2015年12月02日 08時00分

今年のNISAは今年のうちに! 上手に活用する3つの投資術

年越し前におさえておきたい! 「NISA」を活用する投資術とは? [拡大する]

年越し前におさえておきたい! 「NISA」を活用する投資術とは?

 2015年も早いもので残りわずか。今年のNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)枠は使い切れているだろうか。

 NISAは、本来20%(復興特別所得税をのぞく)課税される株や投資信託の利益や配当、分配金への税金が非課税となる制度だ。ただし、非課税期間は5年で、年間購入額100万円まで(2016年からは120万円まで)と上限が決められている。さらに、注意すべき点は、その非課税枠は1年限りのもので、もし非課税枠に残りがあっても、翌年以降に持ち越すことはできないという点だ。

 たとえば、今年に入って、今までに購入した株が70万円だったとしたら、30万円分の非課税枠が残っている。このまま来年になったら、その30万円分の非課税枠は使えなくなり、来年分の非課税枠120万円だけが新たに使えるようになる。

 つまり、今年のNISAは今年のうちに使わないとせっかくの非課税枠が無駄になってしまうのだ。そこで、余った枠を使い切る3つの投資術を紹介しよう。

【1】500円からの世界分散投資
 リスクを抑えた投資をしたい人にオススメなのが、日経平均株価やTOPIXなど一定の指数への連動を目指すインデックスファンドへの分散投資だ。

 日本だけでなく先進国や新興国、あるいは世界の市場全体まで浅く広く投資でき、個別株に比べて値動きが緩やかなのが特徴だ。販売手数料は無料が一般的で、保有中にかかる信託報酬も低額なので、NISA口座で長く保有しやすい。

 なかでも、コストが最安なのが「ニッセイインデックスファンド」シリーズだ。TOPIX、国内債券、外国株式、外国債券、リート(不動産投資信託)に投資する商品がそろう。新興国に投資したいなら、「SMTインデックス・オープン」シリーズと「eMAXISインデックス」シリーズが最安となる。

 いずれもネット証券では500円、あるいは1000円から投資できるので、枠が中途半端に余っている場合にも無駄のない投資が可能だ。

【2】高配当の大型株でどっしり長期投資
 アベノミクス相場で業績の良い銘柄や人気のテーマ株は株価がかなり上昇してしまった。今から投資するには高値づかみが不安な人もいるだろう。

 そこで注目したいのが、商社株だ。このセクターは資源やエネルギー価格の下落により株価は低迷している。目下の業績は他業種と比べて良いとはいえないものの、実態以上に割安になっている銘柄も多い。このため配当利回りも非常に高くなっており、東証1部全体の平均は1%台であるのに対し、商社株には3%台がゴロゴロしているのだ。

 たとえば、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)、住友商事(8053)の配当利回りは3%台だ。三井物産(8031)に至っては4%台に達しており、非常に魅力的な水準に達している。

 NISA口座で長く保有するなら、非課税で高配当を受け取りながらじっくり業績の回復を待つのもいいだろう。

【3】国策テーマ株で大化けを狙え!
 10万円の株が11万円に値上がりした場合、NISAで節約できる税金は2000円。一方、100万円になれば18万円の税金を軽減できる。非課税メリットだけを考えるなら後者の方が断然おトクだ。

 大きな値上がりを期待できるのは、時価総額の小さいテーマ株や新興株だ。値動きが激しいので下落時の損失も大きくなりがちだが、それを許容したうえで大化けを狙うのもNISAの選択肢としては十分ありえる。

 そこで注目したいのは、世界中の自動車メーカーが開発に着手している「自動運転」の関連銘柄だ。息の長い投資テーマで、政府が後押しする「国策」でもあり、今後もニュースが出るたびに買われることが期待できる。なかでも比較的時価総額の小さい銘柄としてはアイサンテクノロジー(4667)、べリザーブ(3724)、ネクスグループ(6634)などが挙げられる。

 なお、今年のNISA非課税枠を使うためには、今年中に「受け渡し」が済んでいる必要がある。国内の株式市場は、2015年12月30日が年内の最終取引日となるが、その日に受け渡しが行われるためには、12月25日に取引を済ませなければならない。26日以降に売買すると、受け渡しは来年となり、来年のNISA枠に組み入れられることになるので、注意したい。

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