲不振、下痢、元気がないなどの症状がある場合も、動物病院の受診が望ましいです。
犬の血便の予防法
食事内容に気を付け、余計なストレスを与えない
また、いらぬストレスを与えないように、適度な運動と休息、飼い主との十分なコミュニケーションも大切です。
定期的な健康チェックを行う
犬の健康状態は、全身の状態のほか、目、耳、鼻、口、お尻、陰部周辺などにも現れます。汚れやにおいがないか、さわると嫌がるところはないか、スキンシップをとりながらチェックしてください。普段からチェックしておくと、いつもと違う場合にすぐ気づくことが可能になり、獣医師に相談ができます。
愛犬の発するサインである血便を見逃さず、適切な対処を
中でも便の状態は、愛犬の健康状態を推し量る重要な要素です。血便は何らかの異常がある証拠ですから、犬が元気でも注意深く様子を見守りましょう。もし血便以外にも症状があれば、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
どのような検査や治療が必要かは、実際に動物病院に行ってみないとわかりません。診療費が不安な場合は、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。
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監修者 ガイア動物病院 院長 松田 唯
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
●ガイア動物病院 (外部リンク)
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。