2015年11月19日 07時20分

さわかみファンド会長が“銘柄選び”伝授! 「ペン2本で誰にでもできる!」

株式投資で勝つためにカギとなる「銘柄選び」について語る澤上氏(C)oricon ME inc. [拡大する]

株式投資で勝つためにカギとなる「銘柄選び」について語る澤上氏(C)oricon ME inc.

 “長期投資家”として長年にわたり第一線で活躍している「さわかみ投信」の取締役会長・澤上篤人氏が先月、『日経マネー30周年記念 特別シンポジウム』に登壇した。当日は『相場が乱高下しても長期投資家は平気だよ』をテーマに、銘柄選択の方法を力強くアドバイスした。

 澤上氏自身が「企業選別はものすごく大事」と語るように、株式投資で勝つためにカギとなるのが銘柄選びだ。株式投資のプロなどは、データなどを駆使して値上がりしそうな銘柄を選ぶこともできるが、誰もができることはでない。

 だが、澤上氏は「誰にでもできる柄選びの方法はある」といい、実際に2つを伝授した。

 まず一つが、最初が自分の身近なところで銘柄を見つける方法。それに必要なのが、企業を「赤」と「青」の2つのタイプに色分けすること。青は「利益第一主義で株式配当をしている企業」。赤は「環境意識が高く投資や研究に積極的で、雇用を増やすなどしているが利益はあまり出ていない企業」だ。まずはこれを頭に入れておく。

 そうした上で、自宅でリラックスしているときに、買い物など生活する中で思いつく会社の名前をリストアップしてみる。それを赤と青の筆記具で、自分の感じるままに選んだ企業を「赤」のタイプか、「青」のタイプか薄く色分けをする。この作業を月1回、半年程度行う。そうするうちに、だんだん青が濃くなったり、赤が濃くなったりしていく。なかには、最初青だと思っていたのが、よく見たら赤だったということも出てくるという。澤上氏は、その結果、しっかり「赤」になった会社を「応援する銘柄」にするといい、この作業が長期投資で応援銘柄を見つけるのにとても大事な作業と語った。

 一見、株式投資で勝つためには、利益を追求した「青」の企業が良さそうにみえるが、澤上氏は「我々は赤い会社を応援していく。子どもたちのためにもそういう会社に増えてほしい。だが、こういう会社は青い会社に買われて、利益追求型の会社になってしまう可能性がある。そうならないために、赤い会社の株主になって守らなければならない。これが長期投資のキモだ」と断言。

 さらに、「応援しようという気持ちがあるなら、下がったとしても赤い会社を買い続ければいい。もし株価が高くなれば、にわか応援団が買ってくるから、そのときは薄く売る。高くなったらにわか応援団は売るので、下がったところを我々、真打の応援団が買う。長期投資は、頑張っている企業を応援する、ひいてはそれが自分たちの生活防衛になる」と力説した。

 もう一つの方法は、将来の自分をイメージして銘柄を選ぶ方法。ポイントは「10年、20年先に、こんな町に住みたいというイメージを持つこと」といい、「たとえば、将来に自分が住んでいる町に放射性廃棄物が出る原子力発電所があってうれしいかどうか。10年、20年先にはない方がいいと思うなら、それに代わるものは何かを図書館で勉強することが大事」と持論を展開。さらに、勉強した上で「家庭用の燃料電池などが注目されると思うのであれば、それに関連する銘柄を応援する。そういった動きが大事」とした。また、「健康」「医療」「介護」など、自分に身近で関心のあるテーマで銘柄を探していくこともおすすめだという。

 加えて、「いいものがあったら応援すればいい。簡単なこと」と笑顔を見せ、「我々はそうやって、着実に利益を出してきた。これが本当の投資というもの」と胸を張っていた。

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